かたつむり 2  66句

木にのぼり遠国へゆくかたつむり    国武十六夜

かたつむり   蝸牛   ででむし   でで虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
かたつむり石の角から進みけり 中谷富子 201606
無用とは云へぬ角らしかたつむり 河前隆三 馬醉木 201607
後戻りできぬ晩学かたつむり 佐々木よし子 201608
かたつむり潜望鏡の角出せり 諸岡和子 201609
かたつむり自問自答は殻の中 山本則男 201609
かたつむり殻には蒼き湖を入れ 有松洋子 201609
けぶらへる雨の海峡かたつむり 笹村政子 六花 201609
かたつむり雨あがりたる朝の月 白石正躬 やぶれ傘 201609
かたつむり五欲を捨つるかに進む 押田裕見子 201610
全力のつもり私とかたつむり 栗原公子 銀の笛 201612
朴の葉に吹かれてゐたりかたつむり 赤堀洋子 万象 201701
かたつむり歩みし距離を殻に巻き 峰崎成規 201701
竹幹の高さに秋のかたつむり 岡本秀子 201701
法律をまっすぐ犯すカタツムリ 秋山泰 船団 201702
かたつむり拒むと決めてペンを措く 朝日泥湖 船団 201702
かたつむり雨来て微光発しをり 黒滝志麻子 末黒野 201707
無住寺に生れ偸安のかたつむり 栃内和江 201707
かたつむり殻を出でむと伸びきりぬ 吉田順子 201707
往路雨復路大雨かたつむり 篠藤千佳子 201710
本能寺鎌倉知らぬかたつむり 甕秀麿 201710
かたつむり一つ手前を曲りけり 井上菜摘子 京鹿子 201710
秋風に吹かれてまろぶかたつむり 山田六甲 六花 201710
暫くを考えてをりかたつむり 岡田史方 末黒野 201710
かたつむり固定電話に辿り着く 井尻妙子 京鹿子 201711
月満ちて汝が魂のかたつむり 火箱ひろ 201712
うっふんと天守を目指すかたつむり 鶴濱節子 船団 201802
かたつむり環太平洋に角を出す 上谷昌憲 201807
かたつむり未知の世界へ角のばす 中村風信子 馬醉木 201807
のつたりと京の路這ふかたつむり 松村光典 やぶれ傘 201807
日本橋の空が見たいとかたつむり 門伝史会 風土 201808
日の端にけふはここまでかたつむり 寺田すず江 201808
簡素なる昭和の暮しかたつむり 松山三千江 春燈 201808
万歩計横目にしたりかたつむり 寺田すず江 201809
かたつむり夢はなにいろ日照り雨 松本鷹根 京鹿子 201809
どこが首どこからが胴かたつむり 佐津のぼる 六花 201809
前向きに生くるほかなしかたつむり 佐津のぼる 六花 201810
改元や渦を増やせるかたつむり 亀田虎童子 201907
退屈は少し幸せかたつむり 水谷妙子 馬醉木 201908
葉表と葉裏の会話かたつむり 小張志げ 春燈 201908
かたつむり迷うた時は跳んでみよ 七田文子 201908
かたつむり雨来るまでの葉の裏に 中内敏夫 201909
かたつむり迷ひ一つを持ちつづけ 池田光子 風土 201909
南吉の童話の森にかたつむり 荻野周子 雨月 201909
聞き咎むるひとことに暮れかたつむり 斉藤玲予 馬醉木 201910
時急かぬひとりの暮しかたつむり 玉垣咲良 馬醉木 201910
かたつむり時には家も枷となる 石川笙児 201910
かたつむり糺の森へ用がある 火箱ひろ 201910
かたつむりなりに急いでいるところ 火箱ひろ 201910
洛中を共に見おろすかたつむり 火箱ひろ 201910
かたつむり夢のつづきの飛行船 火箱ひろ 201910
銀色のペディキュアしましょかたつむり 火箱ひろ 201910
本日はかたつむりな日ミントティー 火箱ひろ 201910
ぬばたまの夜を遊ぶよかたつむり 火箱ひろ 201910
イマジンを聴きつつ眠れかたつむり 火箱ひろ 201910
かたつむり思ひの丈を背負ひけり 岡田史女 末黒野 201911
かたつむり今日は朝から青空ぞ 白石正躬 やぶれ傘 201911
老犬の飽かず眺むるかたつむり 岩永みはる 追伸 202003
もつともいい顔して会はむかたつむり 三上程子 風聴くや 202003
外出の自粛と無縁かたつむり 高橋将夫 202009
手も足も重たき日なりかたつむり 岡田史女 末黒野 202009
良い方の声でママ呼ぶかたつむり 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
雨長し殼を捨てたるかたつむり 佐藤喜孝 あを 202009
縮みては引摺る力かたつむり 湯川雅 ホトトギス 202011
疎開地の旧家の跡地かたつむり 太田良一 末黒野 202108
眠るたび知恵つく赤子かたつむり 池田光子 風土 202110
かたつむり或る日は急ぐこともあり 山田正子 202112
かたつむり伸びては殻を引き寄する 角野良生 202112
かたつむり →1      

 

2022年6月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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