凍 蝶    178句

凍蝶の落ちたるごとく雪に立つ    前田普羅

凍蝶  蝶凍つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
凍蝶の魂離さざるごとく 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901  
凍蝶の死線に地上二メートル 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901  
凍蝶の風に吹かれて黄泉路へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901  
手eくしやくしや凍蝶現じめせ 中原道夫 銀化 199901  
いざるかに見えて凍蝶翔てざりし 吉田登子 風土 199902  
凍蝶を置けば机の光りだす ふけとしこ 船団 199903  
凍蝶の心音つつむたなごころ 鈴鹿百合子 京鹿子 199905  
凍蝶の凍てたる翅を透かしけり 長沼紫紅 199907  
瘤々の木や凍蝶で胸飾る 桐木榮子 船団 199908  
凍蝶を見しそれよりの夕早し 能村登四郎 芒種 199911  
凍蝶の魂離さざるごとし 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
凍蝶のとり残されし葉陰あり 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
凍蝶の此岸彼岸を分つ風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001  
轍より凍蝶ほろと飛び出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001  
凍蝶の命あるごと風過ぐる 稲畑汀子 ホトトギス 200001  
凍蝶の影の外してありにけり 岡崎るり子 銀化 200002  
凍蝶に刻少しづつ遅れ来る 高浜礼子 円虹 200003  
凍蝶に静寂のかけら落ちゆけり 高浜礼子 円虹 200003  
凍蝶や日の香も土の香も淡し 高浜礼子 円虹 200003  
凍蝶の二枚刃ゆるり空を裂く 赤間真弓 銀化 200003  
凍蝶にプアゾンの影ゆらめいて わたなべじゅんこ 鳥になる 200003  
影ひとつ凍蝶に添ひ続けをり 高浜礼子 円虹 200003  
凍蝶に夜はさざなみのごとく来る 高浜礼子 円虹 200003  
凍蝶の隠れ家となる祠かな 岡和絵 火星 200004  
凍蝶や病みても自我を通しける 朝倉和江 馬醉木 200004  
凍蝶とわたくし響きやすい履歴 田中亜美 海程 200005  
魂ぬけてゐし凍蝶でありにけり 岩瀬操舟 円虹 200005  
凍蝶がいつのまにやら去り遅日 池田澄子 船団 200006  
凍蝶の生も死も秘す曠野かな 長山あや ホトトギス 200006  
凍蝶を解くに阿蘇野の風はまだ 進青亀 円虹 200006  
凍蝶のそのあと翔ちしかと思ふ 蔦三郎 ホトトギス 200006  
凍蝶のたましひのなほさゆれけり 長山あや ホトトギス 200006  
凍蝶や命ほどけてゆく日向 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
凍蝶の吹かるる命消えまじく 稲畑汀子 ホトトギス 200101  
凍蝶の極楽橋にて動きけり 中島陽華 200103  
凍蝶のきしきし渡りゆく暮景 彌榮浩樹 銀化 200103  
飛鳥寺裏凍蝶のあがりけり 立石萌木 雨月 200104  
凍蝶の貼りついてゐし閼伽の桶 岩崎正子 春耕 200104  
風葬のごと凍蝶の姿かな 武政礼子 雨月 200105  
凍蝶の紋にひとすぢ海の色 山田弘子 ホトトギス 200105  
庭去らぬ凍蝶夫の化身とも 鈴木南子 ホトトギス 200105  
凍蝶を庭にかくまひ札所寺 大久保白村 ホトトギス 200105  
凍蝶の舞ふにび色に垂れし空 長谷川弥生 ホトトギス 200105  
寂しからざる凍蝶の世界あり 石倉京子 ホトトギス 200105  
凍蝶のむらさき深き聖廃墟 辻本みえ子 馬醉木 200105  
凍蝶や錆びし鉄路の行き止まり 安藤和子 海程 200105  
凍蝶の旅夢まかせ風まかせ 長谷川弥生 ホトトギス 200105  
凍蝶の命覚むるを子の言へり 石倉京子 ホトトギス 200105  
凍蝶の夢の絶え間か翅うごく 山田弘子 ホトトギス 200105  
凍蝶に屋上の庭ありにけり 大久保白村 ホトトギス 200105  
凍蝶の飛んで鳥獣保護区かな 大久保白村 ホトトギス 200105  
凍蝶の迫りくるもの悟り舞ふ 長谷川弥生 ホトトギス 200105  
