冬の鳥      70句

冬の鳥 冬鳥 寒禽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
陽の芝に身じろぎもせず冬の鳥 登坂章一 春耕 199805
樟の木のふかきふところ冬の鳥 鳴海清美 遊び蔓 200105
冬の鳥恐ろしいほど低く飛ぶ 依田昌也 海程 200106
奥つ城の木立は高し冬の鳥 下田水心子 円虹 200203
百姓の血筋ばかりや冬の鳥 下田水心子 円虹 200203
広々と牧高々と冬の鳥 甲斐ゆき子 百鳥 200203
館跡空いつぱいに冬の鳥 小島とよ子 遠嶺 200205
冬の鳥何ぞ短く美しき声 二瓶洋子 六花 200205
手を休め聞くや真冬の鳥の声 大村孝 百鳥 200303
生きるとは絆大事に冬の鳥 阿部正枝 絵具箱 200304
冬の鳥一本脚のものもらひ 佐藤喜孝 青寫眞 200304
流木にさつと降り来し冬の鳥 石平周蛙 対岸 200402
林中の樹影網なす冬の鳥 岡本眸 200412
レールなき余生自在や冬の鳥 九万田一海 河鹿 200504
聞き馴れぬ声に出てみる冬の鳥 稲畑汀子 ホトトギス 200511
冬の鳥鳴き澄む朝でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200512
羽づくろひしてより冬の鳥となる 田中藤穂 あを 200602
冬の鳥冬の林にいのち澄む 吉村たけを 海市蝶 200606
五線譜の不意に動きて冬の鳥 佐々木はな子 遠嶺 200607
餌台を作りて冬の鳥を待つ 平島利男 酸漿 200702
冬の鳥まつ赤な木の実ほしいまま 岡本敬子 万象 200703
断崖は黙貫けり冬の鳥 亀ヶ谷照子 遠嶺 200703
冬の鳥河口に羽を寄せ合へり 犬丸勝子 200805
冬の鳥又庭に来て啄める 稲畑汀子 ホトトギス 200812
大神の杉に宿りし冬の鳥 石脇みはる 200904
冬の鳥みかどいたみて隠岐を出ず 林日圓 京鹿子 200911
わて泳げまへんねんてふ冬の鳥 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
冬の鳥来るおとがひを一つづつ 井上信子 201001
行き止まる水に走り根冬の鳥 柿沼盟子 風土 201002
好ましき距離となりたる冬の鳥 和田政子 201003
蹲踞の水浴ぶ対の冬の鳥 赤座典子 あを 201003
ぽうぽうと高き梢の冬の鳥 高田令子 201004
冬の鳥黙らせてゐる雨しとど 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
冬の鳥首里王城を識りつくす いぶすき幸 万象 201103
冬の鳥鈴なりキウイ啄まず 先山実子 ぐろっけ 201102
冬の鳥狭庭に何を啄むや 稲畑汀子 ホトトギス 201109
掃き寄せるもの啄んで冬の鳥 稲畑汀子 ホトトギス 201112
歩を止めて傾聴となる冬の鳥 山口輝雄 201202
木漏日を啄みゐたる冬の鳥 笹村政子 六花 201202
鳴かざるは吾が気配か冬の鳥 前川明子 201203
ぴちぴちと高みを巡る冬の鳥 赤座典子 あを 201301
早口のお喋りつづく冬の鳥 森理和 あを 201302
夜に入る間合の空を冬の鳥 高倉和子 201302
細やかな楡の木末や冬の鳥 橋本弘子 万象 201403
したたかな口のすべりや冬の鳥 吉弘恭子 あを 201404
餌台になにも残さず冬の鳥 松村光典 やぶれ傘 201406
首沈む戦場とかや冬の鳥 亀井紀子 201406
人違ひされお互ひに冬の鳥 片山煕子 京鹿子 201503
何食うて真白き糞ぞ冬の鳥 飛高隆夫 万象 201503
冬の鳥実を啄みて猛々し 山内洋光 201503
小賀玉の木を飛び立てり冬の鳥 鈴木礼子 末黒野 201503
人違ひされお互ひに冬の鳥 片山煕子 京鹿子 201601
お狩り場の水音小さし冬の鳥 柴田志津子 201603
山椒魚のぞく水底冬の鳥 門伝史会 風土 201701
大筒のカメラが射りし冬の鳥 能村研三 201701
採餌台慣れそで慣れぬ冬の鳥 七郎衛門吉保 あを 201704
駅舎より手の届く湖冬の鳥 中原吟子 雨月 201704
仲良きはほど良き距離の冬の鳥 藤田美耶子 201704
餌を足す庭に親しき冬の鳥 落合裕子 万象 201705
逆光の貌見えざりき冬の鳥 黒滝志麻子 末黒野 201802
赤き実の多き庭苑冬の鳥 加藤静江 末黒野 201803
小魚をくはへ飛びゆく冬の鳥 野口希代志 やぶれ傘 201902
目蓋の縮んでゐたり冬の鳥舎 瀬川公馨 201903
中世の鐘の音に舞ふ冬の鳥 山田佳乃 ホトトギス 201905
行き摩りの町のデジャ・ビユ冬の鳥 卯木堯子 京鹿子 202002
赤き実の多き公園冬の鳥 加藤静江 末黒野 202003
寄り添ふも個を貫くも冬の鳥 三木亨 202103
深淵の水蹴つて翔つ冬の鳥 戸栗末廣 202107
冬の鳥教えてくれた景色あり 吉宇田麻衣 202202
冬の鳥水面褥に動かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212

 

2023年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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