木の実 8   168句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
捨罠に木の実ひとつの日暮来る コ田千鶴子 花の翼 201111  
最果てに踏みし木の実の名を知らず コ田千鶴子 花の翼 201111  
教会の隣教会木の実降る コ田千鶴子 花の翼 201111  
手を抜けぬ将棋対戦木の実音 森下康子 201112  
屋根上のタップダンスや木の実雨 山本丈夫 201112  
木の実降るこつんと力もらひけり 久米憲子 春燈 201112  
木の実落つ話の先の途切れけり 松嶋一洋 201112  
木の実落つすとんと謎のとけしごと 上原重一 201112  
風でない本気で落ちてくる木の実 丸山佳子 京鹿子 201112  
雲速し葉裏返しに紅木の実 中山皓雪 201112  
木の実落つ吾が呼気おつるまで歩く 中山皓雪 201112  
退院の父の踏みたる木の実かな 藤田素子 火星 201112  
月山の奥へ奥へと木の実踏む 宮内とし子 201112  
この下にタイムカプセル木の実落つ 布施まさ子 風土 201112  
木の実降る修道院へ道つづき 出口貴美子 雨月 201112  
木の実落つ森は大きな耳持たむ 西川織子 馬醉木 201201  
木の実落つたれかが付いて来るやうな 谷岡尚美 201201  
地を覆ふ青き蘚苔木の実降る 小川玉泉 末黒野 201201  
腕白の声の弾ける木の実降る 羽賀恭子 201201  
木の実降る青きふる里森深し 池田光子 201201  
独身の息子の部屋に木の実かな 高橋泰子 201201  
走り根にかばふ足元木の実降る 都丸美陽子 春燈 201201  
寺坂に木の実雨降る猿の墓 中田みなみ 201201  
城址は巨石だまりや木の実落つ 荒井千佐代 201201  
閉ざしある百人番所木の実降る 中根美保 風土 201201  
一つ二つ三つ四ついつぱい木の実落つ 生田恵美子 風土 201201  
奥の院木の実踏まれず拾はれず 和田一 雨月 201201  
木の実強く踏んで別れを諾へり 山崎青史 ろんど 201201  
新しきことばの予感木の実落つ 鎌田悟朗覇 ろんど 201201  
城跡は巨石だまりや木の実落つ 荒井千佐代 201201 城の古址
木の実落つ弾み転げて男坂 佐野ときは 201201  
小さき掌なれ木の実溢るるほど与ふ 荒井千瑳子 201201  
千年の杜の窪みに木の実落つ 岡澤田鶴 201201  
木の実出づ眠りにつきし子のズボン 五十嵐章子 201201  
木の実降る降る雲水の早足に 浜口高子 火星 201201  
水中を木の実流るる汽水かな 深澤鱶 火星 201201  
木の実降る坂小走りに坂よぎる 梶浦玲良子 六花 201201  
又少し庭をせばめて木の実植う 稻畑汀子 ホトトギス 201202  
息災の褒美のやうに木の実降る 箕輪カオル 201202  
木の実みなころがる術を知つてをり 高橋将夫 201202  
植木算鶴亀算に木の実落つ 能村研三 201202  
里訛り相槌をうつ木の実かな 池田光子 201202  
木の実落つ昔質屋の主死す 高橋泰子 201202  
膝に置く木の実はふたつ老夫婦 黒澤登美枝 201202  
びつしりと木の実草の実明日は晴れ 畑佳与 京鹿子 201202  
木の実降る音に仰げり天守閣 大橋伊佐子 末黒野 201202  
鳥声の磴にこぼるる木の実かな 森清堯 末黒野 201202  
テーブルを出すや木の実の降る中に 渡辺数子 火星 201202  
森に入り木の実踏みたるクリスマス 浜口高子 火星 201203  
木の実落つかごめかごめの輪の中に 久保東海司 201203  
近道を抜け木の実降る社かな 吉田きみえ 末黒野 201203  
句の道は木の実時雨か香の強し 東秋茄子 京鹿子 201203  
南無法然修行の窟や木の実降る 竹内喜代子 雨月 201203  
表札は在りし日のまま木の実落つ 松林順子 雨月 201203  
近くの音遠くの音と木の実降る 川下明子 雨月 201203  
子等去りし椅子に転がる木の実かな 松下八重美 夢見の鐘 201203  
畳に足まげて木の実をこぼしける 竹内弘子 あを 201203  
