菰 巻          96句

菰巻  藪巻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
菰巻を終へたる園に人を見ず 宮津昭彦 200002
菰巻の高さの揃ふ池畔かな 志水千代子 俳句通信 200002
菰巻かれてより夢想を拡げたる 華明日香 銀化 200003
信長塀菰巻の松武装めく 吉見文子 200003
傾ぎしは傾ぎしままに菰巻ける 金森教子 雨月 200004
菰巻きの松に残れり戦傷 大井邦子 ぐろっけ 200005
菰巻の薔薇の中なるブロンズ像 伊藤宇太子 200102
菰巻きの男松や日本海の凪 田中矢水 遠嶺 200102
旧街道菰巻き匂ふ松並木 足立登美子 春耕 200103
松手入菰巻くこともぬかりなく 三村純也 ホトトギス 200104
菰巻の色槌せてゐる春の雪 小島和子 百鳥 200106
菰巻きの官邸の窓窺へり 奥田筆子 京鹿子 200106
老松へ菰巻といふラッピング 松永典子 船団 200107
菰巻きの掛声ひびく勿来関 平山節子 春耕 200112
菰巻を終へ大寺を明るうす 谷口みちる 200202
老松の菰巻しかと宮の冬 隅田恵子 雨月 200303
菰巻に水銀灯を浴びせたる 飯塚ゑ子 火星 200303
菰巻の一樹水面へ傾ぎけり 今井松子 遠嶺 200304
昼餉摂る菰巻と日をわかちつつ 宮津昭彦 200401
百年の松に菰巻く冬仕度 中山勢都子 200402
菰巻の済みて古城の新たなる 木村てる代 雲の峰 200402
城苑の菰巻蘇鉄武骨なる 梶島邦子 築港 200403
菰巻にされし蘇鉄や法の庭 松本恒子 ぐろっけ 200403
紅殻(べんがら)戸廓の灯籠菰巻かれ 福田かよ子 ぐろっけ 200405
海道の菰巻の松匂ひ立つ 中島指月 200501
税関の菰巻しかと大蘇鉄 西郷利子 200501
菰巻の高さの揃ふ松並木 柴田毅 築港 200502
老幹のよぢれしままに菰巻かれ 矢作裕子 200502
菰巻かぬ蘇鉄南紀の冬の旅 中松疏水 雲の峰 200504
菰巻の松は水面へ傾ぎをり 坂本ひさ子 遠嶺 200504
菰巻きの松くぐり抜け来る汽笛 芦川まり 八千草 200505
菰巻きて松の羞恥のはじまれり 宇都宮滴水 京鹿子 200512
菰巻を始める庭師姫路城 山崎泰世 200602
菰巻や名のある松も無き松も 神蔵器 風土 200602
菰巻きを外す複式深呼吸 梶浦玲良子 六花 200607
男山ちよつと低めに菰巻ける 大東由美子 火星 200702
菰巻の縄の吹かるる湖の暮 杉浦典子 火星 200704
菰巻を解きてしばらく樹と話す 真保喜代子 200801
菰巻きの水仙積んで糶市場 内海保子 万象 200803
菰巻の破れより噴く銀杏の芽 江見悦子 万象 200807
川添ひの菰巻き終へし松並木 半田卓郎 遠嶺 200902
話しつつ菰巻手順狂ひなし 刈米育子 200903
菰巻の一樹に風の体当り 諸岡和子 200903
菰巻きのほぐれかけたる麻の紐 大島英昭 やぶれ傘 200903
馬乗りに菰巻く男大蛇松 服部早苗 200904
ひと雨に松の菰巻なじみたる 片山由美子 200911
名園の菰巻印半纏で 坂口三保子 ぐろっけ 201001
亭々のヒマラヤ杉も菰巻かれ 上原重一 201002
上海の並木菰巻き春待てり 椋本一子 雨月 200804
菰巻の松整然と城下街 田所洋子 雨月 200804
菰巻きに今日を仕舞へる若布干し 菅谷たけし 201008
菰巻いて蝦夷坂東を分かち立つ 根岸善行 風土 201101
菰巻くを旅の途中で見てゐたり 辻直美 201101
菰巻を結ぶ縄目の路に向き 丑久保勲 やぶれ傘 201102
菰巻くに取りのこされて花八ツ手 野沢しの武 風土 201105
菰巻きの脱がされてゐる城の松 堀江惠子 201108
菰巻きや二人で締むる塩辛声 川井素山 かさね 201202
菰巻の高さそろふや園の松 柿沼盟子 風土 201202
菰巻かれ老松しやんとしたりけり 吉川隆 春燈 201202
菰巻やゆるまぬものに角結び 佐津のぼる 六花 201202
菰巻きの露のしめりや茶筅塚 赤松郁代 万象 201203
菰巻かれどの松もよき男ぶり 岡崎伸 遠眼鏡 201203
菰巻きし松に夕日のとどまれり 井村和子 風花 201206
菰巻の幹の丹田あたりかな 山田六甲 六花 201402
三百年の松に今年の菰巻かれ 大松一枝 201502
菰巻きや繩目のしろき花結び 岡田史女 末黒野 201502
菰巻の結び目花をなぞらへて 加藤静江 末黒野 201503
菰巻いて離宮の松の威風かな 菅野日出子 末黒野 201503
城の蘇鉄ぐるぐる巻きに菰巻かれ 手島伸子 雨月 201503
菰巻の樹々荘厳に大社 室伏みどり 雨月 201504
菰巻の日向の藁のにほひけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
菰巻の松や父ほど重かりき 井上信子 201601
菰巻の松端然と牡丹園 中根美保 風土 201602
菰巻を結ばれ粋に男松 赤座典子 あを 201602
菰巻を了へ海鳴のしきりなり 能勢俊子 馬醉木 201603
菰巻の松くろがねの肌を持ち 栗原公子 201603
菰巻の松が囲みぬ古墳山 中根美保 風土 201604
筑地塀沿ひの松並菰巻かれ 瀬島洒望 やぶれ傘 201703
菰巻の一列潮の香をまとひ 菊地光子 201703
菰巻の高さ均しや松の道 藤沢秀永 201703
菰巻を終えしぜかりの分厚さよ 廣畑育子 六花 201704
怪獣のごと菰巻の大蘇鉄 菅野日出子 末黒野 201705
冬の木の菰巻きされて新しく 渡部恭子 201811
冬の木の菰巻きされて新しく 小沢えみ子 201811
小春日の松の菰巻き目の高さ 岡田桃子 201902
菰巻いて巻いて全治三週間 辻水音 201903
菰巻きの男結びと徒結び 岡田史女 末黒野 202004
林泉の千歳の松や菰巻きて 岡野里子 末黒野 202005
菰巻の松は男結び威儀正す 能村研三 202101
馬頭観音松の菰巻き梅結び 加倉井たけ子 202102
菰巻きは庭師気合いの梅結び 加倉井たけ子 202102
菰巻の縄目きりりと夕日影 田中嘉信 春燈 202102
菰巻の一樹一樹のあたたかし 増成栗人 202103
菰巻の木に電飾の灯が入る 西條弘子 202203
菰巻やむず痒さうによぢる松 森清信子 末黒野 202204
走り根を踏み菰巻を締め上ぐる 松田明子 202208

 

2022年12月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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