道おしえ  171句

道作りみなひだるしやみちをしへ   阿波野青畝   万両

斑猫  道おしえ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
とどまりて彩を増やしぬ道をしへ 山田弘子 春節 199503
南朝の行富跡へ道をしへ 南波保子 199809
角力取山古墳へとみちをしへ 鷹羽狩行 199809
古道やいつしか消えしみちをしへ 柳沢杏 酸漿 199908
まぼろしの城門いくつ道をしへ 八染藍子 199909
国虎の墓に落ちつく道をしへ 中村祭生 ぐろっけ 199912
釜鳴りに向きを変へける道をしへ 延広禎一 200001
完成の近き館へ道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 200007
子育てに近道のなし道をしへ 志野蕗子 200010
境内をよこぎつてをり道をしへ 木下野生 200010
奥能登の灯台までを道をしへ 斎藤多美子 火星 200010
道をしへ天神様の女坂 三浦てる 風土 200010
肩かして半歩先ゆく道をしへ 水谷ひさえ 六花 200011
一樹なき死者の山より道をしへ 能村登四郎 200108
薄日差す女人高野の道をしへ 伊藤和枝 百鳥 200108
関守のごとく勿来の道をしへ 鷹羽狩行 200108
せせらぎに沿ふ散策や道をしへ 鈴木石花 風土 200110
みちをしへ何処にあるやら埋蔵金 加藤翅英 京鹿子 200110
これよりは自力で行けと道をしへ 小野寺和子 200111
道をしへ山気いよいよ濃かりけり 藤木竹志 馬醉木 200112
抜け穴のやうな木の洞道をしへ 塩貝朱千 京鹿子 200112
逆らうてみたくもなりぬ道をしへ 平子公一 馬醉木 200201
恩愛や先へ先へとみちをしへ 正木ゆう子 200205
萌ゆる木を指して神杜の道教ふ 井口初江 酸漿 200206
道をしへ見はてぬ夢を追ふ如し 土井田晩聖 銀化 200208
道をしへ旧陣屋より杖の音 辻のぶ子 雲の峰 200208
翁追ふ旅にあらねど道をしへ 鷹羽狩行 200209
沈下橋振り返りつつ道をしへ 片岡祥子 200209
笑顔もて女身菩薩や道をしへ 末益冬青 雲の峰 200209
道をしへ西方に雨降つてをり 木下野生 200209
神峰山へものの四五歩と道をしへ 田中峰雪 雨月 200209
道をしへにも望岳のこころざし 鷹羽狩行 200210
陀羅尼呪やひよいと出でたる道をしへ 延広禎一 200210
道を問ふ人見当たらず道をしへ 藤池芳子 200211
道をしへ波郷の泉今も湧く 松原ふみ子 200211
道をしへふいと逸れたる登窯 今瀬剛一 対岸 200212
明暗の著き山路の道をしへ 岡田順子 ホトトギス 200301
輿入れのむかしの道を道をしへ 鷹羽狩行 200307
道をしへ不安のつのる宿捜し 小田知人 ぐろっけ 200307
鈍足を嘲るもよし道をしへ 小田知人 ぐろっけ 200308
これからは先に行けよと道をしへ 岡村命美 百鳥 200310
みちをしへ導く地蔵祭りへと 村越化石 200310
さうかさうかと頷く吾よ道をしへ 林翔 200311
道をしへ目にもとまらぬ速さにて 田口たつお ぐろっけ 200312
宝前の白砂の上の道をしへ 石原勢津子 雨月 200406
道をしへ気づきたるより道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 200407
道をしへ始めたるより道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 200407
せっかくの道をしへなりあとに蹤く 橘澄男 山景 200408
道をしへ立ち止るのが民主主義 木戸渥子 京鹿子 200410
菩提寺へ一人の影や道をしへ 田代ヨシ 河鹿 200411
道をしへ橋を渡つてをりにけり 坊城俊樹 ホトトギス 200411
幽冥の父母には逢へず道をしへ 岡田順子 ホトトギス 200411
道をしへ影もさらへて消えてゐし 岡田順子 ホトトギス 200411
宮内庁不問御陵の道をしへ 林直入 ホトトギス 200411
道をしへたる制服を着てをりぬ 林直入 ホトトギス 200411
道をしへ脚を舐めては振り返る 有働清一郎 ホトトギス 200411
