下り簗     59句

崩れ梁  下り簗

作品
作者
掲載誌
掲載年月
昼の月より雲淡き下り簗 鷹羽狩行 199812
下り簗それたる鮎の光り過ぐ 窪田佳津子 雨月 200001
根こそぎの青竹かかる下り簗 大橋淳一 雨月 200001
人去りて水音高む下り簗 池田光 200012
簗番もほつたらかしや下り簗 谷口和子 ホトトギス 200103
下り簗飛沫に鷺の来てゐたり 児島千枝 春耕 200110
水梳きて刻ゆかしむる下り簗 蓮尾あきら 風土 200112
水勢のなほ衰へず下り簗 荒川香代 200201
水のほか跳るものなし下り簗 有吉桜雲 200202
夕風のとんがつてきし下り簗 小川匠太郎 200211
たひらなることにも奈落下り簗 佐藤みほ 200211
滾ちては瀬波たゆたふ下り簗 柴田雪路 200211
下り簗足首細き人なりし 影山わこ 百鳥 200302
山峡の日輪黄なる下り簗 高橋さえ子 200304
下り簗宿のみやげはこしひかり 玄内栄 帆船 200309
下り簗半日何も乗つて来ず 島谷征良 風土 200310
小屋組んで秩父も鄙の下り簗 蓮尾あきら 風土 200311
流れきし光を分かつ下り簗 岡田万壽美 雲の峰 200401
下り簗大きな蟹を恰ひけり 中村雅樹 百鳥 200402
上流の杉に靄たつ下り簗 岡崎桂子 対岸 200411
下り簗桟敷の母を呼んでをり 中島瑞枝 百鳥 200411
下り簗灯を点けてより水迅し 山本三樹夫 百鳥 200412
下り簗わし掴む手を鉄拳と 鈴鹿仁 京鹿子 200510
下り簗はねる魚影に素足かな 吉田順子 200601
つむじ風がうがうと鳴る下り簗 安達実生子 馬醉木 200603
はやばやと昏れてゆくなり下り簗 藤井昌治 200612
休診の先生も来て下り簗 佐藤山人 200701
十津川の激流絞り下り簗 藤谷紫映 馬醉木 200701
朴落葉かかってをりぬ下り簗 石垣幸子 雨月 200701
鮎残し水の逃げ行く下り簗 上野進 春燈 200701
下り簗水と存問してをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
水しぶき上るのみなり下り簗 苑実耶 200711
下り簗一両電車通りけり 大山文子 火星 200712
下り簗月しろじろとありにけり 高橋照子 雨月 200801
水音の乾きて下り簗のころ 高橋さえ子 200802
怖いもの見たさも少し下り簗 大久保白村 ホトトギス 200802
風うねる川波さけて下り簗 鳥居恭宏 遠嶺 200802
夕映えや銀鱗はぬる下り簗 赤羽正行 遠嶺 200901
下り簗逃みち太くありにけり 荒井和昭 200902
上り簗のがれて下り簗にあふ 高橋将夫 200912
水音をひときは高く下り簗 安居正浩 201012
大川の流れ淀ます下り簗 笠井清佑 201101
信玄堤孟宗竹の下り簗 小俣剛哉 春燈 201101
下り簗白紙のやうな一と日なり 伊藤希眸 京鹿子 201101
月光の音となりたる下り簗 大場町子 馬醉木 201302
危ふげな橋を渡りて下り簗 瀬島洒望 やぶれ傘 201311
秩父嶺の谺返しや下り簗 上原重一 201410
魂すでに彼岸にあらむ下り簗 鈴木石花 風土 201412
下り簗蛇籠を抜ける水速し 門伝史会 風土 201412
月明の城址そばだつ下り簗 渡会昌広 馬醉木 201501
遠嶺晴瀬音つのれる下り簗 能勢俊子 馬醉木 201502
下り簗近くに魚焼く茶店 安藤久美子 やぶれ傘 201512
増水の奔る川波下り簗 松林依子 201712
利き腕に荷の重すぎる下り簗 中島好江 京鹿子 201801
ゆつたりと水を捌きし下り簗 松田明子 201802
山並の雲に現はれ下り簗 佐藤花木 雨月 201902
一の谷堰きて高鳴る下り簗 大橋淳一 雨月 201912
ひとところ水を束ぬる下り簗 山本則男 202003
下り簗付録のやうに雑魚かかる 森岡正作 202210

 

2023年8月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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23/08/21 2023年8月21日 2023年8月21日