斑 猫    82句

斑猫のいまいちど確かめとぶ   高島茂   

斑猫  道おしえ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
斑猫のつるみし朱雀門なりし 小菅佳子 199808
斑猫の教へて呉れし大師道 竹野梢星 199812
飛び出でて斑猫蟻を喰ひはじむ 辻のぶ子 俳句通信 199906
磴嶮し我が憩へば斑猫も 大橋宵火 雨月 199907
斑猫や山の向うに隠れ里 鈴木ゆき子 風土 199910
斑猫や二つ買ひける阿闇梨餅 延広禎一 199910
斑猫や老いの夜咄しあともどり 大村美知子 京鹿子 200008
斑猫の駆込寺へ飛びにけり 江木紀子 雨月 200009
斑猫や杉にしづもる水の神 深川知子 俳句通信 200009
斑猫のふいに消えたるフランス山 上田希実 遠嶺 200010
斑猫が飛んでイエスの跣かな 男波弘志 200011
斑猫と瀬音高まる径に出づ 高瀬哲夫 200102
斑猫に蹤いて拾遺に似たる道 森谷彰 銀化 200108
斑猫の青丹とどまる白大地 山陰石楠 200112
斑猫や谷を見下す札所寺 池田厚子 雲の峰 200209
斑猫の加はつてゐる峠越え 松木桂子 200212
斑猫の案内の堂へついてゆく 市場基巳 200307
斑猫に即かず離れず落柿舎へ 中田征二 ぐろっけ 200309
色見ゆるまで斑猫に近づきぬ 田口たつお ぐろっけ 200312
斑猫に未必の故意の迷路かな 荒井慈 春燈 200409
斑猫や小半時ほど赤のれん 吉弘恭子 あを 200409
斑猫のはたりと飛ばず日暮れぬる 市場基巳 200410
斑猫の勅使門へは導かず 梅村五月 栴檀 200410
斑猫のもう此処までと消えにけり 山県照江 百鳥 200410
斑猫のいやいや跳んで他郷なり 淵脇護 河鹿 200411
斑猫や軍靴の時代遠のきて 芦川まり 八千草 200411
脇道に入り斑猫と別れけり 山崎辰見 ぐろっけ 200411
斑猫の孔子孟子を先に置き 中野英歩 八千草 200412
斑猫の描ける楕円軌道かな 高橋将夫 星の渦 200507
さっきまでなら斑猫はつかまらず 高橋将夫 200509
斑猫や稚児(ややこ)は庭を丸く掃き 上薗シヅ子 河鹿 200510
斑猫が道案内の往診路 廣津留きょう子 四葩 200512
岩躑躅斑猫それて岩の面に 瀧春一 常念 200606
斑猫の山は宝石箱となり 大山里 200608
斑猫はいつたいどこまで道案内 田尻勝子 六花 200609
斑猫に先手先手を打たれけり 友田直文 200610
白昼の斑猫音もなく闘ふ 岩岡中正 ホトトギス 200703
斑猫の案内と出づるは忝し 鈴木榮子 春燈 200708
斑猫にわからぬ道のありにけり 高橋将夫 200809
清姫の恋斑猫の動かざる 延広禎一 200809
斑猫と君六甲を知り尽くし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
斑猫に急かされてゐる行者道 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
斑猫の香は鮮烈に少年期 田尻勝子 六花 200909
斑猫の黄泉路にもゐてくれさうな 大畑善昭 200909
斑猫のふいに消えたる伊賀の里 豊谷青峰 春燈 200910
斑猫にしばらくついて登りけり 十川たかし 200910
斑猫に任せてをれぬ径急ぐ 湯川雅 ホトトギス 200911
大前の斑猫右往左往かな 久保田雪枝 雨月 200911
斑猫に教へられたる句碑一基 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
斑猫や農夫の渡る長者橋 堀志皋 火星 201010
斑猫の振り向きざまの目のひかり 熊切光子 末黒野 201110
斑猫や昼なほ暗き杣の道 堺昌子 末黒野 201110
斑猫の斜に構へたる切り通し 有本南陵 ろんど 201111
斑猫の極彩我もときに欲し 伊丹さち子 馬醉木 201112
斑猫に蹤き大水の橋渡る 塩見治郎 雨月 201112
斑猫や神と呼ばれし人の墓 亀井紀子 201205
斑猫に案内をされて杣の道 小池清司 かさね 201210
斑猫や茶屋街に買ふ一筆箋 神田恵琳 春燈 201310
斑猫や京に残れる鯖街道 村上悦子 雨月 201310
斑猫よ飛べどこまでもいつまでも 高橋龍 201401
斑猫に逸れてよりの木暗道 田中貞雄 ろんど 201408
斑猫やこの先案内は要らず 中村嵐楓子 春燈 201509
斑猫や衣装似あはぬ強おもて 三橋玲子 末黒野 201510
斑猫も砂の女ももうゐない 原田達夫 箱火鉢 201511
歩行者が減つて斑猫失職す 佐藤山人 201608
太秦にきて斑猫になっている 火箱ひろ 201609
斑猫もときに恋路に迷ふなり 高橋将夫 201610
斑猫や私道出口に凸面鏡 柿沼盟子 風土 201708
斑猫の誘ふ道を迷ひけり 江島照美 201711
ここからは独りで行けと斑猫 犬塚李里子 201809
斑猫や久し振りなる父母の墓 福澤聡子 末黒野 201810
斑猫も原発だけは近寄らず 高橋将夫 201909
斑猫や生涯恋ふる人ひとり 久保久子 春燈 201909
斑猫の心惑はす方にゆく 小林紫乃 春燈 201909
斑猫の墓地から先の案内かな 谷口一献 六花 201909
鎌倉五山斑猫のよく振返る 増成栗人 201910
斑猫やかつて武士駆けし径 高木邦雄 末黒野 201910
斑猫と道連れとなる遠江 増成栗人 202108
魂のごと斑猫の失せにけり 三井所美智子 202112
川沿ひの日の斑風の斑猫柳 小嶋紘一 末黒野 202205
斑猫や今日の散歩は当てずつぽう 喜田君江 末黒野 202209
斑猫と出会ひてよりの迷路かな 神谷さうぴ 末黒野 202210
斑猫といつもの路を共にゆく 黒澤次郎 やぶれ傘 202212

 

2023年7月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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