凍蝶の如くに夫の逝きにけり 成嶋いはほ ホトトギス 200105  
凍蝶の翅は沃野の記憶もつ 石倉京子 ホトトギス 200105  
凍蝶になほ惜しみたる生命かな 伊藤とし女 ホトトギス 200108  
戸を繰れば凍蝶はらり目の前に 鎌倉喜久恵 あを 200202  
凍蝶の意志があるなら翔んでみな 松山律子 六花 200202  
凍蝶に展翅の痕のなかりけり 松本康司 銀化 200202  
凍蝶の眠る花鉢窓の中 大塚まや 京鹿子 200202  
風の夜は吾凍蝶となり眠る 山田弘子 円虹 200203  
凍蝶の日溜りに来て動かざる 大平保子 いろり 200203  
凍蝶のいはばカフカのやうな貌 ハルツォーク洋子 銀化 200203  
凍蝶や箔塵まとふ妻の指 高島鷄子 馬醉木 200203  
木漏れ日の今日も届かぬ凍蝶に 小島左京 ホトトギス 200204  
凍蝶の命あづけて神の森 村田明子 円虹 200205  
凍蝶に微光ひとすぢ午後に入る 高橋さえ子 200206  
凍蝶の命しづかに抱かるる 稲畑汀子 ホトトギス 200301 悼 川口咲子様
凍蝶や御免蒙る二の舞は 中原道夫 銀化 200301  
凍蝶の日に抱かれし命はも 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
凍蝶にK水引の帶を解く 中原道夫 銀化 200302  
夜空あり開きつぱなしの凍蝶あり 櫂未知子 銀化 200302  
手を合はすごとく凍蝶翅たたむ 板倉幸子 築港 200303  
伯爵夫人凍蝶を看取るかな 波多洋子 銀化 200303  
凍蝶が羽根を合はせしまま死せり 市橋幸代 築港 200304  
凍蝶の動かぬままに日当りぬ 元山富代 200304  
凍蝶にあと一寸の朝日かな 近藤幸三郎 風土 200304  
凍蝶となるべくひたに翅合はせ 佐藤たか 200304  
大いなるものに凍蝶従ひぬ 今橋眞理子 ホトトギス 200306  
磁場ありて凍蝶そこを動かざる 水野恒彦 200312  
凍蝶を抱き止めて草雫せり 岩木茂 風土 200402  
凍蝶の翅を拡げていのち絶ゆ 徳田正樹 河鹿 200403  
凍蝶の日だまりを翔つ気配かな 荒井和昭 200404  
凍蝶の終の水輪となりにけり 清水晃子 遠嶺 200404  
凍蝶の飛ぶと見えしはたましひか 岩崎慶子 200405  
凍蝶の恋に終止符仁王門 中野英歩 八千草 200407  
凍蝶と暫し試練の時過ごす 漢隆司 八千草 200407  
凍蝶の男結びに眠りおり 中野英歩 八千草 200407  
凍蝶の夢海原を行く白帆 小澤克己 遠嶺 200501  
凍蝶を見てより後の麦粒腫 須佐薫子 帆船 200503  
凍蝶や城門を入るをんなごゑ 淵脇護 河鹿 200503  
凍蝶の最期の息を葉に載せて 水野範子 ぐろっけ 200505  
凍蝶と今日の日差しをいとほしむ 内田稔 遠嶺 200505  
凍蝶や草臥れ顔はして居れぬ 山元志津子 八千草 200507  
凍蝶や昔むかしの着物(べべ)を着て 竹内悦子 200601  
凍蝶のこゑか時折耳鳴りす 八木柊一郎 ぐろっけ 200603  
凍蝶やうまく結べぬ靴の紐 近藤幸三郎 風土 200603  
凍蝶にひよいと出くはす旅の僧 林日圓 京鹿子 200603  
凍蝶の瞬いてから点く記憶 林昭太郎 200604  
凍蝶に旦暮のおもひかぶせ置き 外川玲子 風土 200604  
凍蝶に近づき指を触れずゐる 野口孝子 栴檀 200605  
凍蝶に神の恵みの日の少し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
凍蝶に極楽浄土ありやなし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
凍蝶の矜持つらぬき通したる あさなが捷 200705  
凍蝶の日高くなりて無かりけり 瀧春一 200706  
凍蝶にふれしは誰ぞ微塵かな 神蔵器 風土 200802  
凍蝶の気息わづかに羽動く 鎌倉喜久恵 あを 200802  
おばしまに凍蝶といふ毀れもの 吉田明子 200803  
凍蝶のはらわたまでの色好み 小形さとる 200803  
凍蝶のいま四次元の翅づかひ 栃内和江 200803  
地下に堕ちし凍蝶正に尊厳死 辰巳比呂史 200804  
凍蝶や大きなかほの飛鳥佛 城孝子 火星 200804  
凍蝶に呪文をかけてみたくなり 宮倉浅子 遠嶺 200805  
凍蝶のいのちしづかに葉に縋る 水谷芳子 雨月 200805  
凍蝶に日差しの及ぶ観音堂 首藤知茂 200805  
まぼろしか凍蝶ふっと飛び立つは 大石喜美子 雨月 200805  
凍蝶の動かぬことに人は彳ち 嶋田一歩 ホトトギス 200806  