己が影踏まへ思案の道をしへ 有働清一郎 ホトトギス 200411
孤独なるさまに道をしへと私 鷲巣ふじ子 ホトトギス 200411
道をしへ出遭ふも別るるも速き 鷲巣ふじ子 ホトトギス 200411
道をしへ心細さを知るごとく 鷲巣ふじ子 ホトトギス 200411
砂丘にも道らしきもの道をしへ 中村襄介 ホトトギス 200411
道をしへ火傷しさうな砂の上 中村襄介 ホトトギス 200411
飛ぶよりも走る迅さの道をしへ 中村襄介 ホトトギス 200411
付くべきか付かざるべきか道をしへ 内藤悦子 ホトトギス 200411
道をしへ背中ばかりを見せて飛ぶ 内藤悦子 ホトトギス 200411
道をしへには来し道のなかりけり 竹下陶子 ホトトギス 200411
俳諧の道は教へず道をしへ 竹下陶子 ホトトギス 200411
小暗さを保護色として道をしへ 山下美典 ホトトギス 200411
一息をつくかにとまり道をしへ 山下美典 ホトトギス 200411
道をしへ教へてくれぬ時もあり 山口正秋 ホトトギス 200411
神仏を問はず案内のみちをしへ 林直入 ホトトギス 200411
観音へ前へ前へと道をしへ 滝沢伊代次 万象 200507
道をしへ神の従僕なりしかな 近藤喜子 200509
わがあとについてくるらし道をしへ 服部早苗 200510
道をしへ道はどのみち藪の中 上野泰子 対岸 200511
道をしへ門前で待つかへり道 河本勇 築港 200512
道をしへ先導すなるねねの道 松村多美 四葩 200608
大勢に術なく逃ぐか道をしへ 西村しげ子 雨月 200608
雲関や水分越ゆる道をしへ 延広禎一 200609
風紋に隠る砂丘の道をしへ 和田一 雨月 200610
通行止関所破りの道をしへ 木内美保子 六花 200610
思ひ出の地へいざなはれ道をしへ 足立幸信 200611
方丈へ近道辿る道をしへ 久保田嘉郎 酸漿 200710
道をしへ道忘る時くうへとび 舩越美喜 京鹿子 200710
みちをしへ径の岐るるところまで 大畑善昭 200710
句の道は風のままにと道をしへ 長山あや ホトトギス 200711
蹤きゆけば行き止りなり道をしへ 土井田晩聖 万事 200711
道をしへ跳んで安宅の関越ゆる 佐治奈津 雨月 200711
どこまでもついて行きたく道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 200807
道をしへより知つてゐる山路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200807
同行の長かりしこと道をしへ 鷹羽狩行 200807
山門の高き閾や道をしへ 矢島久栄 200809
水音のなんで途切るる道をしへ 栗栖恵通子 200809
うごき出すもののいづこも道をしへ 中野京子 200809
道をしへ推し敲くこともう一度 布川直幸 200810
道をしへ上る下るに蝶夢の碑 岡本幸枝 ぐろっけ 200810
墓所の土乾きて白しみちをしへ 藤井美晴 やぶれ傘 200810
道をしへ一歩ためらふ丸木橋 近藤南麓 万象 200811
賓頭盧の臍より出でし道をしへ 延広禎一 200909
道をしへあつちへ行つてしまひけり 小林正史 200909
道をしへ遅き出逢ひも縁かな 篠原幸子 春燈 200910
道をしへ真つ直ぐ行けと教へられ 本田保 春燈 200910
きりぎしといふ行き止り道をしへ 足立幸信 200912
足許の石に躓き道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 201007
道をしへ行者道とて迷はずに 稲畑汀子 ホトトギス 201007
隠れ道めくところより道をしへ 鷹羽狩行 201008
千枚田の此の畦どこへ道をしへ 徳井節子 馬醉木 201009
蕉翁の句碑はその奥道をしへ 久保東海司 201009
道をしへ知己に会ひたる心地する 近藤紀子 201009
急ぐなと立ち止まりたる道をしへ 山田春生 万象 201009
極楽の色を放てる道をしへ 柴田佐知子 201009
道をしへ長方形の空を持つ 吉村摂護 201009
木道の列の先達道をしへ 靜寿美子 ぐろっけ 201009
道をしへ飛んで仁王の大草鞋 延広禎一 201010
奥殿へ向かふ私と道をしへ 雨村敏子 201010
道をしへ辿りつきたる尼寺は留守 柴田志津子 201010
