金縷梅   162句

金縷梅  まんさく  満作/万作

作品
作者
掲載誌
掲載年月
金縷梅や日の溢れゐる播磨灘 酒井多加子 俳句通信 199904
金縷梅や日向は水の饒舌に 田中美智代 199905
金縷梅の撒きちらしをり日の光 阿部ひろし 酸漿 200004
金縷梅にこともなき日の続くらし 阿部ひろし 酸漿 200004
金縷梅や杉玉古りし酒の蔵 有村節香 春耕 200005
金縷梅や村人見えぬ裏高尾 三村禮子 酸漿 200005
金縷梅をふりかへりつつ家を出づ 阿部ひろし 酸漿 200005
金縷梅の光あつめて紙を干す 中村風信子 馬醉木 200007
金縷梅や丹沢の嶺雪残る 阿部悦子 酸漿 200104
恋人よ金縷梅の花は透明 金子皆子 海程 200105
金縷梅や堰落つるとき躍る水 高崎武義 200202
金縷梅や折り返しゆく能勢電車 高野清風 雲の峰 200204
金縷梅や赤い酒売る道の駅 杉江茂義 雲の峰 200204
金縷梅に来て鵯も咲くを待つ 阿部ひろし 酸漿 200204
金縷梅や光を溜むる雲の裏 長谷川史郊 馬醉木 200205
金縷梅や牛が身擦りの馬柵の艶 田中俊尾 馬醉木 200205
金縷梅や戦士の墓碑の消えかかる 岸はじめ ぐろっけ 200206
金縷梅や古看板の「おとり鮎」 堀義志郎 火星 200206
金縷梅や一戸のための道普請 堺紀美子 雲の峰 200304
金縷梅の花咲き初むる日の溜り 茂木妙子 雲の峰 200304
二階より咲く金縷梅坂の家 中村和江 ぐろっけ 200305
金縷梅や午後の日射の落ちつかず 青砥真貴子 200401
金縷梅の雨の雫のこぼれをり 小澤登代 草の花 200403
金縷梅を植ゑて十年花みてり 松崎鉄之介 200404
金縷梅や地に描きたる船と汽車 酒井多加子 雲の峰 200404
朝の日に金縷梅の花躍動す 大石喜美子 雨月 200405
金縷梅咲く山のひかりに縺れては 谷村祐治 雨月 200405
金縷梅の咲きこぞりたるあはれかな 小林碧郎 馬醉木 200405
金縷梅のをどり上手でありにけり 大久保恵美子 遠嶺 200405
金縷梅に風ひらひらと木霊呼ぶ 大島翠木 200405
金縷梅に吹く朝風のちりちりす 室伏みどり 雨月 200405
金縷梅の匂ひを吸うて勿体なし 三関浩舟 栴檀 200406
金縷梅の綻びて影こぼしけり 三関浩舟 栴檀 200406
金縷梅のおどおど咲くもいぢらしき 安達風越 雨月 200406
金縷梅や老ばかり住み団地古る 吉田多美 京鹿子 200407
金縷梅の喝采はにかむごときかな 山元志津香 八千草 200408
大寒の公園隅の金縷梅咲く 松崎鉄之介 200503
金縷梅や竹も地蔵も風の中 谷村幸子 200504
金縷梅や寺の子髪を三つ編みに 橋本恭二 雲の峰 200504
金縷梅や山の日射しに縒を解く 今里満子 火星 200505
金縷梅の悴みやうも城址なれ 辰巳あした 雨月 200505
金縷梅の道ぞひに咲き足とどむ 白石秀雄 酸漿 200505
金縷梅の宙をさぐれるやうに咲く 堀田こう 雨月 200505
金縷梅の花へ真つ直ぐ乳母車 辻恵美子 栴檀 200505
金縷梅の花のまづ揺れ山動く 三関浩舟 栴檀 200505
金縷梅に真ン中といふ密度かな 天野きく江 200505
金縷梅に城址の迂路を楽しめり 安部和子 雨月 200505
金縷梅やダンス教室開かれり 祐森彌香 遠嶺 200506
金縷梅の人知れずこそ咲きてゐし 植村よし子 雨月 200506
金縷梅の花と朝日の息かよふ 三関浩舟 栴檀 200506
金縷梅や獄舎のあとの石の門 九万田一海 河鹿 200506
金縷梅ひよこの柄の襁褓縫ふ 市川十二代 ぐろっけ 200507
金縷梅の咲くを待たずに逝きにけり 福田栄子 帆船 200507
山の雨けぶる金縷梅群生地 里中章子 200508
