寒 明 6     60句

寒明ける兆し羽毛のやうな月  斧田綾子  獐

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
胸中のむしを一喝寒明ける 西村白杼 京鹿子 201905
寒明けの姉妹にたまごかけご飯 井尻妙子 京鹿子 201905
豆腐屋の利き手は清し寒明くる 丸井巴水 京鹿子 201905
寒明くる一番列車見送りて 前田美恵子 201905
句友手向けし極楽鳥花寒明くる 下田奉枝 雨月 201905
草の根は墓石をつかみ寒明くる 吉田葎 201905
片手まだポケットの中寒明くる 井尻妙子 京鹿子 201906
子のメール交互にくれて寒明ける 平居澪子 六花 201906
寒明けや卒路の旅を企てむ 石川東児 201907
寒明けの折れてつながる波がしら 岸洋子 201907
寒明やひかりのかたちに座る鹿 平野多聞 201908
山裾に沿ひし家並み寒明くる 青木朋子 201909
釜の蓋覗いてみれば寒明ける 辻水音 202003
寒明けの鈴鹿連峰町動く 長崎桂子 あを 202004
寒明けて山野も心身脱落す 高橋将夫 202004
火を潜り白磁となりて寒明けぬ 杉本薬王子 風土 202004
寒明くる今朝より変へて散歩道 山田暢子 風土 202004
梵鐘の余音のうねり寒明くる 高橋寛子 春燈 202004
寒明や頁に栞はさみけり 江見巌 六花 202005
真つ直ぐに香煙立ちて寒明ける 大内幸子 六花 202005
寒明の香り深める焙煎機 三木亨 202005
寒明けの大往生の知らせかな 江島照美 202005
そば処前に灰皿寒明ける 大島英昭 やぶれ傘 202005
さかさまに叩く屑籠寒明くる 根橋宏次 やぶれ傘 202005
寒明けや吉田の神を神棚へ 丸井巴水 京鹿子 202005
寒明の水に触れたる紙の反り 市村健夫 馬醉木 202005
寒明けて寒きを道にいたわり合う 田中藤穂 202006
寒明や心添はざることもあり 稲畑汀子 ホトトギス 202102
寒明けてより常の日の戻り来し 稲畑汀子 ホトトギス 202102
カーテンの隙間より寒明けにけり 山田暢子 風土 202104
亀甲に田の罅割れて寒明くる 大橋松枝 202104
固き夜のこつんと壊れ寒明くる 池乗恵美子 末黒野 202104
寒明けや朝一番の猫の貌 秋川泉 あを 202104
寒明けの布袋の腹をぽんと打つ 有賀昌子 やぶれ傘 202105
寒明くる川崎宿の今むかし 高埜良子 春燈 202105
寒明けて鯉の背中の艶めけり 西谷恵美子 春燈 202105
寒明の光を掬ふ如露の水 本郷公子 京鹿子 202105
寒明けの空の憂ひのなかりけり 池乗恵美子 末黒野 202105
鳥の声降る寒明けの空に触れ 浜田はるみ 202105
寒明くる床の書幅をとりかへて 木村瑞枝 やぶれ傘 202105
寒明や二十六聖人の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
寒明の風にまぶしき雲となる 今橋眞理子 ホトトギス 202107
どん底は見上ぐる処寒明くる 苑実耶 202107
寒明けの海鳴りに張る馬の耳 小野寿子 202201
洗顔の泡の弾力寒明くる 本池美佐子 202204
湯にひらく指の赤さや寒明くる 平嶋共代 202204
寒明や自動ドアの性善説 奥田筆子 京鹿子 202204
寒明けの出没怪し家鼠 秋川泉 あを 202204
新しき靴のなじみて寒明くる 篠原幸子 春燈 202205
寒明の水琴窟の歓呼かな 宮崎洋 春燈 202205
寒明や水尾の八の字両岸へ 宮崎洋 春燈 202205
寒明けやパノラマで見る日本地図 本郷公子 京鹿子 202205
寒明や先づしたいこと二つ三つ 伊吹之博 京鹿子 202205
うかうかと自適十年寒明ける 小島正士 京鹿子 202205
ひらめきを待つやあらあら寒明ける 上野紫泉 京鹿子 202205
寒明けの一声高き鴉声かな 森清堯 末黒野 202205
寒明けや腰痛癒ゆる気配なく 菅野日出子 末黒野 202205
軋ませて伸ばす椎骨寒明くる 川田好子 風土 202205
アップルパイぱりつと焼けて寒明ける 有賀昌子 やぶれ傘 202206
寒明ける紅茶にミルクたつぷりと 木村瑞枝 やぶれ傘 202206
寒明→ 1

 

2023年2月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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