金木犀 2     125句

金木犀妻の里訪ひ妻に逢ふ    矢島渚男

金木犀  銀木犀  木犀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
金木犀香りに魅かれ身を寄せり 佐藤健伍 201411
水葬のやうに雨受く金木犀 吉弘恭子 あを 201412
金木犀術後十とせを苦なく生き 渡会昌広 馬醉木 201501
金木犀二度咲く今年尊べり 高橋道子 201501
人待ちの夕闇つたひ金木犀 中村紀美子 春燈 201501
離れても著き香りや金木犀 滋野暁 末黒野 201501
三代に小児科醫院金木犀 岡本尚子 風土 201501
初孫と名の付く酒や金木犀 中谷富子 201501
金木犀土塀の続く坂下る 久世孝雄 やぶれ傘 201502
滝遠し金木犀の香の先に 沢辺たけし 万象 201502
金木犀ひかりを引きて零れけり 加藤静江 末黒野 201502
金木犀ゆで王子むく術後妻 鴨下昭 201502
残り香の金木犀が好きですよ 田口鷹生 201505
抜け路地は昭和の匂ひ金木犀 佐渡谷秀一 対座 201505
ぬばたまの闇の和らぐ金木犀 河原昭子 万象 201508
金木犀の香の内に入るそつと入る 安居正浩 201512
永年の空家を守る金木犀 大坪景章 万象 201512
長身の断髪お下げ金木犀 荒木甫 201512
金木犀易きファーブル児童版 村高卯 201512
隣家より香りいただく金木犀 斉藤裕子 あを 201511
金木犀駅までの道楽しかり 大日向幸江 あを 201511
金木犀友亡きあとに香も失せぬ 池田光子 201512
今朝からの金木犀のわたしんち いろは 201512
ほぐれゆく心の凝りや金木犀 有松洋子 201601
金木犀女の行きし後追うて 江島照美 201601
似たひとを見かけた昼の金木犀 はしもと風里 201612
母さんは着せ替え人形金木犀 豊田信子 201612
無制限一本勝負金木犀 鈴木みのり 201612
師亡き朝金木犀の香の流れ 伊丹さち子 馬醉木 201612
突如して匂ひ包まる金木犀 溝渕弘志 六花 201701
金木犀匂ふや家が近くなる 近藤紀子 201701
金木犀神の山より香り来る 金森教子 雨月 201701
右行けば金木犀のつづく道 有賀昌子 やぶれ傘 201702
しばらくといふよき時を金木犀 畑佳与 京鹿子 201702
金木犀夜に入りてより芳(かぐは)しき 犬塚李里子 201702
金木犀光りつつ香を降らしつつ 隅田恵子 雨月 201702
匂はねば庭木に紛れ金木犀 稲畑汀子 ホトトギス 201710
ほろ酔ひの夜道かすかに金木犀 岡田桃子 201712
金木犀香るこの地に永らふる 黒澤志麻子 末黒野 201712
曲らねばならぬ角なり金木犀 篠田純子 あを 201801
肌にとぶ金木犀の香りかな 大坪景章 万象 201801
金木犀散り放題を惜愛す 松本鷹根 京鹿子 201801
今生の空の明るし金木犀崎 犬塚李里子 201801
西側に日のあたりたる金木犀 竹内悦子 201801
金木犀生涯息を吐きて吸ふ 田岡千章 201803
あつけなく散りおほしたる金木犀 黒澤次郎 やぶれ傘 201804
三代の栄華の香とや金木犀 及川照子 末黒野 201804
金木犀オレンジ色の輪を作り 須賀敏子 あを 201811
帰り道遠回りして金木犀 治部少輔 201811
足場組む男に匂ふ金木犀 宮内とし子 201812
痛む日も晴れれば和み金木犀 渕上千津 201812
旧市街金木犀に包まれる 鈴木みのり 201812
金木犀町の こちらも袋路 佐藤喜孝 あを 201901
空車待つ金木犀の風がくる はしもと風里 201901
オカリナのかすかに流れ金木犀 赤堀美恵子 風土 201901
金木犀僅かの嵩に酔ひ痴れぬ 大橋晄 雨月 201901
七十路を過ぎて朝の金木犀 治部少輔 201905
あと戻りして金木犀の香の中に 大山夏子 201905
昨夜嵐金木犀の香の栄える 江口九星 201905
