十二月 7     111句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日のあたる二階の句座や十二月 宮川みね子 風土 201901
十二月八日鍬の楔を打ちにけり 藤森すみれ 201902
十二月八日身ぬちに滾るもの 千田百里 201902
十二月八日の朝のラジオ聴く 石谷淳子 雨月 201902
十二月ゆるやかに雲行き違ひ 田中佐知子 風土 201902
十二月すでに供花ある父母の墓 田中佐知子 風土 201902
アタマとカラダこんがらがって十二月 松井季湖 201903
仲見世の裏に日のある十二月 大崎紀夫 やぶれ傘 201903
伐り積みの竹の青さや十二月 岡田史女 末黒野 201903
父母遠しわが誕生の十二月 松本三千夫 末黒野 201903
夫逝きし齢追ひ越し十二月 和田絢子 春燈 201903
十二月村に小さな美術館 小林共代 風土 201903
身辺を少し片すも十二月 田村すゝむ 風土 201903
美容師の鏡の奥の十二月 村田あを衣 京鹿子 201903
サルビア赤しまだまだ赤く十二月 たかはしすなお 201903
通行止めの立札に逢ふ十二月 萩原久代 やぶれ傘 201904
何か手に持たねばさみし十二月 直江裕子 京鹿子 201904
娘らの机捨てけり十二月 柴崎和夫 やぶれ傘 201904
チェーンソーの音がいきなり十二月 原友子 201904
十二月病む妻の手のあたたかし 荒川心星 201904
気がかりな病も抜けし十二月 吉宇田麻衣 201905
十二月に染むや孤影のジョン・レノン 中川のぼる 201905
十二月八日の記憶冬の雷 中川源北 201905
湯気立てて仔牛生まるる十二月 角野良生 201906
いま打つた釘が抜けない十二月 角野良生 201907
湯気上げて走る悍馬や十二月 むつみ蓮 201907
十二月魔物に追はれゐるやうな 押田裕見子 201907
十二月空堀に石投げてみる 森祐司 201910
看護師の声乾き気味十二月 七郎衛門吉保 あを 202001
削るほど紅さす板や十二月 能村登四郎 202001
地球儀を欲りつつ過ぐる十二月 田中藤穂 あを 202002
身支度の夢を見てゐる十二月 篠田大佳 あを 202002
とりあへず鍋に水張り十二月 佐藤喜孝 あを 202002
挙式省略指輪光らせ十二月 中原吟子 雨月 202002
予防接種の列整へて十二月 石井美智子 風土 202002
十二月八日はジョンレノンの忌 田村すゝむ 風土 202002
無惨てふ星の数かな十二月 木村嘉男 202002
建前の木遣朗朗十二月 秋川泉 あを 202002
客引の少女手を振る十二月 篠田大佳 あを 202002
それぞれに散財十二月の伊勢丹 つじあきこ 202003
君ひとつわたしはみっつ十二月 たかはしすなお 202003
十二月試験の出来にほくそえむ 林田麻裕 202003
十二月心ばかりが先走る 米山寿々代 雨月 202003
宙吊りにはじまる歌舞伎十二月 落合絹代 雨月 202003
かける電話かかる電話や十二月 三上程子 風聴くや 202003
身ほとりに不幸のなくて十二月 池乗恵美子 末黒野 202003
十二月友の舞台の第九聞く 沼崎千枝 末黒野 202003
梢まで星の近づく十二月 小坂尚子 202003
抽斗に覚えなき鍵十二月 小坂尚子 202003
三色の菜箸を買ふ十二月 野村昌代 202003
一些事に一つの仔細十二月 林すみ 京鹿子 202003
本堂の横の消火器十二月 中村洋子 風土 202004
片付くる棚に物増し十二月 廣田幸子 末黒野 202004
魚捌く水の勢ひ十二月 高倉和子 202005
誰しもが歩幅のかはる十二月 松下道臣 202005
あんパンヘ歩いているよ十二月 坪内稔典 船団 202006
朝市に縦の木売られ十二月 石井美智子 風土 202011
