亀の子      92句

亀の子  銭亀

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨後の日がうれし亀の子雀の子 山田弘子 円虹 199808
鯉に尻押されてゐたる子亀かな 夏秋明子 火星 199908
負はれたる子亀も首に力こめ 入野田干寿子 199911
万緑や亀の子親の背より転ける 保坂加津夫 いろり 200007
放生の亀の子移し池浚ふ 大堀鶴侶 雨月 200009
帰省の子お供の亀も首伸ばし 日野公子 ぐろっけ 200011
田水溢る径を亀の子歩みゐし 安藤孝助 200107
亀の子の桜田門に泳ぎ着く 高橋とも子 200107
亀の子のすでに重荷を背負ひをり 山中宏子 200110
亀の子の泳ぎ惑へる水草かな 有働亨 馬醉木 200111
四阿に子亀ひょっこり福祉村 勝野薫 ぐろっけ 200111
浮かびくるとき亀の子ののど見ゆる 高木良多 春耕 200111
車停め亀の子池へ戻しやり 松木清川 ぐろっけ 200209
亀の子のバケツの底を掻くばかり 岡和絵 火星 200209
亀の子の浮きあがりたる神の池 雨村敏子 200209
亀の子の泳法やぶれかぶれかな 山中宏子 200209
放生池数へる度に子亀殖ゆ 毛塚静枝 200209
亀の子の頭立て夜を泳ぐなり 杉浦典子 火星 200210
残る鴨亀は背中に子をのせて 芝尚子 あを 200305
天辺に子を乗せ亀の五重の塔 鈴木浩子 ぐろっけ 200308
亀の子や浄瑠璃寺は鼻の先 北嶋美都里 西の峰 200401
亀の子に遊ばれてゐる大人かな 稲畑汀子 ホトトギス 200406
亀の子の時間にしばしつき合ひぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200406
亀の子の自由四角の水槽に 稲畑汀子 ホトトギス 200406
亀の子の歩みひたすら海に向く 十河恭子 雲の峰 200407
亀の子を海へ見送るゆふべかな 酒井多加子 雲の峰 200407
亀の子に四天王寺の柱影 大山文子 火星 200408
留守の家に子亀の動く音コトコト 宮城島たか子 200409
亀の子の甲羅反るほど乾きけり 中島恭子 百鳥 200409
これ好日子亀をひろふ尾花みち 丸山佳子 京鹿子 200501
亀の子は太古の海へ帰りけり 大石たか 遠嶺 200510
首上げて亀の子進む心字池 亀田やす子 万象 200606
亀の子や天敵もなく神の池 品田弘子 四葩 200607
亀の子の波紋ちいさく池よぎる 長崎桂子 あを 200608
親亀の上亀の子のわれもわれも 辻美奈子 200608
亀の子の孤独の甲羅干しにけり 山岡季郷 馬醉木 200609
亀の子の大悪日の泡かな 黒田咲子 200610
亀の子の一歩一歩が世界かな 鎌倉喜久恵 あを 200610
亀の子の重なり合へる札所かな 田中みのる 火星 200709
涌き水の池の彼岸に亀の子群れ 長崎桂子 あを 200710
東海の潮来で泣いてゐる子亀 小野寺節子 風土 200712
薫風や石に遊べる親子亀 松本文一郎 六花 200809
万年の運命(さだめ)背負へる子亀かな 竹内悦子 200809
亀の子が睡蓮の葉を踏み外す 山田京子 200810
亀の子や時差の残りし腕時計 篠原まどか 炎環 200907
泉石に亀の子並び甲羅干す 中村芳夫 200909
海原へ向かふ子亀や砂千里 倉谷ます美 万象 200909
親を追ふ子亀の水尾のかすかなる 梅田武 末黒野 200910
亀の子や五尺の池を泳ぎきり 前川美智子 末黒野 201009
亀の子は何を見付けて首伸ばす 谷泰子 ぐろっけ 201010
風音に耳すましゐる子亀かな 都丸美陽子 春燈 201012
うす日さす亀の子寺や嵐雪忌 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
亀の子にえさやれど鯉横取りす 長谷川としゑ ぐろっけ 201108
亀の子は掛け軸出でて洲浜這ふ 品川鈴子 ぐろっけ 201109
猿沢の池に亀の子影の濃き 塩路五郎 201109
月の海へ子亀は子亀乗り越えて 吉田葎 201204
親亀の目に手をかける子亀かな 山田六甲 六花 201207
尖りたる子亀の鼻の白かりき 永田万年青 六花 201210
夏安居や亀の子青き奥の院 城孝子 火星 201210
亀の子の騒ぐ露店の洗面器 安藤久美子 やぶれ傘 201212
岩色の亀の子岩を蔽ひける 赤座典子 あを 201307
亀の子に途切れてゐたる拝み石 飯塚ゑ子 火星 201309
亀の子を一会の人と眺めおり 先山実子 ぐろっけ 201311
少年の手に亀の子のうすみどり 笹村政子 六花 201406
亀の子を飼ひたしと云ふ餌を買ふ 山口ひろよ 201408
亀の子を畳に這はせ衣脱ぐ 福島せいぎ 万象 201410
亀の子のころりと水に落ちにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201411
亀の子の泳ぎ切つたる普賢かな 雨村敏子 201508
亀の子の十五分ごと浮上せる 須賀敏子 あを 201508
厳の名は亀の子島や波の花 中嶋陽子 風土 201603
引力は亀の親子の間にも 高橋将夫 201608
うちの子の様な顔して亀居りぬ 岩井京子 201610
人の子の未来亀の子よりたしか 高橋将夫 201610
亀の子の岩に着くまで見届けぬ 住田千代子 六花 201610
万年を生きよと子亀放流す 仙頭宗峰 万象 201612
亀の子潜く深くなく浅くなく 辻美奈子 201705
亀の子の泳ぐといふは流さるる 辻美奈子 201708
亀の子の空の高さを仰ぎけり 鎌田八重子 馬醉木 201708
亀の子のなんなく落ちてしまひけり 笹村政子 六花 201710
亀の子の後足ぐぐと伸ばしをり 廣畑育子 六花 201809
亀の子に母なる池となりゆける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
水底に消ゆ亀の子の刹那かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
祈りこめ亀の子見送る阿波の海 竹村淳 201909
亀の子や山のマルシェで大騒ぎ 辻響子 201910
亀の子の一生はここ城の濠 横田敬子 202101
亀の子の手足のリズムラテン風 渡部恭子 202112
亀の子の逃げて縁日果てにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
亀の子や名前付けられ飽きられて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
亀の子に城濠といふ余生かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
亀の子に鷺の視線の優しかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
亀の子の日差を弾くほどの艶 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
亀の子に臍あるといふ裏がへす 辻美奈子 202207

 

2023年6月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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