冬の暮      69句

冬の夕 寒暮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御手洗も伏せたる杓も冬の暮 萩原記代 199901
馬刺し食む指うつくしき冬の暮 城孝子 火星 199903
口中に白き歯のあり冬の暮 岡本眸 200002
街灯のやや傾ぎ立つ冬の暮 塩田博久 風土 200003
鉄筆をしびれて放す冬の暮 能村登四郎 200108
古書の値の鉛筆書きや冬の暮 戸田喜久子 200203
青鷺のさし足冬の暮色かな 楠原幹子 200204
膝の子の温みをもらふ冬の暮 土田栄 200204
缶蹴りの缶の残れり冬の暮 丸山敏幸 200304
釣堀の注水伯熄まず冬の暮 岡本眸 200401
稜線は稜線として冬の暮 塩川雄三 築港 200402
冬の暮庭師仕事を終へにけり 加納花子 築港 200402
冬の暮ころべばころぶ影法師 秋岡朝子 200405
冬のくれ暮といふ字は幕に似て 八田木枯 晩紅 200412
不忍池へ音の集る冬の暮 鹿野佳子 200502
爼板に大きな魚冬の暮 木下野生 200503
急逝の使者に棒立ち冬の暮 橋本梢明 200503
朗読はあと一ぺージ冬の暮 高木武人 百鳥 200503
女にはこんな日もある冬の暮 鎌倉喜久恵 あを 200602
冬の暮犬の餌少し温めけり 松田有伽 河鹿 200603
思ひ出すやうに船笛冬の暮 鹿野佳子 200605
瞑目をすること多し冬の暮 瀧青佳 ホトトギス 200606
火の揺れを火のまとめつつ冬の暮 八田木枯 晩紅 200606
書き更けて声を忘れて冬の暮 岡本眸 200611
み仏の截金びかり冬の暮 松波とよ子 春燈 200702
眼を病んで目からはじまる冬の暮 井山佐多 京鹿子 200703
吾には父といふ不思議な冬の暮のごと 八田木枯 晩紅 200704
冬の暮れ風呼び入れて野外能 鴨下昭 200803
瞑りゐるやうな薄紅冬の暮 高橋道子 200803
かへる道みな別別に冬の暮 田中藤穂 あを 200802
けん玉の玉のあかあか冬の暮 齋藤朝比古 炎環 200902
てのひらで目から鼻撫づ冬の暮 佐藤喜孝 あを 200902
本堂の羽子板供養冬の暮れ 渡邉孝彦 やぶれ傘 200903
高橋の風に吹かるる冬の暮 丑久保勲 やぶれ傘 201004
人形を焚く少女居て冬の暮れ 本間春星 遠嶺 201005
葬儀屋のとなりカレー屋冬の暮 吉成美代子 あを 201201
人急ぎ落葉ころがる冬の暮 柳田皓一 かさね 201202
訂正記事書く気欝さの冬の暮 塩田博久 風土 201202
遮断機の向かうへ手を振る冬の暮 福島松子 ぐろっけ 201202
冬の暮何故か鴉の声間のび 早崎泰江 あを 201204
群に遲るるいつもの一駐~の暮 佐藤喜孝 あを 201302
料理本見つつチャーハン冬の暮 高谷栄一 201303
群鴉ねぐら争ふ冬の暮 山本丈夫 201403
太陽が日輪となる冬の暮 根岸善行 風土 201403
公衆電話また一つ消え冬の暮 村上倫子 201501
冬の暮白盛り上げて仙人草 黒澤登美枝 201501
護摩焚きの残り香髪に冬の暮 石川かおり 201502
顔歪めニトロを含む冬の暮れ 塩千恵子 201502
冬の暮屋根の瓦に入る雀 大日向幸江 あを 201502
彩雲のぽあと広がる冬の暮 たかはしすなお 201503
冬の暮草庵すでに水の音 半田稜 ろんど 201503
骨酒の六腑に沁むる冬の暮 竹田ひろ子 ろんど 201503
糠雨に家の灯滲みる冬の暮 布川直幸 201511
非通知の電話の来たる冬の暮 土井三乙 風土 201603
烏かと見ればビニール冬の暮 出口誠 六花 201604
銭湯の長湯楽しむ冬の暮 宮崎他異雅 末黒野 201802
欠伸する人と目の合ふ冬の暮 小山陽子 やぶれ傘 201803
光と影ウチハサボテン冬の暮 伊吹之博 京鹿子 201806
冬の暮砂丘に足跡残しをり 中西厚子 201903
電柱に後側あり冬の暮 小島良子 202003
かき揚を足して蕎麦喰ふ冬の暮 青谷小枝 やぶれ傘 202003
旧道の鈴蘭灯や冬の暮 小島良子 202003
稲荷社の一灯昏し冬の暮 中村洋子 風土 202004
子等帰り独りになりぬ冬の暮 落久保万里 春燈 202103
電飾や心ときめく冬の暮 杉山くみ子 末黒野 202103
かぴかぴに乾くタオルや冬の暮 小山よる やぶれ傘 202103
馬上より愛馬いたはる冬の暮 秋川泉 あを 202202

 

2022年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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