映るものありて水面の十二月 稲畑汀子 ホトトギス 202012
十二月てふ言の葉に戦けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
町医者の注射ふるへて十二月 篠田大佳 あを 202012
抽斗に覚えなき鍵十二月 小坂尚子 202101
たこやきのすこししぼんで十二月 今井肖子 ホトトギス 202101
孤食にも馴れて一年十二月 飯塚トシ子 202101
十二月八日の日記短くて 小島良子 202102
魚より魚影の迅し十二月 小島良子 202102
霜の墓誌なぞりて十二月八日 武田未有 202102
十二月修道院の掲示板 森なほ子 あを 202102
人さし指のかすかに曲がる十二月 吉澤恵美子 春燈 202103
十二月ひと日とつとと昏れてゐる 太田慶子 春燈 202103
堰落つる水音細き十二月 鬼頭博 春燈 202103
病院の迷路に慣れて十二月 大槻祐二 春燈 202103
吊革や一人一人の十二月 吉清和代 202103
十二月八日の蠅が壁にゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 202103
パソコンに日差しの届く十二月 廣瀬雅男 やぶれ傘 202103
巻き尺のいつきに戻る十二月 有賀昌子 やぶれ傘 202103
下枝に日の届きをり十二月 武藤節子 やぶれ傘 202103
こまごまと物頼まるる十二月 岩藤礼子 やぶれ傘 202103
隠棲は破調を厭ふ十二月 元橋孝之 京鹿子 202104
十二月→ 1
十二月まだ見ぬものに冬の水 佐藤竹僊 あを 202201
エレベーターに滑り込んだる十二月 谷口摩耶 202201
竹殺し箍結ふ樽や十二月 能村研三 202202
十二月八日マークシートを塗りつぶす 細川洋子 202202
積み上げし本の断面十二月 栗坪和子 202202
ほどく紐括る紐あり十二月 関根瑶華 202202
十二月もう一年が終るのか 田中藤穂 あを 202202
火の色と昭和を恋うて十二月 森なほ子 あを 202202
比喩上のはたらきばちの十二月 篠田大佳 あを 202202
日暮里の空の青さや十二月 石橋邦子 春燈 202202
生き方論の書肆にあふるる十二月 山下健治 春燈 202202
イエローズ・マターのコール十二月 竪山道助 風土 202202
心療内科あとは歯科医へ十二月 山田暢子 風土 202202
見えぬもの見んと背を伸す十二月 小林輝子 風土 202202
雲に雲重ねて十二月八日 西川保子 春燈 202203
十二月八日東京の灯の明々と 木村傘休 春燈 202203
ヘミングウェイてふ艀の風や十二月 小嶋恵美 春燈 202203
隣家より男の声や十二月 三宅文子 春燈 202203
十二月八日の軍国少年九十歳 佐藤忠 春燈 202203
人忙し水はしづかに十二月 小林文良 春燈 202203
八つ橋の肉桂の香も十二月 門伝史会 風土 202203
トラックの根巻の樅や十二月 上月智子 末黒野 202203
街中の時が螺子巻く十二月 菊池和子 京鹿子 202203
十二月いづこに失せし耳飾り 佐藤千恵 京鹿子 202203
判断に間違ひもあり十二月八日 遠山悟史 京鹿子 202203
からだまだ立ち止まりゐる十二月 上野紫泉 京鹿子 202203
パソコンにめごい寅選る十二月 布川孝子 京鹿子 202204
道にあるマスクそのまま十二月 佐藤竹僊 あを 202206
ガジュマルの根を見て飽かず十二月 服部早苗 202208
十二月八日押し合ふ海と川 戸栗末廣 202208
空箱にしまふ空箱十二月 角野良生 202210
人も街も黒ずんでゆく十二月 森田明成 202210
忽ちに似たる葱の字十二月 塙誠一郎 家系図 202211
 

 

2022年12月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。