衣 被 2       57句

衣被  きぬかつぎ

今生のいまが倖せ衣被   鈴木真砂女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
衣被出自は越の国といふ 内藤静 風土 201612
衣被口へ放りて晩酌す 森山暁湖 万象 201612
はらからの昔語りや衣被 堀田順子 馬醉木 201701
戦争と農家の縁の衣被 福田周草 風土 201701
衣被原始は衣裳つけぬとも 伊藤希眸 京鹿子 201701
デジタルの世に遠くゐて衣被 甕秀麿 201701
アミダくじとうとう一人衣被 平井奇散人 船団 201701
真砂女でしたっけ今どき衣被 直江裕子 京鹿子 201702
かく易く飛び出さずとも衣被 高橋ひろ 万象 201712
衣被育ちの似たる安けさに 高橋道子 201712
衣被小粒の皮はつると剥け 亀岡睦子 やぶれ傘 201712
衣被つるりと剥けて里心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
塩に凝り酒に拘り衣被 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
衣被君も一皮剥けて欲し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
衣被さらりと話題変へにけり 西村潭 201811
竹塩を添へ山盛りの衣被 樺澤やすの 末黒野 201812
大き手は母似か忠実よ衣被 白澤よし子 馬醉木 201812
思秋期の無口な少女衣被 江島照美 201812
マネキンの大正顔と衣被 つじあきこ 201901
成すことの多き余生や衣被 橋添やよひ 風土 201902
前言を翻したり衣被 奥田筆子 京鹿子 201904
衣被だけの藻塩と決めてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
衣被つるりと里を語り初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
水のごと谷戸に住ひて衣被 森祐司 201910
珍客やひと先づ手もと衣被 植村蘇星 京鹿子 201911
煩悩を一つふやして衣被 和田照海 京鹿子 201911
限界の日々こそ笑顔衣被 近藤真啓 春燈 201911
親指の老いて淋しや衣被 上野進 春燈 201911
楽屋まで届く夕餉の衣被 石田康明 春燈 201912
衣被酔ひはしづかに来るものよ 石井秀一 風土 201912
衣被前も後も嘘だらけ 江見巌 六花 202001
衣被能登の藻塩をひとつまみ 宮内とし子 202001
割烹着どこか懐し衣被 和田華凛 ホトトギス 202001
手のひらに湯気上げてゐる衣被 住田千代子 六花 202002
会席のつるりと剥ける衣被 萩原久代 やぶれ傘 202002
立ち飲みの突き出しに出る衣被 廣瀬雅男 やぶれ傘 202010
イタリアの岩塩添へて衣被 大崎紀夫 やぶれ傘 202010
歳月は客観を変ふ衣被 江島照美 202011
ちびちびと酒ほくほくと衣被 川高郷之助 202101
はふはふと湯気を吹いては衣被 中川幸恵 202103
母に問ふ曜日となまへ衣被 吉田悦子 202105
眷属は母方ばかり衣被 木多芙美子 春燈 202111
衣被母と似て来し仕草かな 由良則子 202112
衣被指の細きは母に似て 池乗恵美子 末黒野 202112
父在れば焼酎となり衣被 小池桃代 末黒野 202112
不揃ひも個性のひとつ衣被 能美昌二郎 202112
衣被つるりと話逸らしけり 矢口笑子 春燈 202201
人情の通ふ酒場や衣被 豊谷ゆき江 春燈 202201
笊に盛る母の温もり衣被 佐藤まさ子 春燈 202201
娘にもある痣が哀しや衣被 青木重行 薫風 202205
遺言はもう書いてある衣被 永淵惠子 202206
ひとり居の老いたる友と衣被 手島百合子 やぶれ傘 202212
わつと出る子等の手の先衣被 貫井照子 やぶれ傘 202212
つるり全身脱毛や衣被 磯野青之里 六花 202212
ひたすらに厨磨きぬ衣被 浜田久美子 六花 202212
師の画集の模写の起伏や衣被 平澤侃 末黒野 202301
残りたる衣被入れ今朝の汁 増田裕司 やぶれ傘 202304
衣被 →1      

 

2023年9月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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