切 子     88句

切子  ギヤマン  カットグラス

作品
作者
掲載誌
掲載年月
その赤を茂吉といふか江戸切子 平橋昌子 199810
来歴を尚び拝す切子かな 山田夏子 雨月 199811
スイートピー薩摩切子の藍深く 水原春郎 馬醉木 200004
下積の切子の皿の心太 小室澄江 京鹿子 200103
はじかみや切子に藍とくれなゐと 関根洋子 風土 200112
さつま切子きくきく磨く雛の日 渕脇登女 200206
どの盃も切子多面を盡しけり 中原道夫 銀化 200208
とくとくと赤き薔薇酒や江戸切子 島村絹美 200209
鋭角を指が楽しむ江戸切子 津田いちえ 遠嶺 200308
座主の字の梵字切子の風白し 福盛悦子 雨月 200312
白切子まんじりともせず夜を越す 八田木枯 晩紅 200312
江戸切子黄に透き三社祭きぬ 田中藤穂 あを 200407
夕蝉や江戸切子にて銘酒なる 近藤公子 200409
白切子夜に入るとき身を鬩ぐ 八田木枯 夜さり 200409
まひるまの切子の形の盲ひけり 八田木枯 夜さり 200409
生酒を満たして涼し江戸切子 谷合青洋 酸漿 200410
甚平を風のすり抜け江戸切子 白井剛夫 200410
紅の薩摩切子に白玉盛る 山下昇士 200410
夫婦なる薩摩切子や祝膳 村瀬八千代 遠嶺 200411
菓子鉢の薩摩切子の紫紺染む 安井和子 200507
蓴菜のぬめりも馳走切子鉢 松波とよ子 春燈 200508
江戸切子若葉の翳を満たしけり 河内桜人 京鹿子 200509
街騒や澄まし顔なる江戸切子 野口光江 遠嶺 200510
大切子弥陀の御前になびきける 加地芳女 雨月 200611
蜜豆のグラス五つの切子かな 寺島順子 雨月 200611
蜜豆を満たして青き江戸切子 芝尚子 あを 200708
母の日の美酒並々と江戸切子 土屋喜美代 酸漿 200808
注ぐほど冷酒はなやぐ切子かな 黒澤登美枝 200810
夕立来て切子に音の吸はれゆく 黒澤登美枝 200810
江戸切子冷酒を藍に染むるかな 辻直美 200810
年経たる梅酒切子のグラス増え 荒木常子 200811
薩摩切子をみなの筋をとほしけり 水野あき子 遠嶺 200811
風鈴の蒼き切子の風が鳴る 岩垣子鹿 ホトトギス 200812
夏めくや薩摩切子に盛るサラダ 川崎真樹子 春燈 200907
初夏や薩摩切子の藍の色 松木漢子 200909
風鈴や薩摩切子の紺が好き 瀬戸悠 風土 200910
一杯の酒を注ぎぬ江戸切子 能勢栄子 200910
吟醸を切子に注がば遠花火 ことり 六花 201008
奥の間の風よく通り藍切子 宮内とし子 201009
誰彼を祝ぎし切子のペアグラス 小泉三枝 春燈 201010
江戸切子の風鈴鳴らす宵の風 西田史郎 201010
冷酒酌む青き切子や夕爾の忌 藤村達江 春燈 201011
クリークに稚き月あり江戸切子 小形さとる 201011
先付は切子小鉢の湯引き鱧 藤見佳楠子 201109
切子褒め江戸の話の声はづむ 川崎利子 201109
泡盛や切子グラスも海のいろ 益本三知子 馬醉木 201109
冷麺の喉にしこしこ江戸切子 都留百太郎 末黒野 201110
ギヤマンと切子硝子に値札なし 山田六甲 六花 201207
江戸切子矢来の技とふ深きかな 高橋あさの 201208
洋酒酌む切子の青の別世界 宮田香 201208
お奨めの地酒切子の青映し 松田和子 201208
店先の切子ガラスに日の光 礒貝尚孝 201208
江戸切子匠の心ここにあり 武藤嘉子 201208
鉄線の花浮かせたり江戸切子 角田和子 万象 201209
文机の切子の皿に黒葡萄 田中臥石 末黒野 201211
江戸切子・薩摩切子にひと口を 北村香朗 京鹿子 201211
炎帝や切子グラスの緑茶飲む 北郷和顔 末黒野 201310
ぐい呑みの紺深々と江戸切子 古川夏子 201410
真田紐懸かる桐箱切子鉢 橋本靖子 201410
甕覗色の薩摩切子や夜の秋 鈴木静恵 花こぶし 201508
初めてのボーナスで買ふ切子かな 中谷富子 201509
玲瓏と切子触れ合ふ夜の宴 大上充子 馬醉木 201510
初夏や藍の色濃き江戸切子 武生喜玖乃 雨月 201708
江戸切子の紫紺きらめく吟醸酒 菅野日出子 末黒野 201709
あんみつや切子の皿の虹色に 浅嶋肇 やぶれ傘 201709
月光に江戸の切子や青の闇 大坪あきら 万象 201710
日の遠く薩摩切子がやはらかい 直江裕子 京鹿子 201711
ひと品は薩摩切子に冷奴 尾崎みつ子 雨月 201711
海の色宿して青き切子かな 矢口笑子 春燈 201808
乾杯に今宵は江戸の切子とす 落合絹代 風土 201810
雨の窓程よく置かれ江戸切子 高木晶子 京鹿子 201909
冷索麺マリンブルーの切子から 成宮紀代子 202010
二次会のオンザロックや江戸切子 松川昌義 末黒野 202012
カルピスの切子のグラス溢れけり 志方章子 六花 202108
江戸切子白布に映ゆる午餐かな 金光浩彰 202110
冷やならば切子グラスで鉄線花 古橋寛人 風土 202110
手に馴染む薩摩切子や今年酒 針谷忠郎 202110
白々と夜風を灯す切子かな 木村傘休 春燈 202111
夜の秋満たすグラスの江戸切子 酒井湧水 ホトトギス 202112
白桃のコンポートのる江戸切子 吉田幸恵 やぶれ傘 202112
新走木箱より出す江戸切子 岡本尚子 風土 202201
料理なら奈良の町家の切子かな 山田六甲 六花 202205
熊谷草一輪挿して江戸切子 大畑善昭 202207
夏めくやジュレを充たせり江戸切子 林いづみ 風土 202208
煮玉子や切子の皿の音澄みて 片岡登志枝 末黒野 202209
着流しで薩摩切子と冷奴 北城美佐 202209
彩りの和菓子切子の大き皿 上月智子 末黒野 202211
屑籠に壊れた切子塵出す日 坂本和穂 やぶれ傘 202302

 

2023年6月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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