木守柿 2   123句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
故里の変らぬものに木守柿 岡久枝 酸漿 200603
百歳の刀自の在せり木守柿 大西八洲雄 万象 200603
木守柿一頂点にゐる誇り 松田都青 京鹿子 200603
玄奘の分骨の寺木守柿 土田祈久男 200603
もぎ取られゆくを見送る木守柿 丸山佳子 京鹿子 200610
老の艶まだまだ褪せず木守柿 林翔 200612
細胞の狂気なだめて木守柿 中村邦彦 200701
この町の静かなりしよ木守柿 出来由子 200701
木守柿松山(まつちやま)の山すぐ昃り 戸田和子 200702
雨雲のつつかへてゐる木守柿 蘭定かず子 火星 200702
父母在さぬ家遠見して木守柿 宮野照子 馬醉木 200702
坂道を登るリヤカー木守柿 鈴木久香 遠嶺 200703
木守柿鬼の作左の檀那寺 櫻井白扇 春燈 200710
やや冷えて日和つづきや木守柿 岡本眸 200711
輝きにさびしさもあり木守柿 林翔 200712
まほろばの高麗家一族木守柿 富沢敏子 200801
廃屋の軒に寄り添ひ木守柿 須藤トモ子 200801
木守柿昏れ残りたる本籍地 飯塚ゑ子 火星 200802
墓のみの父郷に残る木守柿 福井久生 200802
夢を見る時にはあらぬ木守柿 前川明子 200802
木守柿自尊の赤でありしかな 天野みゆき 風土 200802
木守柿贄のごとくに萎びけり 原みさえ 200802
基督に筋肉すこし木守柿 佐藤喜孝 あを 200802
真間川の空の青さよ木守柿 小松鈴子 酸漿 200802
太陽を独り占めして木守柿 山本東西 200802
夕映の己れを通す木守柿 長沼三津夫 200802
木守柿子に語らひつ柿をもぐ 小林れい 酸漿 200802
木守柿巡礼の列またも過ぎ 藤井圀彦 200803
行く雲に一世を乗せむ木守柿 湯浅夏以 遠嶺 200803
かささぎのごはんソウルの木守柿 陽山道子 船団 200806
熟れ落つる日を木守柿相照らす 宮津昭彦 200811
木守柿といふには数のやや多き 林翔 200812
木守柿離ればなれに急がぬ村 堀内一郎 あを 200812
木守柿朽ちゆく家の鬼瓦 津野洋子 京鹿子 200901
落柿舎の門に懸かりし木守柿 笠井清佑 200901
駒飼は母の里の名木守柿 東亜未 あを 200901
秩父路の古き寺なり木守柿 加藤すま子 酸漿 200901
木守柿色濃く発信してをりぬ 上田玲子 200902
決勝の敗者が見上ぐ木守柿 高木嘉久 200902
遠くなる昭和を恋ふや木守柿 田中藤穂 あを 200902
母の忌の空の深さや木守柿 長谷川翠 馬醉木 200902
木守柿灯りゐるがに過疎の村 木暮剛平 万象 200902
木守柿母看る父の息づかひ 石田きよし 200903
木守柿順に啄み淡き空 中野京子 200903
鵯と共に消えたり木守柿 中島伊智子 酸漿 200903
木守柿はれて二つとなりにけり 石田きよし 200905
吹き降りのあとの青空木守柿 乙坂きみ子 末黒野 201001
空想の置きどころなし木守柿 菊池和子 京鹿子 201001
天領の鐘の音掠め木守柿 徳井節子 馬醉木 201001
一身に負ひし使命や木守柿 小山徳夫 遠嶺 201002
実篤の拓きし村や木守柿 河瀬俊彦 遠嶺 201002
木守柿明日は落つるかも知れぬ 山口速 201002
鈴振つて迎ふる里や木守柿 林友次郎 遠嶺 201002
高々と木守柿照る孤独かな 戸辺信重 春燈 201002
天辺にランプのやうな木守柿 村上絢子 馬醉木 201003
一揆の鐘つきし寺てふ木守柿 大西八洲雄 万象 201003
木守柿吾を窺ふ猫鋭し 近田登志子 遠嶺 201003
木守柿皮だけとなり乾きをり 堀志皋 火星 201004
淡々と揮身尽くす木守柿 本間春星 遠嶺 201004
木守柿半分残す鴉かな 東亜未 あを 201101
金輪際落ちぬつもりや木守柿 本多ちづ子 馬醉木 201101
翳(ひかげ)れば明かりとなりし木守柿 内藤三男 ぐろっけ 201102
木守柿ぽつりと灯す夕ごころ 川村欽子 雨月 201102