木の実落つ風の乾きてよりしきり 浅井吉雄慈 夕端居 201203  
「この木の実何の木の実」と聞かれけり 久世孝雄 やぶれ傘 201204  
還らざる覚悟の木の実植ゑ征きし 柴田良二 雨月 201205  
木の実植うより大切な場所として 山田佳乃 ホトトギス 201207  
楽聖の墓へ木の実を踏みながら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201210  
落ち木の実道を踏み分け山デビユー 本郷宗祥 かさね 201211  
山越えの径の小暗し木の実降る 三好かほる 万象 201211  
一つ拾ひ一つ蹴飛ばす木の実かな 栗原完爾 春燈 201211  
産土や車道一面木の実降る 高柳ゆき子 201211  
強く掃けば残りてゐたる木の実かな 佐津のぼる 六花 201211  
さまざまな木の実ふみ越え分水嶺 川井素山 かさね 201212  
散歩道木の実二つを捨てかねて 田中清秀 かさね 201212  
風まとふ外人墓地や木の実落つ 小山繁子 春燈 201212  
小児科のテレビの台に木の実増え 水野範子 ぐろっけ 201212  
シンポジウム終ヘキャンパスに木の実落つ 和田紀夫 201212  
てのひらにころがし木の実よろこばす 定梶じょう あを 201212  
うぶすなによろづの木の実宮参り 服部早苗 201212  
父と子の秘密の木の実宝箱 田中久子 201301  
木の実降りシヴァ神在はす荒れ聖地 伊藤純子 201301  
元町へ急坂走る木の実かな 佐渡谷秀一 春燈 201301 横浜
木の実降る自然の手からほろほろと 中野京子 201301  
木の実落つ刑死と刻む一揆の墓 山本麓潮 万象 201301  
木の実落つ子離れの音切々と 福永尚子 ろんど 201301  
猿石と語らふいとま木の実落つ 北村淳子 ろんど 201301  
木の実降る胎動の音ひびかせて 石川寿夫 ろんど 201301  
木の実降る一つひとつの命とも 蒲田豊彦 雨月 201301  
木の実落つ一つ拾へばまたひとつ 村上絢子 馬醉木 201302  
杖借りて木の実時雨の鞍馬越 藤井君江 馬醉木 201302  
百も承知二百も合点木の実晴 鷺山珀眉 京鹿子 201302  
黒猫のそばにこつんと木の実落つ 三橋早苗 ぐろっけ 201302  
肺にあるしこり何物木の実踏む 岡田満喜子 ぐろっけ 201302  
木の実径踵に響く骨密度 和良牧人 201302  
山里に風の手筈か木の実落つ 箕輪カオル 201302  
木の実撥ね猫の世界となりにけり 亀井紀子 201302  
童心を忘れし我に木の実降る 湯川雅 ホトトギス 201303  
木の実落つ一粒万倍日かとも 橋本くに彦 ホトトギス 201303  
密教やにぎり応へのある木の実 奥田筆子 京鹿子 201303  
木の実ころころ緑青の大書院 陽山道子 おーい雲 201304  
木の実降る全員集合起立礼 陽山道子 船団 201304  
木の実降る森の真中の赤ん坊 星野早苗 船団 201304  
木の実落つ坂東武者の駆けし道 鳳蛮華 201304  
百年の後め小鳥へ木の実植う 蘭定かず子 火星 201306  
山祇よ満々木の実降らしめよ 井上石動 あを 201311  
木の実降るこの神木の楠もかな 成田美代 201311  
木の実降る柵の向うの土崩れ 山田六甲 六花 201311  
木の実降る林の中の駐車場 山田六甲 六花 201311 よい温泉
靴底に踏む城跡の木の実かな 長久保郁子 かさね 201311  
結界に守られ残る木の実かな 中島玉五郎 201311  
年寄が木の実をくだく秋の昼 田島昭久 かさね 201312  
鮒焼きし串が心棒木の実独楽 瀧春一 花石榴 201312  
墓碑名は本名のまま木の実落つ 布施まさ子 風土 201312  
いちにさん笑いながらに木の実落つ 大日向幸江 あを 201312  
木の実降る丘にも白昼夢にも 前田美恵子 201312  
木の実降る里のお堂の破れ庇 小柳千美子 かさね 201312  
木の実踏むばかりに子らの山の径 豊田都峰 京鹿子 201312  
木の実落つ話の接ぎ穂探るとき 伊藤純子 201312  
