2    100句

軒下に「寒餅搗き升」寒も過ぎ    飯島晴子

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ひとりの米研ぐ音立つる寒厨 岩崎みやこ 200204
鵜と鵜匠の阿吽の呼吸寒の淵 神田一瓢 雨月 200204
寒晴の馬場に馬丁と神馬立つ 下平しづ子 雨月 200204
神馬舎の寝藁の乾く寒日和 志水千代子 雲の峰 200204
大樟にめぐらす注連や寒ゆるぶ 川野喜代子 雲の峰 200204
ひそやかに醪息づく寒の蔵 清わかば 雲の峰 200204
寒の虹めらめら燃ゆる朱を見たり 山田弘子 円虹 200204
えんどうの土の小寄せや寒ぬくし 門伝史会 風土 200204
寒ぬくし頂き物が重すぎて 丸山佳子 京鹿子 200204
これやこの寒の鸚鵡の失語症 尾崎山治 京鹿子 200204
かへる鳴く声池にあり寒最中 三浦カヨ子 酸漿 200204
翡翠の影を映して寒の川 中里信司 酸漿 200204
丸干の鯵買ふ日和寒最中 永田二三子 酸漿 200204
ホテルの灯寒の菜の花てらしをり 内藤順子 酸漿 200204
電線の卍とはしる寒の晴 森洋子 200204
夕燒に満干ありけり寒の崖 岡本眸 200204
岩跳んで岩の匂へる寒日和 加瀬美代子 200204
夜詣に甘酒ふくみ寒なごむ 原田圭子 ぐろっけ 200204
夜の地震に牛総立ちの寒牧舎 田中俊尾 馬醉木 200205
寒牛舎出産を待つ湯の滾り 田中俊尾 馬醉木 200205
牛頭天王の護符貼る牧舎寒ゆるぶ 田中俊尾 馬醉木 200205
遠くより踏切の音寒日和 井口光雄 200205
樹々透けてうすむらさきの寒来る 大村真佐子 遠嶺 200205
徘徊す携帯電話寒の径 瀧新珠 京鹿子 200205
やるだけはやつたと言へて寒入日 松本鷹根 京鹿子 200205
すべて寒荷揚げ蜆が水こぼす 松本鷹根 京鹿子 200205
古傷を寒の指し当つ膝頭 浅井青二 雨月 200205
並ぶ鵜の黒の端正寒日和 吉年虹二 ホトトギス 200206
釣れもせず波打ち返す寒の浜 河内童楽 六花 200206
寒の虹大涌谷をひと跨ぎ 松本文一郎 六花 200206
卒業や朝つかの間の寒氣澄み 岡本眸 200206
小太鼓の紐のくれなゐ寒能会 高橋さえ子 200206
寒晴やトロ箱の蝦蛄裏返り 大東由美子 火星 200207
砂利踏んで斎膳運ぶ寒の晴 大東由美子 火星 200207
ネオンより寒の西日の煌びやか 宮原みさを 花月亭 200208
寒の海見つめ漢の黙深し 小澤克己 遠嶺 200210
寒厳の夫婦と言へど相寄らず 塩川雄三 潮路 200210
糸を草木で染めあげて寒日和 山仲英子 200301
寒の朝のあの地震知らぬ子どもたち 出口誠 六花 200301
細き目をいよいよ細く寒日和 林翔 200302
寒晴の俳句が出来る日となれり 宮津昭彦 200302
抱かれて遠音となりぬ寒怒濤 伊藤とら 雲の峰 200302
真向へば凛凛として寒の富士 阿部悦子 酸漿 200302
寒厳し落書多きガード下 栢森定男 あを 200302
老体に寒の底冷続く日々 安陪青人 雨月 200303
寒晴や赤ん坊笑ふテロ跡地 片山タケ子 200303
寒晴をたのしむ人が出て歩く 宮津昭彦 200303
くろがねよりも固き寒大根吊る 堀米洋江 風土 200303
窓に向うて墨磨つてをり寒の鵙 雨村敏子 200303
寒に耐ふ火炎不動は炎負ひ 桑島啓司 200303
斎の間に寒雨の霽れし本能寺 伊藤とら 雲の峰 200303
寒晴や淀の左岸の山まろし 中御門あや 雲の峰 200303