金縷梅や行きて昏るるといふ辺り 青山丈 200605
金縷梅やせせらぎ日々に音を得て 江崎成則 栴檀 200605
金縷梅の煙りて咲ける武蔵陵 古川さかえ 酸漿 200605
金縷梅にすずろ心をくすぐらる 窪田佳津子 雨月 200605
良寛の仮名解かれざる金縷梅 松波とよ子 春燈 200605
父の忌や供華は金縷梅太郎冠者 八木岡博江 酸漿 200605
金縷梅のゆれる日溜りまだかたし 藤原りくを 八千草 200608
甕に金縷梅民謡踊りけいこ中 平野きぬ子 八千草 200608
金縷梅の色に出にける二月なり 阿部ひろし 酸漿 200703
金縷梅の花の暮色にまぎれけり 水野節子 雨月 200704
金縷梅咲き遺跡を人の散策す 安部和子 雨月 200705
金縷梅や大手を振つて男ゆく 犬塚芳子 200705
金縷梅にジャズ弾き語る縮れ髪アフロヘア 石橋萬里 ぐろっけ 200706
琴坂に金縷梅咲くやちち現るる 宇田喜美栄 200706
奥入瀬の金縷梅の黄に笑み初むる 新倉舒子 200706
金縷梅の色見んと待つ朝日かな 阿部ひろし 酸漿 200803
金縷梅の咲くとある日の夕かな 阿部ひろし 酸漿 200803
金縷梅の花待つ日々の光かな 阿部ひろし 酸漿 200803
奥入瀬の金縷梅の黄の笑み初むる 新倉舒子 200803
金縷梅や読上げ算のをんな声 塩路隆子 200804
針色に光る蕊なり金縷梅は ことり 六花 200804
金縷梅や身の軽々と座禅終ふ 佐野静子 遠嶺 200806
富士川の淵のひびくに金縷梅咲く 望月喜好 200806
金縷梅のはなびらをどる初詣 阿部ひろし 酸漿 200902
金縷梅の花たしかむる夕明り 阿部ひろし 酸漿 200903
金縷梅咲く目をしばたかせしばたかせ 大橋晄 雨月 200904
金縷梅の戯けほぐるる日和なり 伊藤一枝 酸漿 200904
氷室近くて金縷梅の花ざかり 山尾玉藻 火星 200904
金縷梅や畑の翁の遠まなざし 横松しげる 遠嶺 200905
金縷梅や医家に生れて四代目 水原春郎 馬酔木 200905
金縷梅や庵に誰かゐるらしき 遠藤和彦 遠嶺 200905
金縷梅やこけしの眼平らかに 片岡啓子 遠嶺 200905
金縷梅の池の彩り添へにけり 小泉和代 酸漿 200905
咲きそめし金縷梅に庭覚めにけり 安原葉 ホトトギス 200910
金縷梅に行き交ふ人のふりむかず 芝宮須磨子 あを 201004
金縷梅を活けし流儀を先づ賞でて 和田一 雨月 201005
金縷梅や子は若き日の亡夫に似て 杉本綾 201005
金縷梅や屋敷に残る車井戸 和田一 雨月 201005
金縷梅や山の長者の歌碑寂びて 徳井節子 馬醉木 201006
金縷梅の黄金まばゆく影淡し 上月智子 末黒野 201006
金縷梅の幹に咲きたる一花なり 阿部ひろし 酸漿 201103
金縷梅にきそふことなき空の青 阿部ひろし 酸漿 201103
日の出待ちはや金縷梅の花明り 阿部ひろし 酸漿 201103
庭隅に来て金縷梅と春を待つ 阿部ひろし 酸漿 201103
金縷梅や心に明りともりたる 設楽唱子 酸漿 201104
この邸の家人見かけず金縷梅 出口賀律子 雨月 201105
金縷梅や子等ボール蹴る日曜日 小松渓水 酸漿 201105
妙見の金縷梅にあうめでたさよ 谷村幸子 201105
金縷梅の花にアイロンかけようか 北村淳子 ろんど 201106
金縷梅や山頂駅にカフェのあり 鈴木照子 201108
金縷梅の黄金まばやく影淡し 上月智子 末黒野句集 201203
金縷梅や走り出したる水の音 川村清子 馬醉木 201204
金縷梅の早も臈闌けたる様に 大橋晄 雨月 201204
人知れず遅れ咲きたる金縷梅かな 田島昭久 かさね 201204
金縷梅の光の中にうるみたり 松本周二 かさね 201205
金縷梅の光に惑ふ日和かな 森清堯 末黒野 201206
