寒 雀 2     111句

阪神大震災

倒・裂・破・崩・礫の街寒雀    友岡子郷

寒雀 冬雀冬の雀・ふくら雀)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒雀林泉の小枝をゆらしける 辻知代子 201502
寒雀駅のベンチに群れ遊ぶ 森理和 あを 201503
横丁の角よりひよいと寒雀 廣瀬雅男 やぶれ傘 201503
思はざる速さで空を寒雀 岡崎春菜 万象 201503
寒雀てつぱう玉のやうに来る 森岡正作 201503
漁る餌のよくあるものよ寒雀 鈴木阿久 201503
寒雀羽音はげしく発ちにけり 出口誠 六花 201503
大仏の肩より弾け寒雀 渡部節郎 201504
幼な子の頬ふくらみぬ寒雀 遠藤逍遙子 風土 201504
寒雀一群れとなり飛び発てる 能勢栄子 201504
寒雀そなた連合解きたるか 宮崎左智子 201504
一峰にかかる夕日や寒雀 笹井康夫 201504
雨晴れて今を囃せよ寒雀 江澤弘子 201504
野宮のくぬぎの鳥居寒雀 桂敦子 201504
放射線注意の土手の寒雀 石田きよし 201504
寒雀三尺寄るも飛び発たず 山本孝夫 201504
寒雀子らは平和の鐘鳴らし 木下慈子 馬醉木 201504
いつせいに寄りてこぼれて寒雀 井口ふみ緒 風土 201505
鵯の来て寒雀来て婆の来て 小林愛子 万象 201505
電線に何の相談寒雀 久保晴子 雨月 201505
寒雀銃の的とは過去のこと 松本文一郎 六花 201505
寒雀一羽降り来てみんな地に 大山夏子 201508
とまどひし上り框の寒雀 津川かほる 風土 201512
饒舌の男嫌はれ寒雀 鈴鹿仁 京鹿子 201602
寒雀何のかんのと健康体 鈴鹿仁 京鹿子 201602
一羽きて二羽で連れ立つ寒雀 来海雅子 201602
ぱらぱら下りわつと飛び立つ寒雀 上原重一 201602
寒雀窓に張りつく尾振猫 斉藤裕子 あを 201602
寒雀やうやく眠るネオン街 鈴木セツ 201603
電線に結び目となり寒雀 渡部節郎 201603
電線に第九の音符寒雀 川崎良平 雨月 201603
突ついては首を傾げる寒雀 小林朱夏 201603
陽だまりに群れて弾みて寒雀 廣瀬雅男 やぶれ傘 201603
二十羽は芝に来てをり寒雀 藤井美晴 やぶれ傘 201603
天満橋名店街の寒雀 中島陽華 201604
病院の灯の早々と寒雀 天谷翔子 201604
寒雀日蓮像と遊ぶごと 小林朱夏 201604
逃げてまたひとかたまりの寒雀 松本文一郎 六花 201604
鳴いて散り鳴いて集まる寒雀 根岸善行 風土 201604
干餅の角啄めり寒雀 小松敏郎 万象 201605
屈託なき煮こぼれのやう寒雀 奥田筆子 京鹿子 201605
軒下を我が居となしぬ寒雀 谷島弘康 末黒野 201605
人も来ず電話も鳴らず寒雀 今橋眞理子 ホトトギス 201606
寒雀つくばひの水渇きをり 菊池洋子 やぶれ傘 201606
寒雀群れて榛の木こぼれ落つ 田勝子 万象 201606
寒雀声より降りて来たる群 稲畑汀子 ホトトギス 201701
駅前のネオンが塒寒雀 栗原京子 201701
飛び石に来て弾みたり寒雀 廣瀬雅男 やぶれ傘 201703
陣立ての瞬時をほどく寒雀 加藤峰子 201703
金網を目詰まりにして寒雀 松尾龍之介 201703
下りてより影と歩ける寒雀 笹村政子 六花 201704
天界よりこぼれて弾む寒雀 熊岡俊子 雨月 201704
ふくふくと転り来たり寒雀 隅田恵子 雨月 201705
転け癖の妻へ手を貸す寒雀 中川句寿夫 ここのもん 201705
寒雀群れては梢埋めにけり 原田達夫 201705
病床の父が指差す寒雀 亀井紀子 201705
本籍を二丁目麺麭屋に寒雀 田岡千章 201705
参道のゆるき石段寒雀 森清信子 末黒野 201705
