かたかご    80句

もののふの八十をとめらが汲みまがふ

  寺井のうへのかたかごの花  万葉集

かたくり  かたかご  堅香子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
百里来て花かたかごは秘中の秘 神蔵器 199905
揺れ止んでかたかごの花息吐くごと 梅原美子 199906
かたかごに跼みて旅に誘へり 田中矢水 遠嶺 200006
かたかごの花見る回り道に蹤く 吉田明 200006
かたかごの花に含羞膝つけば 千坂美津恵 200107
かたかごの花に日の差す雑木林 山田由利枝 雨月 200107
かたかごや後生大事に母の文 宮倉浅子 遠嶺 200107
木漏日も花かたかごも寡黙なる 山田弘子 円虹 200205
かたかごや俯いて聴くミサの曲 當川明子 200206
かたかごや牧のなぞへに踏まれ咲き 大沢美智子 200206
かたかごの花話すごと聞くがごと 池田加代子 風土 200206
かたかごの雨美しや老年期 上林孝子 200206
かたまつてゐてかたかごは孤なる花 奥澤和子 200207
かたかごや風上空を疾走す 奥澤和子 200207
城跡にかたかごの花昏れ易き 青砥真貴子 200208
かたかごの花咲く越に在りし頃 松尾緑富 ホトトギス 200211
人悼むさまにかたかご咲き揃ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
かたかごの花にむかしの片思ひ 斉藤静枝 あを 200303
かたかごの花や吉備路を訪ね来て 名取袿子 200305
かたかごや大和をみなといふは死語 池田倶子 雨月 200306
杣径の消えかたかごの万の花 河野美奇 ホトトギス 200307
かたかごの花のうなじを打ちて雨 高垣和恵 雨月 200307
かたかごの花の山より鎮魂歌 山崎靖子 200307
かたかごを退り花眼を労はりぬ 風間史子 200307
かたかごやうつむいて立つ女人像 若生まりあ 遠嶺 200307
かたかごは森の踊り子風を待つ 藤原照子 余韻 200403
鰻食ぶ時かたかごの花あふる 辻恵美子 栴檀 200406
遙か来て花かたかごに何告げむ 外川玲子 風土 200406
教卓にかたかごの鉢のせてあり 中村洋子 風土 200406
かたかごや土塀の間を水流る 我妻一男 帆船 200407
かたかごや歩きて心足りゐたる 名和未知 草の花 200407
かたかごの万花へ日本海の風 内山花葉 200407
かたかごの花反り返り日を返す 西畑いすず 築港 200506
かたかごの花を浮かせり澄し汁 赤松郁代 万象 200507
外露地のかたかごの花ひつそりと 高橋洋子 200507
かたかごや詠むとは祈ることに似て 服部早苗 200507
かたかごの花に地の神憩ひたる 岩月優美子 200705
かたかごの花や憶良の八十をとめ 中沢三省 風土 200805
深信濃の鍬音ひびく花かたかご 田中佐知子 風土 200806
雨あとの花かたかごは日を弾く 田中佐知子 風土 200806
ゲレンデの日はなだらかに花かたかご 田中佐知子 風土 200806
かたかごの秘事ありやひそと咲く 中緒和子 酸漿 200806
かたかごを離れるための眇かな 高橋澄子 200807
かたかごや日翳り早き水車小屋 柴崎甲武信 月日 200811
膝折りて花かたかごと風を待つ 高村令子 風土 200811
淡き日や花かたかごの炎の環 武田漣 炎環 200905
かたかごや烏頭子選の句会報 鈴木石花 風土 200906
かたかごの一茎一花群れ咲きて 羽賀恭子 200906
かたかご咲き風紫の野を渡る 堀田こう 雨月 201007
かたかごの花弁跳ぬるに少しく間 大橋敦子 雨月 201103
蝶の来て花かたかごの身をそらす 神蔵器 風土 201106
人知れず咲くかたかごの群るる谷 安原葉 ホトトギス 201107
人は入れぬ花かたかごの渓ひとつ 河野美奇 ホトトギス 201107
かたかごの風紫や地を這へり 河野美奇 ホトトギス 201107
鎮魂のかたかごそそと吹かれをり 卜部黎子 春燈 201107
一面のかたかごの揺れ無音界 熊川曉子 201107
かたかごの花の含羞膝着けば 千坂美津恵 201108
かたかごの花の盛りの炭子道 山形悦子 万象 201207
かたかごの耳傾くる風の音 藤丸誠旨 春燈 201306
隠れ棲むかにかたかごの一群落 楠原幹子 201405
かたかごに硬さの残る風絡み 外山生子 末黒野 201406
ひとつぶの雨をとどめて花かたかご 廣畑育子 六花 201407
かたかごや働く人のたなごころ 中嶋陽子 風土 201505
薄ら日にかたかごの花半開き 西村しげ子 雨月 201505
襟立てて見るかたかごの花に風 石垣幸子 雨月 201505
かたかごの咲くは戦国砦あと 水野節子 雨月 201506
かたかごの咲くとなぞへに跪く 森脇貞子 雨月 201506
谷風にかたかご耳を欹てり 高橋道子 201507
瀬の音に花かたかごの俯むけり 廣畑育子 六花 201507
野仏に花かたかごの咲きにけり 廣畑育子 六花 201507
かたかごの花せゝらぎの音の中 小川龍雄 ホトトギス 201510
百里来て花かたかごは秘中の秘 神蔵器 風土 201705
かたかごや窯の里へと伸びる道 片桐紀美子 風土 201705
かたかごの花の光陰ふるへけり コ井節子 馬醉木 201707
百里来て花かたかごは秘中の秘 神蔵器 風土 201712
かたかごや窯の里へと伸びる道 片桐紀美子 風土 201801
かたかごの反りゆるやかとなりにけり 山田健太 風土 201906
かたかごの径の奥なり開拓碑 斉藤玲子 馬醉木 201907
かたかごの力抜きたる微風かな 山田健太 風土 201907
家持を和まさせしやかたかごの花 延川笙子 六花 202007
かたかごの花の群落息を呑む 小林紫乃 京鹿子 202008
かたかごの花へ膝折るカメラの目 持田信子 京鹿子 202008
木道を行くかたかごの花揺らし 森岡正作 202105

 

2022年2月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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