開かるる記憶の扉金木犀 江島照美 発火点 201909
誘はれていつしか金木犀の香に 稲畑汀子 ホトトギス 201910
一歩又一歩金木犀の香に 稲畑汀子 ホトトギス 201910
天元に一石を打ち金木犀 和田照海 京鹿子 201912
金木犀風の抜け道知りつくす 矢野美沙子 201912
生真面目な兄の冗談金木犀 つじあきこ 202001
残る日に香をふくらませ金木犀 森清堯 末黒野 202001
どの道を行くも金木犀の道 久保夢女 202001
見えさうな金木犀の香でありぬ 熊川暁子 202001
生活の匂ひを消して金木犀 高橋将夫 202001
と永久の別れや金木犀 宮地静雄 末黒野 202002
金木犀寺門の深き弾の痕 滋野暁 末黒野 202002
あかときの風の放埒金木犀 大川暉美 末黒野 202002
金木犀道に洩れくるテレビ音 松本善一 やぶれ傘 202002
金木犀童話の町へ退院す 山中志津子 京鹿子 202003
金木犀三時のお茶は戸を閉めて 志方章子 六花 202003
金木犀風の抜け道知りつくす 矢野美沙子 201911
雨あがり金木犀の香の重し 篠田純子 あを 202011
金木犀滲みのびゆく本画仙 林いづみ 風土 202012
散り継ぎてこの世を円く金木犀 高久正 202012
金木犀風楚々なりて大伽藍 西計郎 末黒野 202012
金木犀明るき香気とふ呪文 平松うさぎ 202101
城址の社に暮るる金木犀 天野美登里 やぶれ傘 202101
病窓に入り込んだる金木犀 江見巌 六花 202101
金木犀雀の宿となりにけり 箕田健夫 やぶれ傘 202101
金木犀明るく光る潦 小池一司 やぶれ傘 202101
金木犀路上流るる今朝の雨 池上昌子 春燈 202102
金木犀庫裏の格子の拭き込まれ 岡野里子 末黒野 202102
地を染めて名残の薫り金木犀 梅田武 末黒野 202102
玄界の入り日に応ふる金木犀 小林朱夏 202102
約束の刻に間のあり金木犀 田岡千章 202105
金木犀香る二階に居る時間 安藤久美子 やぶれ傘 202111
金木犀すこしはなれて銀木犀 佐藤竹僊 あを 202111
金木犀数本銀木犀いっぽん 佐藤竹僊 あを 202111
金木犀灯よりはなれて銀木犀 佐藤竹僊 あを 202111
金木犀のにほひの中に銀木犀 佐藤竹僊 あを 202111
金木犀むかし母校の外かはや 諸岡孝子 春燈 202112
金木犀暮しの隅に香りけり 佐藤忠 春燈 202112
高階に仄と香るや金木犀 高木邦雄 末黒野 202112
香の散りて目立たぬ一樹金木犀 大坂正 末黒野 202112
香り立つ金木犀や風少し 毛利直子 末黒野 202112
珈琲のふくろ驢馬の絵金木犀 間島あきら 風土 202112
ままごとの菜に香るや金木犀 秋川泉 あを 202112
五感みな衰へゆけど金木犀 森なほ子 あを 202112
金木犀風のいたずら花散らす 大日向幸江 あを 202112
夜の風の重くなりたる金木犀 府川昭子 春燈 202201
校庭の掃除当番金木犀 高橋まき子 風土 202201
試歩の道ふえし喜び金木犀 菅野日出子 末黒野 202201
亡き姉の子はもう二十歳金木犀 天野美登里 やぶれ傘 202201
金木犀行きたき方へ飛行雲 高木晶子 京鹿子 202201
神降臨大げさだよと金木犀 久保夢女 202202
遅咲きの金木犀に蝶憩う 江口九星 202202
金木犀拡げて地球壊れゆく 山中志津子 京鹿子 202203
金木犀墨書に掲示伝導板 田岡千章 202205
石蹴りの子の影長し金木犀 曽根富久恵 202205
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2022年10月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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