十六夜 2    86句

十六夜もまだ更科の郡かな    芭蕉

十六夜  いざよひ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
十六夜や端座女人の薩摩琵琶 正谷民夫 末黒野 201404
十六夜の客を待ちゐる占ひ師 森岡正作 201411
十六夜の雨ほとほとと戸を叩く 伊藤和子 201412
十六夜の月の懸れる欅かな 新谷フクヱ 末黒野 201412
寝そびれて十六夜の月窓に置く 原田しずえ 万象 201412
十六夜の月光濯ぐ濁世かな 池内結 ろんど 201412
十六夜や出す宛のなき手紙書く 神戸京子 ろんど 201412
十六夜の出を待つ電話鎮守より 熊谷ふみを ろんど 201412
十六夜や観音竹の葉のさやぎ 寺沢千都子 万象 201412
十六夜や窓辺にちらり猫の耳 波戸辺のばら 201412
叢雲や十六夜の月ほの見えて

赤松赤彦

六花 201412
十六夜や寺坊の絶えし男山 深澤鱶 火星 201412
十六夜の月のやさしき息遣い 貝森光洋 六花 201412
十六夜の月をみがくや虫の声 菊谷潔 六花 201412
十六夜や凭れる柱ありてこそ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
十六夜に濡るる家路や石畳 石黒興平 末黒野 201501
十六夜の形見に賜ふ黒茶盌 内藤静 風土 201501
十六夜の見下す衆生鳴動す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
十六夜のスーパームーンてふ憂ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
十六夜や父の命日てふ縁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
十六夜に押されて入る飲み屋かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
十六夜の月影ほのと匂ひけり 今井肖子 ホトトギス 201510
十六夜無月竹の葉ずれのはつかにて 渡邊千枝子 馬醉木 201511
十六夜や昔の恋は文を書き 三宅文子 春燈 201511
印南や後の十六夜月上げて 山田六甲 六花 201511
十六夜の霧に悲しみ置いてくる 塩貝朱千 京鹿子 201512
常ならぬ十六夜仰ぐ二度三度 大橋晄 雨月 201512
十六夜や月に余白のなかりけり 来海雅子 201601
十六夜や鏡のごとく澄むこころ 池田光子 201601
十六夜や雑木林の隙間より 山田佳子 201601
十六夜や海の底より平家琵琶 成瀬櫻桃子 春燈 201601
十六夜や逢ひたきときに逢へぬもの 和田華凛 ホトトギス 201602
籠もり沼に十六夜の月隠しおく 直江裕子 京鹿子 201602
十六夜の月や竹田の子守唄 新谷フクヱ 末黒野 201602
十六夜の家居叶ひし旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 201609
十六夜や昨日は確かワンピース つじあきこ 201612
十六夜の月に呼吸を合はせたり 平野みち代 201701
十六夜の里の影濃し静心 芦田しずく 京鹿子 201701
十六夜や雲退くる山の風 森清信子 末黒野 201702
十六夜の琥珀ひとつを身につけて 陽山道子 船団 201707
十六夜の雌岡山を離る印南かな 山田六甲 六花 201710
十六夜のベストセラーの動悸かな 鷺山珀眉 京鹿子 201711
十六夜や晩年の眉くつきりと 塩貝朱千 京鹿子 201712
十六夜や湖底の宮に鈴の音 岡本尚子 風土 201712
十六夜や礁は浮沈たのしめる 千田百里 201712
十六夜や問へば応へてくるる本 高橋道子 201712
十六夜や渚に波打つ音尽きず 海村禮子 春燈 201801
ふつくらと豆炊きあがる十六夜 荒井ハルエ 春燈 201801
十六夜や幾度も仰ぐ窓明り 落合裕子 万象 201801
十六夜や豆やはらかく煮上がりぬ 本郷公子 京鹿子 201801
十六夜の寺より赤ん坊の声 戸栗末廣 201803
十六夜の月にいざよふ波頭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
十六夜を待つ君を待つ心もて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
十六夜に近付いてゆく空の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
十六夜生くるかぎりの孝不孝 鷹崎由未子 春燈 201811
十六夜に祈る夭折の子の未来 中山未奈藻 201905
十六夜や電車往き来のガード上 渡邊孝彦 やぶれ傘 201911
十六夜の月眺めつつ貴腐ワイン 瀬島洒望 やぶれ傘 201911
十六夜や白きドレスがひるがえる たかはしすなお 201912
十六夜の青く仄めく波頭 市ヶ谷洋子 馬醉木 201912
迂闊なり咋夜は十六夜明けの月 ふなかわのりひと 201912
十六夜やパン生地静かに醗酵す 雨村敏子 201912
十六夜やユーチューバーという刹那 波戸辺のばら 201912
停電のしづけさに添ふ十六夜 石田静 202001
十六夜きはだつ星を供として 大川暉美 末黒野 202001
十六夜はフランソア出でてより 丸井巴水 京鹿子 202001
太閤の城十六夜を肩に抱き 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
十六夜や唐墨の香の残る部屋 上村葉子 風土 202012
十六夜や珈琲シュガーひとつ半 上村葉子 風土 202012
十六夜の厨に古るる大黒天 森岡正作 202012
十六夜の名残りの空の青さかな 中村重幸 202012
十六夜の玩具の電車交差して 神野未友紀 202101
十六夜や歩けるところまで歩く 神蔵器 風土 202109
十六夜やパソコン少し休まする 山田暢子 風土 202110
十六夜の人なき浜べ松と在り 安立公彦 春燈 202112
十六夜や狛犬爪を磨きをり 荒井慈 春燈 202112
十六夜の波に隠るるオラショかな 青木幹晴 202112
十六夜やマリアカラスに酔ふ夜更 岡野塁子 末黒野 202201
十六夜や心残りの多過ぎて 小林清彦 末黒野 202201
十六夜の月の鏡に泣く子かな 住田千代子 六花 202201
十六夜の山が年寄る福知山 山田六甲 六花 202210
十六夜の人なき浜べ松と在り 安立公彦 春燈 202212
十六夜や狛犬爪を磨きをり 荒井慈 春燈 202212
十六夜やかすかに軋む蝶番 佐藤千恵 京鹿子 202301
増反田に川の水引く十六夜 眞田忠雄 やぶれ傘 202302
十六夜の月照る火山灰の匂ふ街 上迫和海 ホトトギス 202302
十六夜や心残りの多すぎて 小林清彦 末黒野 202304
十六夜→ 1

2023年10月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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