他季の海月    20句

海月  海月(夏以外)

洋上は冬のくらげの大宇宙
飯塚ゑ子
火星
199902
秋雨に浮かんで来たる海月かな
山尾玉藻
火星
200210
面舵を一杯秋の海月なる
中原道夫
銀化
200210
呼吸する臓器のごとし春海月
篠田純子
あを
200306
闘はず冬の水母は沈みけり
里中章子
200403
さかさまに冬の海月のまくれなゐ
谷口佳世子
200503
漱石忌漱石知らぬ干しくらげ
松村多美
四葩
200602
秋潮の底に海月やたらひ舟
駒井でる太
200605
春愁や水母の浮かぶ埠頭べり
辻恵美子
栴檀
200605
くらげ浮くごとき外燈椎匂ふ
宮津昭彦
200607
二百十日砂の海月の透きとほり
山尾玉藻
火星
200610
潮澄めり冬のくらげの花とあり
永田二三子
酸漿
200704
浮き沈む水母に秋思ありにける
瀬戸悠
風土
200712
小春日の海月が傘を開きけり
川島澄子
酸漿
200805
水母その身のおほかたは春の水
辻美奈子
200905
春の昼たひらな水母またぎけり
松井倫子
火星
200906
凪の夜は月と戯むる水母かな
徳田千鶴子
馬醉木
200907
砲艦を抱へ海月の沈みけり
近藤一石
炎環
200908
油断大敵海月に唇を奪はれし
さのれいこ
春燈
200908
見てをりし海月に乗せる旅心
湯川雅
ホトトギス
200909
生も死も力むことなき海月かな
本多俊子
200909
出漁や油と海月掻き回し
大坪景章
万象
200909
海境に海月部隊のパラシュート
鈴木伸一
200909
昭和の世生きて来しかに大海月
柿本麗子
200909
夏休みの子供くらげを釣つてゐし
大坪景章
万象
200910
水母見てゐるわたくしの鼓動かな
山高真木子
炎環
200910
傘の柄あいまいなまま水母消ゆ
高橋道子
200911
ひとごゑに寄り来る秋の水母かな
戸栗末廣
火星
200911
水母寄す地震崩れの岸壁に
塩出眞一
ぐろっけ
200911
照り返す波間を沈みゆく水母
天野美登里
やぶれ傘
200911
越前海月魔物のごとく網を占む
泉田秋硯
200912
屈みたる膝きしみけり昼海月
浜口高子
火星
201007
島の江に海月群れをり厄日来ぬ
服部鹿頭矢
馬醉木
201011
小魚が海月をつつく小六月
岩木茂
風土
201201
秋の日をちりばめ砂の水くらげ 山田美恵子 火星 201411
魚選るや水母を雪に打ち捨てて 岩木茂 風土 201502
大川に秋の水母の二つ三つ 根橋宏次 やぶれ傘 201611

 

2023年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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