荼毘の道ひとつころげし臭木の実 瀬戸悠 風土 201312  
真新しい靴軽やかに木の実踏む 早崎泰江 あを 201312  
性格は少年のまま木の実独楽 塙誠一郎 201312  
石仏はじっと瞑想木の実降る 塩路五郎 201312  
走り根に苔の弾力木の実降る 能村研三 201312  
揃ひきし園児の遊戯木の実降る 間宮あや子 馬醉木 201312  
うなじ打つ六甲木の実時雨かな 山田六甲 六花 201312  
湖を眺め箸持つ木の実降る 四條進 201312  
木の実独楽疲れ果てたる崩れやう 大橋晄 雨月 201401  
鹿道の木の実伝ひに浮見堂 田中貞雄 ろんど 201401  
尾を立てて枝移る栗鼠木の実降る 小川玉泉 末黒野 201401  
偉人の墓凡人の墓木の実降る 藤田素子 火星 201401  
縁側を知らぬ子のをり木の実独楽 生方義紹 春燈 201401  
二・三歩で捨つる木の実をまた拾ふ 野上杳 201401  
日を拾ひ木の実を拾ひ神の山 国包澄子 201401  
音立てて落つる木の実を身ほとりに 黒住康晴 201401  
飛火野や木の実と鹿の糞睦ぶ 田中貞雄 ろんど 201401  
百も承知二百も合点木の実晴 鷺山珀眉 京鹿子 201401  
木の実降る後ろ姿のぐりとぐら 坂場章子 201401  
木の実降る舟の形め外流し 柿沼盟子 風土 201401 田山花袋旧居
木の実降る静けき森の息づかひ 近藤喜子 201401  
木の実降る日曜論語素読中 雨宮桂子 風土 201401  
木の実独楽じんじん回り淋しいぞ 関根瑶華 201401  
木の実落ちつぐ胸奥のこだまかな ほんだゆき 馬醉木 201401  
木の実落つ前ぶれの風こまやかに 望月晴美 201401  
野鳥舎へどの道行くも木の実踏み 菅谷たけし 201401  
落柿舎に旅の蓑笠木の実落つ 石川かおり 201401  
溥傑寓白雲木の実の昃り 奥井あき 201401  
啄みて木の実こぼすも土鳩かな 森岡陽子 かさね 201401  
地に跳ねる木の実に命ありにけり 鶴巻誉白 ろんど 201401  
追ひかけてこぼれし木の実拾ひけり 生田恵美子 風土 201401  
転がつて日向にとまる木の実かな 太田佳代子 春燈 201401  
降りしきる大粒の雨木の実落つ 羽賀恭子 201401  
縄文の森の木の実や艶よろし 甲州千草 201402  
敷石の隙間を埋め木の実降る 小川玉泉 末黒野 201402  
武家屋敷曲がれば木の実降る小径 梅村すみを 201402 長府にて
墳山に入る径塞ぎ臭木の実 鎌田篤 雨月 201402  
未来なほあると信じて木の実植う 稲畑汀子 ホトトギス 201402  
木の実一つ落ちてひろごるしじまかな 松田泰子 末黒野 201402  
木の実降る花袋旧居に針坊主 奥田茶々 風土 201402  
木の実植ゑ子等の未来を托しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201402  
水かけて墓あたらしき青木の実 竹内弘子 あを 201402  
息切れの段に木の実の弾みけり 本木下清美 ぐろっけ 201402  
歪むほど必死に廻る木の実独楽 熊川暁子 201402  
木の実降る些細なことは忘るべし 今井春生 201402  
小恙の今を甘受や青木の実 中本吉信 201403  
青木の実きいんと張りつめてゐる空気 大川ゆかり 201403  
金管の音階練習木の実落つ 岡敏恵 ぐろっけ 201403  
木の実独楽四方八方へ彩揺らす 齊部千里 ぐろっけ 201403  
木の実独楽入れて土産の秘密箱 正谷民夫 末黒野 201404  
立春大吉ねずみもちの木の実のきもち 鳥居真里子 船団 201406  
それも困るよねえ木の実どっと降る 南北佳昭 船団 201406  
啄木のおでこが光る木の実植う 中原幸子 船団 201406  
夢あらば永久に壮年青木の実 中本吉信 璦別冊 201408  
木の実落つ余韻は水に沈みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410 木の実 →9

2019年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。