金縷梅の丘より見ゆる湖の綺羅 名倉悦子 万華鏡 201206
一斉に連翹金縷梅黄の陽気 鎌田慶子 ろんど 201207
金縷梅の咲き満ち日暮押し戻す 山本茂子 末黒野 201208
金縷梅の先づいち輪が咲きにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201209
金縷梅や八十歳へまた一歩 山田暢子 風土 201304
金縷梅や毛糸ほどきしさまなりし 古川千鶴 かさね 201305
金縷梅や池面を渡る風尖り 鈴木一三 末黒野 201305
峡に入る金縷梅に日の錦かな 浜福惠 風土 201305
金縷梅や裏の瀬音の高まり来 熊切光子 末黒野 201306
金縷梅の咲きそれからの時間かな 大畑善昭 201306
金縷梅や鄙の古刹の深廂 後藤眞由美 春燈 201405
金縷梅の花や咲くらむ土偶の眼 矢崎すみ子 201406
金縷梅のひかりひろげて過疎進む 下平しづ子 雨月 201406
金縷梅に息を合わせし歩幅かな 金田けいし ろんど 201406
咲きしぶるは悼み心か金縷梅は 隅田恵子 雨月 201406
金縷梅やむかし満蒙開拓団 鈴木鳳来 故山 201505
金縷梅や蕊をからめて奔放に 村上美智子 雨月 201505
金縷梅や曇天映す鏡石 久留島規子 万象 201506
日矢ほぐす金縷梅の黄や丸木橋 森清信子 末黒野 201506
金縷梅や風すこし起つ舟着き場 鈴木良戈 201506
金縷梅の花の不思議を活けにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201602
金縷梅やちぢみは明日へ伸びるため 小松誠一 201605
金縷梅の道や上総の一の宮 田中臥石 末黒野 201606
金縷梅や園の詰所に鋸の音 森清堯 末黒野 201606
金縷梅の花と気づきてよりのこと 稲畑汀子 ホトトギス 201702
金縷梅の雨粒のせて花ざかり 箕輪カオル 201705
金縷梅に日の当つたり戻つたり 戸栗末廣 201705
ほつれつつ開く金縷梅峡の風 佐俣まさを 春燈 201705
金縷梅のうすら日ほどく縺れかな 森清堯 末黒野 201706
金縷梅の風にいたぶられても金 立村霜衣 ホトトギス 201706
金縷梅に風の結び目解けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
佐保姫に見られたいから金縷梅黄 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
金縷梅に色無き園の目覚めかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
金縷梅の庭をいとしみ来し月日 安部和子 雨月 201806
合戦の跡や植樹の金縷梅 谷村祐治 雨月 201905
金縷梅や作業小屋より鋸の音 森清堯 末黒野 201905
金縷梅やひとり遊びの吾子はいま 雨宮桂子 風土 201905
金縷梅や綺麗に焼ける卵焼き 有賀昌子 やぶれ傘 202005
金縷梅や山を踏んまへ動き出す 重原爽美 202006
金縷梅や庭掃く僧へ遠会釈 有賀昌子 やぶれ傘 202007
金縷梅の黄のこぼれ初む日差かな 森清信子 末黒野 202105
金縷梅のほころび初めし山家かな 黒澤次郎 やぶれ傘 202105
金縷梅やだれかれ参る地蔵尊 上野静子 末黒野 202204
金縷梅のひとひらさへもこぼさざる 黒澤次郎 やぶれ傘 202206
過疎の村へ若き移住者金縷梅 小田嶋野笛 末黒野 202206
投げ入れの素焼きの瓶や金縷梅 廣部尚美 末黒野 202206
金縷梅の色や光や癒さるる 鈴木千恵 末黒野 202206
 

 

2023年2月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。