寒雀木の葉となりて舞ひ散れる 東野鈴子 雨月 201706
日の当るところにこぼれ寒雀 粟山恵子 雨月 201804
吹きだまり又覗かせる寒雀 長崎桂子 あを 201804
袋屋の軒は天国寒雀 竹内悦子 201805
寒雀地球の裏を探るかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
吉原二丁目ひつそりと寒雀 増成栗人 201903
女優死す昔話の寒雀 大日向幸江 あを 201903
大阪城は妙に金ぴか寒雀 おーた一えつこ 201903
庭石に見え隠れして寒雀 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
まんまるな石置く墓や寒雀 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903
庭石を我がもの顔に寒雀 赤羽陽子 春燈 201903
野良猫の食ひさしに来て寒雀 藤井美晴 やぶれ傘 201903
夫逝きしよりの耳鳴り寒雀 溝越教子 春燈 201904
日溜りに降りて見廻す寒雀 今野明子 末黒野 201905
日溜りの籬に忙し寒雀 森清堯 末黒野 201905
元号を予想し合うて寒雀 和田華凛 ホトトギス 201906
土塊のやうに落ち来し寒雀 善野行 六花 202003
見て取れるほどに散らばり寒雀 根橋宏次 やぶれ傘 202003
海を見てゐる一つ日向に寒雀 浜福恵 風土 202004
朝粥を啜る窓透く寒雀 田中臥石 末黒野 202004
寒雀墓碑それぞれに日の差して 徳井節子 馬醉木 202004
竹林に斜めの日影寒雀 高橋正江 末黒野 202005
朝粥をり窓透く寒雀 田中臥石 末黒野 202005
寒雀はつかの日差し啄ばみて 岡野里子 末黒野 202005
寒雀俄日和の地に弾み 岡野里子 末黒野 202005
陽光を集めて丸し寒雀 岡野里子 末黒野 202005
寒雀の一尺横を歩きけり 丑久保勲 やぶれ傘 202005
寒雀吹かれついでに翔ちにけり 武藤節子 やぶれ傘 202006
寒雀電線地中化とまどつて 治部少輔 202006
寒雀埃のやうに舞ひ降るる 栗原京子 202010
筋書のなきが遊びや寒雀 亀田虎童子 202101
寒雀餌付く六畳一間かな 農野憲一郎 春燈 202102
籠りゐて庭に親しき寒雀 今村千年 末黒野 202103
寒雀を蹴散らし鵯の庭となり 森高武 風土 202104
寒雀集ひ日溜り大きくす 須賀ゆかり 202104
寒雀欅は千の手を伸ばし 小野寺束子 202104
寒雀今朝も来てをり厨口 内田梢 末黒野 202104
ふくふくと枝に一列寒雀 梅津まり子 末黒野 202104
追はずとも飛び立つ構へ寒雀 石黒興平 末黒野 202105
夫の忌の空に黙礼寒雀 市川夏子 末黒野 202105
寒雀夕日の枝に寄り添ひて 鈴木千恵子 末黒野 202105
鬼瓦の目にすつぽりと寒雀 木村瑞枝 やぶれ傘 202105
寒雀一羽遅れて去りにけり 石橋幾代 202107
寒雀丸々と鳩そはそはと 稲畑廣太郎 ホトトギス 202201
寒雀一オクターブ上げて鳴く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202201
空よりも土に親しき寒雀 菅原末野 風土 202203
何度でも仲直りして寒雀 太田佳代子 春燈 202204
寒雀日影ぎらひの日向好き 久米憲子 春燈 202204
一羽来て三羽を呼びぬ寒雀 小田嶋野笛 末黒野 202205
寒雀一樹に陣屋構へをり 栗原京子 202208
菅公の謫居の寺の寒雀 山本則男 202208
筋書のなきが遊びや寒雀 亀田虎童子 あを 202210
寒雀黒き礫となりて去る 坂口学 202212
寒雀→ 1

 

2023年1月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。