花魁淵のぞく径あり道をしへ 守屋井蛙 酸奬 201010
どれもこれも道を教へぬ道をしへ 小形さとる 201012
道をしへ花鳥の道は教へざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
道をしへ一歩一歩に迷ひあり 稲畑汀子 ホトトギス 201107
渓声の静けさにをり道をしへ 村上絢子 馬醉木 201109
諍ひて家飛び出せば道をしへ 栗原京子 201112
道をしへ探鳥会の果ててなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
道をしへ教へし道を誰も行かず 立石萌木 雨月 201208
葬列の後に蹤きくる道をしへ 河口仁志 201209
いつの間に脇道に消ゆ道をしへ 橋本修平 かさね 201210
道をしへ妻の横へと逃げにけり 小林正史 201210
道をしへ橋のたもとで別れけり 田中文治 火星 201210
用のなき時に出てくる道をしへ 柴田佐知子 201211
観音堂へかく行けとこそ道をしへ 大石喜美子 雨月 201212
我よりも鎌倉通か道をしへ 田中貞雄 ろんど 201309
引き返す途は教へず道をしへ 土屋草子 ろんど 201310
旅鞄置くや故山の道をしへ 田中文治 火星 201311
村里を彼方此方と道をしへ 赤川誓城 ホトトギス 201312
秋日傘の影のとらへし道をしへ 山本耀子 絵襖 201404
混迷の世に道いくつ道をしへ 鈴木一広 201408
旦子思へば興陽寺へと道をしへ 加藤良子 春燈 201409
観音を巡る山路や道をしへ 伊藤純子 201409
道をしへ目の前のことひたすらに 西岡啓子 春燈 201409
道をしへどこまで蹤けば子に逢へる 高橋たか子 馬醉木 201409
捜す術無き尋ね人道をしへ 卯木堯子 春燈 201410
城めぐりのいつしか恋に道をしへ 中谷富子 201410
道をしへ札所へ続く鄙の径 菊池ひろ子 やぶれ傘 201410
知らぬとは言へず前進道をしへ 八木健 八木健俳句集 201509
みちのくの起点千住の道をしべ 赤岡茂子 春燈 201509
そつけなき案内なりけり道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 201607
わが行手知るや知らずや道をしへ 稲畑汀子 ホトトギス 201607
八桁の番号笑止道をしへ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
道をしへ翔ぶほかのなく翔びにけり 諸岡孝子 春燈 201608
タクシーを降りて山路を道をしへ 重田修 末黒野 201610
信濃攻めの棒道ここと道をしへ 岡田貞峰 馬酔木 201611
蕉翁の句碑はその奥道をしへ 久保東海司 201711
道をしへ消えてこの先行き止り 尾崎みつ子 雨月 201711
道をしへ道ををしへるつもりなく 竹下陶子 ホトトギス 201802
この道をゆくほか知らず道をしへ 都丸美陽子 春燈 201808
九十九折り縁を結ぶ道をしへ 植村蘇星 京鹿子 201811
蜜の味知つてしまつた道をしへ 高橋将夫 201908
哲学の道共に行く道をしへ 江島照美 発火点 201909
廻廊に迷ひ込みたり道をしへ 中根美保 風土 201909
への門に待つてをりたる道をしへ 笹村政子 六花 201909
親離れ子離れなるか道をしへ 植村蘇星 京鹿子 201909
潦飛んで見よとや道をしへ 神谷さうび 末黒野 201910
一軒の峠の蕎麦屋道をしへ 住田千代子 六花 202009
能因のたどりし道の道をしへ 中村洋子 風土 202010
振り向いて気づかふ素振り道をしへ 木村享史 ホトトギス 202011
道をしへ久々なれど故郷ぞ 杉山善信 末黒野 202111
夷国への親書携へ道をしへ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202206
極楽へ寄り道したる道をしへ 阪倉孝子 202208
夫在りし日への案内か道をしへ 神谷さうぴ 末黒野 202210
道教へもしやあなたは和宮 菊池和子 京鹿子 202210

 

2023年7月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。