蓑 虫 3   53句

鬼の子  蓑虫

蓑虫にうすうす目鼻ありにけり   波多野爽波   読本・歳時記

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蓑虫の脈の通へる梢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
蓑虫の鳴けば戦後でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
御負けとふ蓑虫幾つ植木買ふ 長谷英夫 馬醉木 201712
蓑虫の揺れゐて孤立無援かな 河口仁志 201801
蓑虫の蓑に流行(はやり)のあるらしき 有松洋子 201801
蓑のまま急ぐ蓑虫見し記憶 大畑善昭 201802
筆箱に蓑虫入れて戻りけり 赤松赤彦 六花 201803
蓑虫や黙の一日の暮れんとす 宮本加津代 万象 201803
蓑虫の揺るるほかなき入り日かな 柴山志津子 201801
時々は蓑虫の糸弾きやる 永淵惠子 201801
蓑虫に無情の風と有情の日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
蓑虫や浮世なかなか捨てがたき 土屋啓 馬醉木 201811
蓑虫鳴く蓑笠の無き無名庵 鈴鹿呂仁 京鹿子 201811
蓑虫の寝落ちし揺れにかはりけり 山田六甲 六花 201812
鬼の子のあはれをききに蓑虫庵 小林文良 春燈 201812
蓑虫の居心地悪き出入口 山田佳乃 ホトトギス 201903
風の言葉聴くや蓑虫貌を出し 服部早苗 201904
蓑虫や師と決めしより師の遠く 石川桂郎 風土 201909
蓑虫に蓑の好みのあるらしく 稲畑汀子 ホトトギス 201909
蓑虫のこゑ聞く小耳こそばゆし 高橋あさの 201912
蓑虫や世に引籠り絶ゆるなく 岡村彩里 雨月 201912
蓑虫の風の意のまま日もすがら 岡田正義 雨月 201912
世を知らぬ蓑虫蓑を出でず棲み 大島寛治 雨月 201912
志賀直哉旧居蓑虫ずぶ濡れに 増成栗人 202001
蓑虫ぶらり根つからの遊び好き 三上程子 春燈 202001
御所に住み蓑虫蓑を脱ぎもせず 神谷文子 馬醉木 202001
二句一章冬の蓑虫揺れもせず 増成栗人 202002
蓑虫は眠り坊主は庭を掃き 大崎紀夫 やぶれ傘 202002
蓑虫は木の葉のお針子おばあちやん子 奥田筆子 京鹿子 202003
蓑虫に生暖かき寒の風 菊谷潔 六花 202005
蓑虫の鳴けばこの恋終るかも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
新幹線西へ蓑虫無く里へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
蓑虫や知らなくてよいこともあり 宮下桂子 202012
蓑虫の仕立て上げたる一張羅 藤生不二男 六花 202012
蓑虫や人気なき空ほしいまま 沼田巴字 京鹿子 202109
蓑虫のどんぐり眼や父恋し 沼田巴字 京鹿子 202109
蓑虫や母の形見のバッグ抱き 佐々木澄子 末黒野 202111
蓑虫のぶらりと風を揺らしをり 柴田靖子 202111
蓑虫にこころ預けてみたりけり 本多遊方 春燈 202111
雑念に蓋を蓑虫蓑ごもり 村田あを衣 京鹿子 202111
蓑虫をつかもうとする赤ん坊 秋川泉 あを 202201
蓑虫の揺れて松籟吹き渡り 齋藤晴夫 春燈 202201
蓑虫にまた朝がくる朝がくる 増成栗人 202201
蓑虫の蓑に雨粒妻癒えず 荒川心星 202201
仏身となるまで揺るる蓑虫よ 村上葉子 202202
蓑虫や風の意のまま糸長し 門伝史会 風土 202202
蓑虫の鳴いて貫く鬼ごころ 鈴木呂仁 京鹿子 202211
蓑虫の風と戯れゐたりけり 荒川心星 202211
蓑虫や糸にたしかな息づかひ 黒滝志麻子 末黒野 202212
破目はづす風の蓑虫鬼あそび 菊池和子 京鹿子 202301
蓑虫が造り酒屋の軒先に 増成栗人 202301
蓑虫の糸一本を頼りとし 志方章子 六花 202301
蓑虫が顔を覗かす日和かな 広瀬 済 やぶれ傘 202302
春風に蓑虫ゆらりゆぅらりと 須賀敏子 あを 202307
蓑虫→ 1

 

2023年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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