くらげ 4       52句

わだつみに物の命のくらげかな  高浜虚子  五百句

くらげ(水母・海月)  くらげ(夏以外)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
跳ね橋の影に浮き来る海月かな 古山みどり 万象 201712
青海(あおうみ)や水母と泳ぎ子と泳ぎ 正谷民夫 末黒野 201712
生くるとはかくも単純海月かな 楠原幹子 201801
私に餃子くらげにパスポート 平きみえ 船団 201802
美しい海月を飼って老姉妹 西村亜紀子 船団 201805
水母見る大水槽に額当てて 上谷昌憲 201807
水海月踊り続けるバレリーナ 藤田美耶子 201808
世を疎み水母は月を窺へり 森岡正作 201809
海月浮くジェンダーフリーの世となりぬ 頓所友枝 201809
火星人水の地球へ降り海月 内山照久 201809
たましひのふはりふはりと海月かな 楠原幹子 201809
己が骨さがし漂ふ海月かな 近藤喜子 201809
水海月みんなみの海透き通り 海渡たみ 馬醉木 201809
舞踏会のドレスのやうに海月かな おーたえつこ 201809
「クラゲ展」海月のキモチ思ひやる はしもと風里 201809
水母浮く予備の電池を携へて 井尻妙子 京鹿子 201810
くらげくらげ呑気といふは生き易し 栗原公子 201810
面目は要らぬ海月の自由形 下村たつゑ 201810
連絡船水母を分けて着きにけり 山本則男 201811
海月浮く地球は飽きたさて次は 鶴濱節子 船団 201812
浮かれ出る水母一団遠霧笛 丸井巴水 京鹿子 201907
満ち潮の舟屋に水母迷ひ込む 池田光子 風土 201908
満月に負けるもんかと水母かな 定梶じょう あを 201909
原発の入江しづかに水母満つ 南うみを 風土 201909
海月傘開きて閉ぢて生きてゐる 堀井英子 雨月 201910
海月浮く脳無く骨無く心臓無く 堀井英子 雨月 201910
水母とて波の数ほど悩みあり 柳川晋 201911
何にでもいやいやの子よくらげは好き えとう樹里 201911
人間を恋ひて海月となりにけり あさなが捷 201911
海月浮くアルキメデスの呪文かな 辻征雄 船団 201912
病院の待合室の海月かな 志方章子 六花 201912
うたた寝や画面に不思議な海月浮き 日置游魚 201912
綿雲の溶けて海月となりにけり あさなが捷 202006
宇宙に闇地球に眠らぬ海月 あさなが捷 202007
綿雲の溶けて海月となりにけり あさなが捷 202007
尺貫法の夫との間合ひ海月浮く 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
静かなる夜は海月になりたくて 小川流子 202009
木耳に語る水母のまよひかな 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
排水門開かぬ諫早海月浮く 宮岡弘 202010
彷徨へるわだつみの声海月かな 出利葉孝 202011
ゆらゆらり脳なしと言う海月かな 小笠原妙子 202011
乙姫の衣は海月かもしれぬ 足立枝里 202101
力尽きし重さに浜の水くらげ 山内碧 202102
海月にも大脳小脳前頭葉 大日向幸江 あを 202102
港江の真昼のとろみ海月浮く 柴田近江 202105
みづくらげ空に浮かべば昼の月 富川明子 202108
海月にはくらげの気骨波を越え 片山博介 春燈 202208
裏返るくらげ時空をかたむけて 菅原健一 202208
海月浮く水上バスの船着場 廣瀬雅男 やぶれ傘 202209
海月知るや人に浮世のあることを 峰崎成規 202209
一生を透明にして海月浮く 伊藤美伽 末黒野 202304
領海てふ杓子定規くらげ浮く 鈴鹿呂仁 京鹿子 202307
水を脱ぎ水となりたる海月かな 小林陽子 202307
くらげ→ 1

 

05/08/05 作成

23/08/16 追加