蝸 牛 2   58句

蝸牛寝ねても真闇とはならず    櫻井博道

かたつむり   蝸牛   ででむし   でで虫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蝸牛忌やふり仮名つきの『努力論』 貞吉直子 馬醉木 201609
地球の傷をちちんぷいぷい蝸牛 小林陽子 201609
蝸牛雨滴に角を引っ込むる 蒲田豊彦 雨月 201609
蝸牛と考へごとをしてをりぬ 本多俊子 201609
立ち話の夢中に消ゆる蝸牛 山口登 末黒野 201610
幸村へ秀吉書状蝸牛 門伝史会 風土 201610
悼む日の思惟のかたちに蝸牛 亀井福恵 京鹿子 201707
うつむけば我も小さき蝸牛 押田裕美子 201706
生きることの今あることの蝸牛 小山田子鬼 201708
太陽に先回りされ蝸牛 甲州千草 201708
衣食住こと足りてをり蝸牛 相良牧人 201708
山の端の夕日に暈や蝸牛 奥田茶々 風土 201709
吝何ぞ重き枷負ふ蝸牛 松本三千夫 末黒野 201709
ゆつくりと前進あるのみ蝸牛 池田節 春燈 201709
これ以上無理はするなと蝸牛 森清堯 末黒野 201711
葉隠れにいつからゐたる蝸牛 上辻蒼人 風土 201711
拾はれて命をつなぐ蝸牛 奈辺慶子 雨月 201806
蝸牛どこかあなたに似てをりぬ 江島照美 201808
こころざしあれど急がぬ蝸牛 犬塚李里子 201809
昏れぎわの明日はどっちだ蝸牛 松井季湖 201809
蝸牛隣空き家となり久し 笹倉さえみ 雨月 201810
泥流に家ごと呑まる蝸牛 高橋将夫 201811
ガンジーの貌に角出て蝸牛 田岡千章 201812
蝸牛水の余韻を背にのせた 渡部ひとみ 船団 201812
蝸牛にも急ぎたき心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201906
蝸牛逃げ足はやきこと確か 稲畑汀子 ホトトギス 201906
我が所在いつから知りぬ蝸牛 稲畑汀子 ホトトギス 201906
蝸牛よりゆつくりと消ゆるもの 稲畑汀子 ホトトギス 201906
校庭の隅に子の寄る蝸牛 江草礼 春燈 201908
角出して何に向かふや蝸牛 岩永はるみ 春燈 201908
蝸牛生まれながらの左巻き 岩下芳子 201908
何が何でも登ると言ふ蝸牛 岩月優美子 201908
淋しさを背負ひて雨後の蝸牛 五十畑悦雄 201908
老いたれば愚鈍もよかれ蝸牛 赤峰ひろし 201908
蝸牛の道光りたる石に座す 田尻勝子 六花 201908
蝸牛角と言へどもやはらかき 藤原明美 201909
葉に沿うて曲がつてゆきぬ蝸牛 森なほ子 あを 201909
ワイルドに生きてをりけり蝸牛 岩田洋子 201911
蝸牛石に紛れてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
さはられて石に戻りし蝸牛 稲畑汀子 ホトトギス 202006
通りたる跡を辿れば蝸牛 稲畑汀子 ホトトギス 202006
蝸牛動かぬ世界ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
蝸牛見て過ぎてゆく時間あり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
捕へたる蝸牛にも自由あり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
蝸牛自由の早さありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
飼ふことになりし箕面の蝸牛 稲畑汀子 ホトトギス 202006
焦らずにわが道を行く蝸牛 岩月優美子 202008
天満宮の絵馬の変色蝸牛 大霜朔朗 末黒野 202008
まいまいに舞をせよとや蝸牛 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
波音に耳を澄ませる蝸牛 角口秀子 202009
諸事万端速すぎる世や蝸牛 大坂正 末黒野 202009
蝸牛揺るる葉に身を委ねゐる 武藤節子 やぶれ傘 202009
情報の真偽確かむ蝸牛 藤田美耶子 202011
いつのまに帆が膨らんで蝸牛 つじあきこ 202011
何するもいつも殿蝸牛 山崎稔子 末黒野 202011
蝸牛光悦垣の大うねり 神蔵器 風土 202105
じつとしてゐしが消えたる蝸牛 稲畑汀子 ホトトギス 202106
進みつつ発条は無限に蝸牛 山田六甲 六花 202106
念ずれば蝸牛の遅れ永観堂 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
蝸牛お前もどこか壊れたか 高木晶子 京鹿子 202109
降り出して木の匂ひたつ蝸牛 門伝史会 風土 202110
蝸牛誰れもが過去を語りたし 松本鷹根 京鹿子 202207
知り過ぎる事の疎まし蝸牛 高村令子 風土 202208
蝸牛よ細枝を戻る術ありや 土井三乙 風土 202208
家父長制知らぬ孤高の蝸牛 久保みどり 京鹿子 202210
最速も遅速もありて蝸牛 ゾナ伊吹之博 京鹿子 202210
記録的豪雨と云ふに蝸牛 廣畑育子 六花 202212
蝸牛雨に打たれて縮みけり 高倉和子 202302
志賀直哉旧居に冬の蝸牛 増成栗人 202304
蝸牛→1

 

2023年6月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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