寒 行     93句

寒垢離  寒行

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒行の僧らとどろと通過せり 田中藤穂 水瓶座 200002
蘆を焼く土手に寒行僧の列 大橋晄 雨月 200004
寒行に蹤く似たやうな袋負ひ 谷川季誌子 200005
寒行の熱き踵が追越せり 谷川季誌子 200005
ぬくしとも見ゆ寒行のあとの水 中原道夫 銀化 200202
寒行の太鼓の音も遠くなり 河合笑子 あを 200202
子の布施を屈みて受けて寒行僧 中田貞子 200203
寒行に縁なき僧の電話かな 柿沼盟子 風土 200204
寒行の僧に浄めの雪降れり 菅野虚心 200204
寒行者滝に打たれて相寄らず 菅野虚心 200204
ふくらみてをり寒行の頭陀袋 足立浩一 200204
寒行や若狭は雨に昏れそめし 沢崎ゆきえ 春耕 200204
厄除けの大草鞋吊る寒行場 森重夫 春耕 200205
貴賎なき寒行僧とすれ違ふ 下平しづ子 雨月 200205
寒行僧潜り戸開けて帰り来る 安藤孝助 200303
かはたれの寒行僧の歩幅かな 山田弘子 円虹 200304
寒行のうちは太鼓の返へし来し 加藤君子 火星 200304
寒行のをうをうと声掛け合へり 小山梧雨 200403
山焼の日和先取る寒行事 奥村鷹尾 京鹿子 200403
寒行僧遠ざかり闇もどりけり 橘沙希 月の雫 200404
膏薬を指に踵に寒行僧 大平勝子 栴檀 200405
寒行の如し半折十枚書く 松崎鉄之介 200503
読経して僧寒行の列整え 瀬良梅子 200503
留守家にも寒行念仏ねんごろに 米谷香恵子 築港 200504
今年早や寒行の小僧先頭に 狹川青史 馬醉木 200504
寒行の寺裏をゆく小径かな 能村研三 200602
降り込むや寒行僧と軒の下 濱崎悪美子 河鹿 200602
寒行に白衣の洗ひたてを着て 合川月林子 ぐろっけ 200604
寒行の般若心経僧上ぐる 大井彌雨 雨月 200704
寒行の四角に夜を曲り行く 佐々木新 春燈 200704
寒行や白衣に透ける肌の色 若井新一 200705
寒行の法華太鼓に犬吠える 津田霧笛 ぐろっけ 200705
寒行の永平一堂のみ灯る 上坂渥子 雨月 200804
小走りに過ぐ寒行の白脚絆 柴崎英子 絹の波 200806
寒行の声濤となり渦となり 柴崎英子 200901
所作はみな間髪容れず寒行僧 能村研三 200902
永劫といふ寒行の僧一人 上坂渥子 雨月 200902
寒行の僧全身の浄らなる 松岡和子 200904
寒行のしんがりの僧声太し 井島郷雲 火星 200904
網代笠深く峠を寒行僧 中石紀美代 火星 200904
寒行の念珠に星の宿りかな 竹中一花 200904
路地に入りたる寒行の声細る 高倉恵美子 200905
寒行のをんな山伏しりがりに 淺井照子 京鹿子 201001
石佛を片手拝みの寒行者 安武晨子 201004
寒行の念仏の声こはばれり 後藤眞由美 春燈 201004
寒行のごとく嶮路を黙々と 小山徳夫 遠嶺 201004
寒行の太鼓近づく町家筋 伊庭玲子 201004
全身全霊読経朗々寒行僧 丹生をだまき 京鹿子 201005
寒行に新しき人加へけり 高倉恵美子 201005
寒行の列を照らせる月明り 長谷川たか子 酸漿 201005
寒行の声とどろける石疊 田原陽子 201103
寒行の辻曲りゆく鉦の音 田中臥石 末黒野 201104
寒行の帰山の笠を脱ぎて稚し 大竹淑子 風土 201104
歴伝の荒ぶる読経寒行堂 須山登 201201
寒行の同じ顔して過ぎにけり 高倉和子 夜のプール 201203
寒行の気迫の声の海へ抜け 田村愛子 万象 201204
寒行の影のひたすら二年坂 西村節子 火星 201204
寒行と言うて選する四千句 大坪景章 万象 201204
御布施手に寒行僧を待つてをり 柴田佐知子 201303
寒行の装束透けしをんなかな 木暮陶句郎 ホトトギス 201305
風の辻より寒行のあらはるる 岩岡中正 ホトトギス 201306
寒行や明日の我を信じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
宝くじ売り場のほとり寒行僧 秋岡美津子 201403
朝の道寒行僧を追うて布施 粟倉昌子 201404
寒行の肝文夜をこだませり 三屋英俊 万象 201404
寒行の列の出でたる門閉ざす 鎌田篤 雨月 201405
禅院を出で寒行の列となる 鎌田篤 雨月 201405
寒行の気迫はつしと五感打つ 内山花葉 201504
寒行や経の仕舞の荒び声 能村研三 201504
寒行や海老芋うまく煮えたかな 菊谷潔 六花 201504
寒行のごとくに学ぶ夜の句会 岩岡中正 ホトトギス 201507
くろぐろと前へゆくのみ寒行者 伊藤通明 201603
寒行僧先を歩めり追ひつきさう 定梶じょう あを 201603
寒行の太鼓が闇を震はせ来 田中藤穂 あを 201603
寒行の僧のわらぢの薄かりき 榎本秀治 201704
真言も呻きとなりぬ寒行者 角野良生 201705
よろけつつ滝を離るる寒行者 角野良生 201705
寒行の声に震へる幣真白 平城静代 201804
寒行のこゑ二筋に別れけり 岡田史女 末黒野 201805
寒行の胸突き八丁荒び声 能村研三 201903
しづかなる寒行僧の徒跣足 能村研三 202002
寒行の裸身つつまる神の息 藤田美耶子 202004
寒行の尼僧の笠や暮れの雨 斉藤マキ子 末黒野 202005
寒行や水一杓を身にそそぎ 大川暉美 末黒野 202105
白緒下駄ととのふ寒行上がり口 柴ア英子 202105
夜空押し上ぐ寒行の百の声 柴ア英子 202105
をんをんと天ゆく寒行嗄れ声 柴ア英子 202105
寒行の白衣に透ける髪膚かな 柴ア英子 202105
寒行の濡れ身に力みなぎれり 柴ア英子 202105
てのひらに受く寒行の水しぶき 柴ア英子 202105
爪先を濡らす寒行こぼれ水 柴ア英子 202105
すくと起つ寒行僧の真直な眼 柴ア英子 202105
滝道を寒行二人草鞋掛け 池谷鹿次 末黒野 202206

 

2022年1月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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