寒晴やにはか善女となりに出づ 藤田壽穂 雲の峰 200303
雀来て一枝の揺るる寒夕日 大沢敦子 雲の峰 200303
藤の実のぴしぴしと爆ぜ寒日和 長田秋男 酸漿 200303
寒の鵯はうれんさうをはだかにす 長田秋男 酸漿 200303
朝焼の空に伸び立つ寒の木々 大山妙子 酸漿 200303
目溢しの庭の一本寒の百合 長崎桂子 あを 200303
火花散るパンタグラフや寒の駅 那須淳男 馬醉木 200303
寒の富士蘇峰筆鋒迫るなり 太田昌子 馬醉木 200304
かく降りてかく寒晴の日となりぬ 高濱朋子 円虹 200304
戸を開けて入れたる寒の大気かな 加藤みき 200304
屹立か孤立か寒の大欅 小澤克己 遠嶺 200304
抱き込めば折れさうな女寒の駅 宮澤さくら 遠嶺 200304
寒の濤立ちて真贋問はれたり 鈴木輝子 遠嶺 200304
唐門の龍の勢ひ寒の空 花島陽子 遠嶺 200304
できたての蒟蒻かかへ寒の道 吉岡喜美江 帆船 200304
寒の海赤き煙突林立す 外川玲子 風土 200304
求めたる血圧計よ寒ゆるぶ 川上美穂子 酸漿 200304
蘭生けて一人の部屋も寒最中 篠崎荘市 酸漿 200304
一塊となりしコアラや寒日和 杉本美智江 雨月 200304
寒晴や馬は黙して洗はるる 中島瑞枝 百鳥 200304
寒の池泥にもかたちありにけり 野内妙子 200304
オペ室へ寒廊の灯を数へつつ 金山藤之助 200305
寒怒濤とどく鐘楼ぼけ参り 吉永すみれ 風土 200305
裏通り思はぬ事故や寒もどる 横瀬伸子 帆船 200305
寒染に鷹の羽紋を受け継ぎぬ 高尾豊子 火星 200305
寒看取り世を深読めり夜の雨 瀧新珠 京鹿子 200305
帰りたい二度わろしとて寒真夜に 瀧新珠 京鹿子 200305
寒の空打つてシンホニーに合はさむ 山田をがたま 京鹿子 200305
寒晴や少年挙で掌を打ちつゝ 西村葉子 京鹿子 200305
風の出て浮子を変えたる寒の釣 鶴目鯛遊子 六花 200305
墳に入る息の触れ合ふ寒の闇 十河波津 200305
風落ちて寒氣固体となりにけり 岡本眸 200305
寒崖の一縷の水のどこよりぞ 岡本眸 200305
寒晴や海へ対峙の松の照り 真保喜代子 200305
寒の地下道突つ切るチェロを横抱きに 浦川聡子 水の宅急便 200305
寒芝居仏倒しの仁左衛門 竹内方乃 ぐろっけ 200305
寒晴の河口に海猫のたまりの場 中島知恵子 雨月 200306
上陸の島姿見す寒の暁 鈴木てるみ ぐろっけ 200306
今日の美のクライマックス寒夕日 中野英歩 八千草 200307
百鶏の賑はひありて寒ゆるむ 能村研三 200307
染め糸の雫むらさき寒の晴 高橋あゆみ 200307
篆刻の切先寒の日を聚む 谷口みちる 200307
寒晴や転居先にも富士見坂 高木嘉久 200307
吠えたてる犬に向うて寒の柝 亀井香草 築港 200310
寒の夜を子の抱き来る胡蝶蘭 増田八重 酸漿 200311
寒の夜を枕辺匂ふ胡蝶蘭 増田八重 酸漿 200311
銅鏡の寒のひかりをあつめゐし 水野恒彦 200312
寒晴や海人より太き海女のこゑ 青山悠 200312
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2021年1月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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