屋根低し山脈低し木守柿 助口もも 火星 201102
晩節を貫く構へ木守柿 田中藤穂 あを 201102
木守柿生り年なれば三つほど 大木清美子 201102
太陽の的となりたる木守柿 水谷靖 雨月 201102
木守柿思案の色となりにけり 石田きよし 201103
愛宕嶺の尾根うつくしき木守柿 小林成子 火星 201103
ふるさとへ流るる雲や木守柿 四方ハツ子 春燈 201103
木守柿散り散りに雲流れをり 上月智子 末黒野 201103
木守柿生きぬくものの艶やかさ 平尾栄 末黒野 201103
鳥声の空を統べをり木守柿 鶴見遊太 201103
斑鳩の茜したたる木守柿 宇都宮敦子 201201
青空の半濁点や木守柿 久染康子 201201
ニュートンに従はぬあり木守柿 塩路五郎 201201
遠富士のけふよく晴れて木守柿 高橋あさの 201202
木守柿おき火のごとく残りをり 渡部節郎 201202
木守柿に歴史の重み光堂 川崎利子 201202
選ばれて空をとほくに木守柿 甕秀麿 201202
めぐまれし余生と思ふ木守柿 三浦澄江 ぐろっけ 201203
動くともなく雲動く木守柿 渡辺絹代 末黒野 201203
木守柿ななつ残れるたたずまひ だいじみどり 201203
木守柿雨の日暮となりにけり 府川昭子 春燈 201203
木守柿視線の的となりてをり 黒澤登美枝 201203
木守柿二十も残し熟れに熟れ 福田かよ子 ぐろっけ 201203
用水を挟む田と畑木守柿 渡邉孝彦 やぶれ傘 201203
青空の孤独を癒す木守柿 安武晨子 201203
青空を背に赤々と木守柿 小林美登里 かさね 201204
筑波嶺や小町の里の木守柿 酒井秀郎 返り花 201211
木守柿鳥のめぐみに残しけり 安藤虎酔 かさね 201211
ふりかへる家訓の重さ木守柿 鈴鹿仁 京鹿子 201212
禽の目の一点にあり木守柿 鈴鹿仁 京鹿子 201212
木守柿つひに墓参の人を見ず 神蔵器 風土 201301
湯の早の遠嶺うつくし木守柿 安田とし子 ぐろっけ 201301
木々の間に小鳥の声と木守柿 田島昭久 かさね 201301
木守柿いつも主はお人好し 渡辺安酔 201301
木守柿に色をゆだねて夕日落つ 川崎真樹子 春燈 201301
木守柿消点として暮れなづむ 豊田都峰 京鹿子 201301
むしろ旗立てしは昔木守柿 古川千鶴 かさね 201302
木守柿残りついばむ鵯の群れ 後藤克彦 かさね 201302
はればれと山脈そろひ木守柿 藤井寿江子 馬醉木 201302
一樹のみ夕日に点る木守柿 菅野蒔子 末黒野 201302
ふる里の灯のいろともす木守柿 平野伸子 馬醉木 201302
残照のひかりの中の木守柿 池内結 ろんど 201302
夕さればつのる淋しさ木守柿 菅野蒔子 末黒野 201302
木守柿点睛とせる古都の里 山本達人 かさね 201303
一人子の父の一生木守柿 石田きよし 201303
鐘楼の音に馴れをり木守柿 小瀧洋子 ろんど 201303
ハングルのボーマルシカク木守柿 陽山道子 おーい雲 201304
木守柿兵士三人北村路(プクチョンロ) 陽山道子 おーい雲 201304
日は山へ山へと追はれ木守柿 高村令子 風土 201401
没日射す農家の庭の木守柿 増田一代 201401
木守柿より夕暮の広がりぬ 安居正浩 201401
木守柿一つといふはよく光り 林昭太郎 201401
青天を突く木守柿紅一点 木村茂登子 あを 201401
青空や五つがほどの木守柿 長田厚子 末黒野 201402
旧村の長の豪邸木守柿 碇天牛 雨月 201402
廃屋にいまも強か木守柿 宮崎左智子 201402
木守柿見ゆる畳に針運ぶ 坂口夫佐子 火星 201402
木守柿日向ぼっこの顔ゆるぶ 中井弘一 201402
落日や天辺の炎の木守柿 青野安佐子 201402
木守柿最後のひと葉見送りぬ 松尾春雪 ろんど 201403
木守柿→ 3      

2021年10月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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