厚 着    42句

重ね着  厚着

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ボストンの黒人たちの厚着かな 中川二毫子 遠嶺 199902
風を聴くわが独酌の厚着かな 田中藤穂 水瓶座 200002
余震なほ厚着のままに浅眠り 品川鈴子 船出 200104
厚着の子つまみしやうな鼻つけて 柴田佐知子 200305
冷まじや苔を厚着の奪衣婆 能村研三 200412
天へ梯子昇る棟梁厚着して 林翔 200601
厚着してずり落ちそうな旅鞄 中村みち子 ぐろっけ 200603
厚着して人は行き交ふ初桜 林翔 200605
如月や厚着の脱げぬ肩を揉む 藤原りくを 八千草 200608
厚着毛皮静かな息が生きてゐる 林翔 200611
鉤鼻のほかは隠れて厚着婆 鷹羽狩行 200701
駅のホーム厚着させてるお父さん 赤座典子 あを 200703
厚着とも見えぬ老尼や石蕗の花 鈴木多枝子 あを 200703
厚着して日影より入る酒林 米澤光子 火星 200902
定席はあみだ寺客の厚着かな 遠山みち子 200903
厚着抜け体温計の電子音 高木嘉久 200903
厚着とも見えぬ老尼へ春嵐 鈴木多枝子 あを 200905
絵の秘話を語るガイドの厚着して 吉田和子 ぐろっけ 201002
厚着して又三郎を躱しけり 大沼遊魚 倭彩 201009
親知らず抜かるる構へ厚着して 品川鈴子 ぐろっけ 201103
厚着の子涙を横に拭ひけり 柴田佐知子 201103
厚着して生者の側のパイプ椅子 菅谷たけし 201104
水舟に厚着の背中屈め見る 大西まりゑ 酸漿 201106
江戸の墓めぐり厚着の肩重し 品川鈴子 ぐろっけ 201111
紫陽花や厚着薄着を繰り返し 塩田博久 風土 201210
医院への迎へを待てり厚着して 山本敏子 ぐろっけ 201303
豆を煮て厚着の母の午後が過ぐ 柴田佐知子 201401
厚着してロボット歩き園児たち 森下康子 201404
厚着の夫病みてイエスに似てきたる 白水良子 201406
厚着して勉強部屋に閉じ籠もる 塩路遼 201501
一枚の日向にはづむ厚着の子 柴田佐知子 201503
厚着して車椅子の子春探し 松村光典 やぶれ傘 201606
治らない厚着癖など春の風 池田澄子 船団 201612
抜け道を歓楽街へ厚着人 曽根富久恵 201703
うぶすなへ戻りて母の春厚着 能村研三 201705
厚着妻の受診番号明滅す 田中臥石 末黒野 201903
うかうかと厚着のままの万愚節 岩藤礼子 やぶれ傘 201908
どこまでも転がりさうな厚着の子 柴田佐知子 202003
厚着してゾロゾロ痩せたソクラテス 堅山道助 風土 202011
厚着して収むる骨や匂ひ無く 小田嶋野笛 末黒野 202103
厚着して奮ひ立つものなかりけり 芝田幸惠 末黒野 202104
仮の世の仮の身大事厚着して 荒井千佐代 202205

 

2022年11月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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22/11/14 2022年11月14日 2022年11月14日