凍蝶の触れてくづるるかとも見え 嶋田一歩 ホトトギス 200806  
凍蝶と思ふが飛べよとも思ふ 嶋田一歩 ホトトギス 200806  
凍蝶や死して姿を正しうす 木下忠雄 酸漿 200901  
凍蝶に山椒の刺ばかりなり 鈴木多枝子 あを 200901  
凍蝶となりて座禅の行を組む 小澤克己 遠嶺 200903  
凍蝶や旅の終りの翅たたみ 千田百里 200903  
凍蝶の思羽立ててゐる地べた 中村恭子 200903  
凍蝶や今どのあたりどの花に 久津見風牛 200904  
凍蝶に音のしづもる夜明なり 水野恒彦 200904  
凍蝶を包みし朝のひかりかな 遠藤和彦 遠嶺 200905  
凍蝶の乾くのんどを鳴らしをり 久津見風牛 201002  
凍蝶の岩に夕日のとどまれり 遠藤和彦 遠嶺 201003  
凍蝶の放下の姿美しく 久津見風牛 201003  
凍蝶の石のひとつに夢をみる 木山杏理 京鹿子 201003  
凍蝶に日の当たりをる痛みかな 辻美奈子 201003  
日輪を恋ひ凍蝶の飛びあがる 吉田順子 201004  
凍蝶を囲みて声を低くせり 秋千晴 201004  
凍蝶や日中(ひなか)に越さむ峠道 佐々木新 春燈 201004  
凍蝶の翅を合はせてゐたりけり 笠置早苗 火星 201004  
凍蝶の合はする翅の黒ごろも 工藤ミネ子 風土 201004  
凍蝶や空地のままの十五年 山田佳乃 ホトトギス 201006  
凍蝶に加勢の息となつてゐし 岩垣子鹿 ホトトギス 201006  
凍蝶の家紋のごとくありにけり 森岡正作 201102  
凍蝶の風に耐へゐていつくしき 花田心作 201103  
凍蝶の朝日の中にうごめきぬ 池田いつ子 酸漿 201104  
凍蝶の空を忘れしごとくゐる 浅田光代 風土 201104  
凍蝶や崑崙の玉胸に抱き 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
眠るべしかの凍蝶を夢に舞はせ 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
凍蝶になまじ薄日のさしにけり 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
凍蝶の日に舞ふ願潰えしか 安原葉 ホトトギス 201106  
凍蝶とみしがうごきて飛び立てり 田中藤穂 あを 201112  
凍蝶や己信じて神任せ 宮井知英 201203  
夢の世か若草山の凍蝶は 藤澤陽子 201204  
深呼吸して凍蝶の粉微塵 神蔵器 風土 201204  
凍蝶を犬が見つくる葉陰かな 佐藤喜仙 かさね 201207  
凍蝶のふるへる翅を閉ぢ合はす 佐津のぼる 六花 201302  
日の差して凍蝶すこし震へけり 原友子 201302  
凍蝶のはつと二翅のありしこと 直江裕子 京鹿子 201304  
虚空より腕が出凍蝶をつかむ 有松洋子 201403  
凍蝶の翅ふるへゐる先に川 大崎紀夫 やぶれ傘 201403  
凍蝶の眼は閉ぢてゐるのだらうか 山本孝子 ろんど 201403  
凍蝶のしろがね色の白日夢 大日向幸江 あを 201403  
凍蝶のいつの間に向き変はりたる 楠原幹子 201404  
凍蝶に雲は無情に日を閉ざす 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501  
凍蝶や茜染み入る路辺の石 三屋英俊 万象 201503  
日の移る窓の凍蝶みじろがず 西川みほ 末黒野 201505  
凍蝶に風の素通りしてゆきし 稲畑汀子 ホトトギス 201601  
凍蝶に触れて節介咎めらる 藤岡紫水 京鹿子 201603  
凍蝶やいまだ未知なる穹の果て 水野恒彦 201603  
凍蝶の眼になほも光りあり 成田美代 201603  
土になるために凍蝶翅たたむ 田村園子 201605  
凍蝶へ怖々と手を触れてみる 佐藤哲 万象 201702  
凍蝶の一つになれぬ身と心 近藤喜子 201703  
凍蝶の折り目正しく事切れぬ 安斎久英 末黒野 201704  
凍蝶の翔つ一瞬の力見し 片山喜久子 雨月 201704  
凍蝶を喪心にみてをりにけり 笹村政子 六花 201705  
凍蝶のいのちはなるる震へかな えとう樹里 201706  
凍蝶や旅は明日で終る筈 安藤久美子 やぶれ傘 201711  
凍蝶の触るれば微塵となりぬべし 梅村すみを 201803  
凍蝶のこつと展ぐる翅の艶 森清堯 末黒野 201805  
凍蝶を起さぬように柩置く 阪野基道 船団 201806  
凍蝶や夫逝きてより二十七年 宮川みね子 風土 201901  

 

2019年2月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。