更 衣 〈衣更〉9   81句

越後屋に衣裂く音や更衣    其角

ころもがへ  更衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母の立ち姿凛々しく更衣 田尻りさ 六花 202108
吾子の香の遺る窓辺や更衣 笹村政子 六花 202108
心の内たて直しけり更衣 志方章子 六花 202108
鏡には昨日のわたし衣更ふ 菊池和子 京鹿子 202108
更衣心のかくしそのままに 森清堯 末黒野 202108
あのころの我と決別衣更ふ 近藤富子 京鹿子 202109
針箱の糸を整へ更衣 岩崎藍 末黒野 202109
箸置きを硝子に替へて更衣綾 戸五十枝 202109
更衣母と旅する夢を見て 半谷洋子 202109
衣更セーラー服の赤リボン 江口恵子 やぶれ傘 202110
衣更甘味喰べたくなつてきし 松下道臣 202110
更衣君一段と若若し 安原葉 ホトトギス 202111
忘却を重ねて秋の更衣 布施由岐子 末黒野 202201
更衣孫の成長諾ひて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
下校の子声まで衣更へにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
更衣新車の香り纏ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
更衣三十五年着古して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
黒々と車窓の富嶽更衣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
更衣心の枷を解き放ち 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
みよし野の思ひ出畳み更衣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
衣更へて殉教の心はも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
更衣久々の句座華やげり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
通勤の歩幅広がり更衣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202205
衣更着の雪の白妙麻酔効く 和田照海 京鹿子 202205
生き方の地図を塗り変へ更衣 村田あを衣 京鹿子 202206
更衣風の押し上ぐ藍のれん 荒井千瑳子 202207
横抱きにされてマネキン更衣 七田文子 202207
更衣風のホームに女学生 笹村政子 六花 202207
日捲りに遅れわたしの更衣 笹村政子 六花 202207
鉄壁の構へとなりぬ更衣 佐渡谷秀一 春燈 202207
衣更へ衣術は肩の荷を下し 出利葉孝 202208
うそのやう私が卒寿更衣 橋添やよひ 風土 202208
老いるにも起用不器用更衣 高村令子 風土 202208
軽やかに淡く薄くの更衣 小山寿子 風土 202208
更衣軋む引き出しひとつあり 石井美智子 風土 202208
二階には二階の匂ひ更衣 能村研三 202208
失ひし時間をおもふ更衣 能村研三 202208
波音も風もやはらか更衣 栗原公子 202208
更衣縹の布の浅きしぼ 平松うさぎ 202208
更衣余生にいらぬものの数 須賀ゆかり 202208
更衣生きて来ただけ物ありて 川高郷之助 202208
立ち向ふ一事控へて更衣 安原葉 ホトトギス 202209
衣更へてセーラー服の肘とがる 森田節子 風土 202209
衰へをかくすすべなく更衣 菅野日出子 末黒野 202209
母の形見姉の形見や更衣 小田嶋野笛 末黒野 202209
ウエスヘと捨つる思ひ出更衣 片岡登志枝 末黒野 202209
更衣して似たやうな服ばかり 山田佳乃 ホトトギス 202210
更衣してもこの世の寧からず 亀井福恵 京鹿子 202210
衣更へて二の腕に週末の風 岩岡中正 ホトトギス 202211
愚痴言はぬ人と呼ばれて更衣 塙誠一郎 家系図 202211
のちの更衣この羽衣はだうしやう 佐藤竹僊 あを 202212
てのひらに木洩れ日遊ぶ更衣 小山田子鬼 202301
自転車が自転車を追ふ更衣 戸栗末廣 202304
更衣して庭園の軽さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
更衣→1

 

2023年6月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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