重ね着    64句

重ね着  厚着

作品
作者
掲載誌
掲載年月
門跡の春の重ね着善光寺 田中藤穂 水瓶座 200002
やはらかき日差し重ね着甘茶佛 久保龍 200006
重ね着の小さき肩を按摩する 長谷川鮎 ぐろっけ 200101
蛇塚へ重ね着の人つぎつぎと 飯塚ゑ子 火星 200102
重ね着を映し母似と思ひけり 高野美佐子 雲の峰 200202
重ね着て孤独ゆつくり太りゆく 坂本俊子 200204
杖ほどにかかる子はなし重ね着を 瀧新珠 京鹿子 200205
重ね着に更に重ね着戻り寒 宮原みさを 花月亭 200208
重ね着やこころ愈々届かざり 大林淳男 銀化 200302
重ね着や瓦の畝の光消ゆ 赤座典子 あを 200303
重ね着の赤子剥ぎたり聴診器 滝本香世 百鳥 200303
重ね着て野心の嵩を減らしたる 華明日香 銀化 200304
卒寿越ゆ恩師弱られ重ね着で 荻野周子 雨月 200402
重ね着を作務衣に包み庫裡に坐す 橘澄男 「山景」 200408
重ね着の自由自在に娘たち 林裕美子 六花 200502
重ね着て袖を分厚く祈りけり 今瀬剛一 対岸 200502
重ね着て袖の遊びしギブスの手 田村七三栄 築港 200502
重ね着の内科まで外科通り過ぐ 木村みかん 200503
重ね着の父の胸より一封書 山本耀子 火星 200503
重ね着をして峯寺に忌を修す 森洋子 京鹿子 200601
重ね着てたはやすく齢とりしかな 小石珠子 春潮 200602
重ね着の一枚脱ぎて空仰ぐ 安田とし子 ぐろっけ 200602
病床の父は頑固に重ね着す 苑実耶 200602
重ね着の肌に近きは母のもの 田原陽子 200605
重ね着のいちばん下は思ひ草 直江裕子 京鹿子 200701
重ね着や老いては老いの冬構 増田大 春燈 200702
早足の友よはやばや重ね着て 野路斉子 200702
重ね着の終の仕上げの割烹着 足利ロ子 ぐろっけ 200703
セーターを重ね着にして句座につく 仁平則子 200802
重ね着や午後は睡気のかむさり来 三浦ゑおり 風土 200804
窓ありて窓に寄る身の重ね着す 村越化石 200804
重ね着をしてぽつちりと蕗の薹 木内美保子 六花 200805
重ね着や戦後を生きし母のもの 上林孝子 200805
重ね着の母に口止めなどはせず 柴崎英子 絹の波 200806
重ね着にもう一枚を秩父かな 須賀敏子 あを 200902
重ね着る色のかるうて春隣 ことり 六花 200902
重ね着を剥がしつつ汗試着室 安本恵子 200902
重ね着にファッションセンス覗かせて 和田森早苗 200903
重ね着を脱ぎつ指折り東郷橋 藤野寿子 あを 201001
お握りの持参派にして重ね着派 田村園子 201002
重ね着や眼鏡内側から汚れ 風間史子 201003
夫と子を待つとはなしに重ね着て 上月智子 末黒野 201003
しなやかな仕草に無縁重ね着て 菅野蒔子 末黒野 201004
重ね着の楽々出来る齢かな 上野幸枝 末黒野 201102
重ね着に紫濃淡選びけり 丹生をだまき 京鹿子 201203
フラフープ重ね着二枚脱ぎ棄てて 細川知子 ぐろっけ 201205
重ね着をして蓑虫と同じ態 田中一美 ろんど 201302
重ね着のほがらかな愚痴聞いてをり 数長藤代 201303
重ね着やマウスの電池入れ替ふる 伊勢きみこ 火星 201502
ご老師の重ね着威厳自づから 本多正子 雨月 201503
春ものを飾る重ね着の店員 松本秀子 201507
重ね着の肩の鼓動の車中かな 新倉ゆき江 末黒野 201603
重ね着を重ね脱ぎなどしてひとり 直江裕子 京鹿子 201605
重ね着く句稿へ秋の風やさし 数長藤代 201611
重ね着や予防注射の細き針 柿沼盟子 風土 201702
やつと手が出て重ね着の袖とほる 有賀昌子 やぶれ傘 201703
重ね着を脱ぐ裏返るそのままに 高橋まき子 風土 201704
老僧の重ね着錆茶お正客 本多正子 雨月 201803
姥ざかり三十年を重ね着て 火箱ひろ 201803
重ね着に恥ぢらひ等は忘れをり 水田壽子 雨月 201804
人生を重ね着ぶくれ上手かな 和田華凛 ホトトギス 201806
捨て切れぬ仕事に重ね着して母は 三上程子 風聴くや 202003
重ね着を一枚脱いで鬼ごつこ 奥田茶々 風土 202004
重ね着て手足短くなりにけり 中村洋子 風土 202004

 

2022年11月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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