十二月 4    117句

十二月八日起立する肢が見ゆ   高島茂   暖流

師走 霜月  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
十二月八日と気づく朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201012
これ以上祝日いらぬ十二月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
十二月待てど暮せど来ないバス 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
赤ばかり街に溢れて十二月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
十二月駅の鏡にちらと我 鷹羽狩行 201012
縁といふ不思議な重さ十二月 布川直幸 201012
内湯より銭湯がよし十二月 木村茂登子 あを 201012
エレベーターは奈落へどこも十二月 堀内一郎 あを 201101
十二月八日食パン賞味期限切れ 中村ふく子 201102
振込みのミシン目剥がす十二月 伊東和子 201102
震へてるメールの絵文字十二月 和田森早苗 201102
星屑を風の置きゆく十二月 神田恵琳 春燈 201102
十二月雑沓にゐて目の渇く 神蔵器 風土 201102
十二月銀座通りに僧立てり 佐野つたえ 風土 201102
ひとり身の自由不自由十二月 望月晴美 201102
街騒のなかにイマジン十二月 楠原幹子 201102
十二月八日その年に生まれけり 楠原幹子 201102
折れ釘に袖取らるるも十二月 森岡正作 201102
籤売の正で数へる十二月 松井志津子 201102
十二月八日釦かファスナーか 和田満水 201102
塩昆布と白湯の相性十二月 中山純子 万象 201102
砂船のつくる波見て十二月 蘭定かず子 火星 201102
色の名のあまたある国十二月 空音 六花 201102
根の深き草むしりをり十二月 島崎勇作 酸漿 201102
十二月ふはふはふはのホームレス 佐藤喜孝 あを 201102
十二月葡萄に房の小指ほど 森理和 あを 201102
熊避けの鈴を鳴らして十二月 須賀敏子 あを 201102
姉ひとり深くねむりし十二月 須賀敏子 あを 201102
十二月くさめのへたな男かな 木村茂登子 あを 201102
書に挟む写真一枚十二月 芝尚子 あを 201102
計画を立てただけなり十二月 長崎桂子 あを 201102
朝の日の部屋突き抜ける十二月 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
のびのびになりし返信十二月 秋葉貞子 やぶれ傘 201102
ひたすらに人を追ひ行く十二月 大島みよし 201103
人なべて歩幅の詰る十二月 辻佳子 馬醉木 201103
十二月八日戦争を知らぬ子と 小林のり人 春燈 201103
待つことに刻すごしけり十二月 西岡啓子 春燈 201103
血球の癌暴れ出す十二月 高根照子 201103
牛舌とブロッコリーや十二月 石脇みはる 201103
十二月発光体のビルの街 中野京子 201103
「イマジン」の流るる十二月八日 竹久みなみ 風土 201103
MRI地下工事の音十二月 竹久みなみ 風土 201103
十二月障子の穴にひかり射し 中山純子 万象 201103
赤松の幹のしめりや十二月 吉村光子 万象 201103
十二月朝ひとすぢの飛行機雲 東秋茄子 京鹿子 201103
枳は棘の木となり十二月 杉浦典子 火星 201103
十二月天理の駅のおざぶとん 城孝子 火星 201103
電飾のボートに遡上十二月 本城布沙女 雨月 201103
神木の注連のゆるびも十二月 西村しげ子 雨月 201103
十二月八日のこころ憂国に 水谷靖 雨月 201103
老人館にも電飾の十二月 山口博通 ぐろっけ 201103
忘れたきことほど鮮明十二月 山崎@青史 ろんど 201103
山里はけぶりの中の十二月 松木ひろ ろんど 201103
幸せやでも淋しくて十二月 覚本秀子 ろんど 201103
十二月松に鋏の音ありぬ 北村淳子 ろんど 201103
土鈴売る老爺の髭や十二月 飯田角子 酸漿 201103
