十二月 6   100句

十二月八日起立する肢が見ゆ   高島茂   暖流

師走 霜月  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
十二月八日を忘れ得ぬ齢 稲畑汀子 ホトトギス 201612
巡回の若き医師団十二月 荒井ハルエ 春燈 201612
十二月八日出窓に哺乳瓶 後藤雅文 船団 201612
鉄板の錆び始め十二月八日未明 東英幸 船団 201612
十二月この世に青く非常口 火箱ひろ 船団 201612
十二月いつも後ろに鬼がゐる 平川陽三 船団 201612
十二月八日手はポケットに入れたまま 本間羊山 風土 201701
一つ押す訂正印や十二月 鈴木庸子 風土 201701
十二月些事も大事も暮れにけり 本間羊山 風土 201701
ひたひたと何か寄せ来る十二月 内山照久 201701
噴水が墓地めいている十二月 早瀬淳一 船団 201701
十二月八日の朝の黒き麺麭 山本喜朗 雨月 201702
十二月の雪負けた石浦颯と立つ 篠田純子 あを 201701
茹卵十二月は雨ばかり 中川句寿夫 あを 201701
市役所に柿たわわなり十二月 赤座典子 あを 201701
病院へ逃げ込む心算十二月 中川句寿夫 あを 201701
開戦日とは悔恨日十二月 大畑善昭 201702
十二月八日階段踏み外す 内山照久 201702
膝を抱く五百羅漢や十二月 岩田洋子 201702
十二月日記の墓を造りたる 田尻勝子 六花 201702
何くれの些事に追はるる十二月 太田慶子 春燈 201702
無為の日の後ろめたさや十二月 佐藤保子 馬醉木 201703
庫裡裏の束の帚や十二月 布施政子 馬醉木 201703
空を見て海見て十二月八日 熊川暁子 201703
十二月気ばかりあせる予定表 野中圭子 京鹿子 201703
通院のめをと弁当十二月 大坪景章 万象 201703
青空によき日和なり十二月 福島せいぎ 万象 201703
付け書院に円空写し十二月 正谷民夫 末黒野 201703
十二月の汽車道けふは向かひ風 正谷民夫 末黒野 201703
十二月大き漬物樽一つ 稲垣佳子 末黒野 201703
テーブルを窓辺に移し十二月 稲垣佳子 末黒野 201703
ひと日また過ぎゆく速さ十二月 大橋晄 雨月 201703
瑞恵の句雨月誌に無く十二月 堀井英子 雨月 201703
吉良公の菩提寺訪ふも十二月 佐藤貞子 雨月 201703
日記書く母九十四の十二月 宮本俊子 雨月 201703
溜息の不意な大きさ十二月 小山陽子 やぶれ傘 201703
十二月八日揉み手を臣何某 荒木甫 201703
ピロティに赤き絨毯十二月 箕輪カオル 201703
大手振るバッカス信者十二月 甕秀麿 201703
存らへし指節固し十二月 田原陽子 201703
十二月七日何故かジム空(す)いてゐる 原田達夫 201703
十二月八日米びつを豊かにす 宮崎高根 201703
レジを打つ店員笑みなき十二月 大島節子 201703
注連縄の強きうねりや十二月 高倉和子 201703
メモ書きの仕事の手順十二月 遠山のり子 201704
プライドを天麩羅にして十二月 久保夢女 201704
十二月書き消す跡へ予定また 森清堯 末黒野 201704
炊飯器に入りっぱなし十二月 佐藤喜孝 あを 201703
もう開き直るしかなく十二月 山田閏子 ホトトギス 201705
近道のつもりが迷ひ十二月 河野美奇 ホトトギス 201705
十二月八日の朝の素手素足 中川句寿夫 ここのもん 201705
十二月八日温めて足のつぼ 中川句寿夫 ここのもん 201705
処方箋の薬よく効く十二月 正谷民夫 末黒野 201705
追はるる日ばかりでもなし十二月 木村享史 ホトトギス 201707
地下街に方位失ふ十二月 角野良生 201706
尻もちも大福もちも十二月 坪内稔典 船団 201707
十二月忽ち過ぎてはや半ば 稲畑汀子 ホトトギス 201712
十二月開き直つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201712
湯煙りの別府の町や十二月 大日向幸江 あを 201712
仲見世の裏行く癖も十二月 石川桂郎 風土 201712
影といふもののやさしき十二月 沼田巴字 京鹿子 201712
灸られて竹の泡立つ十二月 吉田政江 201802
棟梁の掌は聴診器十二月 甲州千草 201802
夕刊の干反りさびしき十二月 柴崎英子 201802
波音のはかなし十二月八日 岡本秀子 201802
十二月使ひ切っても足りぬ時 山田天 雨月 201802
写経後の法話身にしむ十二月 荻野周子 雨月 201802
十二月八日苦き昭和史振り返る 川村欽子 雨月 201802
佐賀錦焼物求め十二月 石森理和 あを 201802
ガラガラと建築資材十二月 石森理和 あを 201802
日に一句とぎれとぎれの十二月 七郎衛門吉保 あを 201802
雑魚売の成田参道十二月 石橋邦子 春燈 201802
リハビリの書き込み増ゆる十二月 落合絹代 風土 201802
十字屋に楽器犇めく十二月 笹村恵美子 201803
電気ノコ唸つて唸つて十二月 辻水音 201803
ほうじ茶と木屑の匂い十二月 波戸辺のばら 201803
非常食のパン買ひ替ふる十二月 大島寛治 雨月 201803
ひととせのすでに茫たり十二月 浅井青二 雨月 201803
小走りに家路急ぐも十二月 服部珠子 雨月 201803
街路樹は青き電飾十二月 服部珠子 雨月 201803
免許証返すべきかや十二月 岡村彩里 雨月 201803
実印を真つすぐに押す十二月 村田あを衣 京鹿子 201803
大炊殿に火の神祀る十二月 中村洋子 風土 201803
身のうちの喪が抜けきらず十二月 橋添やよひ 風土 201803
十二月柱時計を掛け直す 布施まさ子 風土 201803
人波が街を動かす十二月 大谷昌子 馬醉木 201803
十二月老女二人は酒さげて 大坪景章 万象 201803
十二月八日北より難波船 小林愛子 万象 201803
終はりあることの嬉しき十二月 鈴木光影 201803
手のひらの皺の深さも十二月 磯貝尚孝 清閑 201804
あれあれと言ふ間に早も十二月 大橋晄 雨月 201804
風呂敷に包み込まざる十二月 七條節子 京鹿子 201804
先延ばしの約ばかり増え十二月 森清堯 末黒野 201804
子の家の近くに移り十二月 戸栗末廣 201803
盛り塩の黒ずんでゐる十二月 高倉和子 201804
ジェラートのメニュー指さす十二月 平井奇散人 船団 201805
スリッパにいつか左右や十二月 角野良生 201806
競走馬の睫毛の砂や十二月 田中とし江 201806
十二月づかづかと来るカレンダー 永淵惠子 201806
電話ボックス営業してます十二月 東英幸 船団 201809
十二月→7      

 

2020年12月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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