古里の星美しき十二月 岡久枝 酸漿 201103
夫の忌も過ぎてたちまち十二月 今井千鶴子 ホトトギス 201104
娘の声のとんがつてをる十二月 近藤紀子 201104
駅を出て身震ひひとつ十二月 久世孝雄 やぶれ傘 201104
塾頭の咆哮している十二月 貝森光洋 六花 201104
書き順の不慣れな漢字十二月 松本文一郎 六花 201104
たましひを買ひに出でたり十二月 大西順子 ろんど 201104
十二月空に星なく街に星 能美昌二郎 201104
尋常に忘れし十二月八日かな 加茂達彌 201105
ものの上ものの下など十二月 中原幸子 船団 201107
金襴に死者のこんもり十二月 山尾玉藻 火星 201111
どこでもいい横になりたし十二月 ことり 六花 201112
有漏と生き靴の片減る十二月 鷹崎由未子 花野 201112
藁を綯ふ深き皺の手十二月 加舎廣子 京鹿子 201201
紙風船孫への土産十二月 田中藤穂 あを 201201
箕を煽り豆幹とばす十二月 長崎桂子 あを 201201
十二月八日蝋涙の片流れ 千田百里 201202
大川の手裏剣びかり十二月 細川洋子 201202
腕を組み年金者ゆく十二月 鴨下昭 201202
一年を生きし顔見る十二月 四條進 201202
書き乱る句帳終はりぬ十二月 四條進 201202
一年の自賛句一つ十二月 四條進 201202
幾たびの十二月八日ただ寒し 安立公彦 春燈 201202
十二月サーカス棟の建ち上り 岸本林立 雨月 201202
たてよこに書店をあるく十二月 城孝子 火星 201202
石畳踏んで馬場まで十二月 飯塚ゑ子 火星 201202
十二月犬枇杷黒く熟れゐたり 渡邉美保 火星 201202
あれこれと帳尻合はせ十二月 小西和子 201203
MRl暫し異界の十二月 座古稔子 201203
門前に禄高掲げ十二月 柴田志津子 201203
十二月八日真赤な月の昇りけり 宮沢治子 春燈 201203
電飾の樹々のふくらむ十二月 加藤峰子 201203
知恵の輪をひとつほぐせり十二月 荒木甫 201203
十二月八日の雨に濡れてをり 荒木甫 201203
小気味よくとぢる蝦蟇口十二月 箕輪カオル 201203
シナモンの香の十二月あたたかし 高田令子 201203
十二月八日の海を見てゐたり 石田きよし 201203
十二月八日ハワイの鮨を食ふ 近藤ともひろ ろんど 201203
十二月紙をばらして紙の嵩 河村啓花 ろんど 201203
突き崩す燠うつくしや十二月 蘭定かず子 火星 201203
十二月何か燃しゐる夫の背 奥田順子 火星 201203
大佛の胎内ぬくし十二月 井上淳子 火星 201203
十二月浅黄の幕の振り落し 緒方佳子 火星 201203
樹の中を水の流るる十二月 大島翠木 201203
月食の全き容十二月 岩下芳子 201203
薬袋の嵩張つてをり十二月 代田青鳥 風土 201203
地球儀を買ふ十二月八日なり 代田青鳥 風土 201203
イマジンの流るる十二月八日 森田節子 風土 201203
独り掃き独り焚きをり十二月 高野春子 京鹿子 201203
五百円硬貨の預金十二月 中田寿子 ぐろっけ 201203
本誌より付録厚しよ十二月 博多永楽 雨月 201203

長女脳腫瘍にて手術

手術後の睡れる顔や十二月

松橋利雄 光陰 201203
電飾の樹の幹暗し十二月 高倉和子 夜のプール 201203
十二月丸もいびつも真珠玉 陽山道子 船団 201203
日のいろの白きをあふぐ十二月 大崎紀夫 やぶれ傘 201203
人波をはづれ人見て十二月 今井千鶴子 ホトトギス 201204
街騒のまだよそよそし十二月 橋本くに彦 ホトトギス 201204
鉄槌を打ち込む大地十二月 吉田葎 201204
十二月何せんと立ち上りたる 柳生千枝子 火星 201204
十二月暇を余して鍋研く 児玉有希 京鹿子 201204
空き家なりし隣家に火影十二月 酒井秀郎 返り花 201211
十二月→ 5      

 

2020年12月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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