芙 蓉 2          78句

呪ふ人は好きな人なり紅芙蓉    長谷川かな女

酔芙蓉  芙蓉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山ひとつ動かして咲く芙蓉かな 杉本薬王子 風土 201412
芙蓉閉づわれにも同じ刻ながれ 中野あぐり 春燈 201508
連れ立ちてひらく芙蓉の赤と白 大坪景章 万象 201510
遠き記憶今年は咲かぬ白芙蓉 中西明子 京鹿子 201510
水音に迷ひなく白芙蓉咲く 塩貝朱千 京鹿子 201511
門口に子供自転車紅芙蓉 丑久保勲 やぶれ傘 201511
吹かれつつ芙蓉は眠たげにひらく 村上二三 201511
白芙蓉生き急ぐかに咲き継げり 楠原幹子 201511
露坐仏に地震の記憶や白芙蓉 小林和世 201511
はらからの老いても姉妹白芙蓉 石川倜子 馬醉木 201512
風立ちて芙蓉は暮色生みにけり 松田泰子 末黒野 201512
朝ごとにころころ掃かれ散芙蓉 今井千鶴子 ホトトギス 201601
鏡台は母の遺愛よ白芙蓉 上柿照代 馬醉木 201601
白芙蓉ひとり寡黙をとほすなり 亀井福恵 京鹿子 201601
紅芙蓉棟方志功の天女のほほ 木澤惠司 201601
芙蓉咲く高所作業車置き場かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201601
芙蓉の実花の記憶をとぢこむる 小渕二美江 春燈 201601
紅芙蓉札所寺への曲り角 青谷小枝 やぶれ傘 201602
塀越しに芙蓉の花のひとつ見え 有賀昌子 やぶれ傘 201602
芙蓉の実鳴らす海風真砂女の碑 斉藤マキ子 末黒野 201602
白芙蓉母見送りし日のごとく 野畑さゆり 201610
やさしさに色ありとせば芙蓉とも 望月晴美 201611
秘仏見てやすらふ宿や花芙蓉 山田春生 万象 201611
雲かろくなりたる空や白芙蓉 山口千代子 万象 201611
たそがれの芙蓉は花をたたみけり 小山繁子 春燈 201611
シャガールの風の音する白芙蓉 雨村敏子 201612
鉄柵の錆びし僧院白芙蓉 藤沢秀永 201612
白芙蓉ひとり寡黙をとほすなり 亀井福恵 京鹿子 201701
駅逓所なごりの芙蓉揺れてをり 竹重富子 万象 201701
床の間の白き芙蓉の閉ぢかかる 長谷川はるみ 万象 201701
銭湯の自転車置き場紅芙蓉 瀬島洒望 やぶれ傘 201701
天心へゆらりふはりと紅芙蓉 大坪あきら 万象 201710
芙蓉咲き淀川沿ひの古屋敷 細川コマヱ 雨月 201710
白壁の蔵ある屋敷芙蓉咲き 細川コマヱ 雨月 201710
咲き初めし芙蓉少女のはにかみに 岩月優美子 201711
喪主の声芙蓉開くをかたはらに 伊藤希眸 京鹿子 201711
咲き初めの汚れなきかな白芙蓉 村上悦子 雨月 201711
祭神は女神に在す白芙蓉 高塚三枝 馬醉木 201712
淋しさのふつとなごめり芙蓉咲き 望月晴美 201712
紅芙蓉遊行忌へ咲き惜しむなし 中根美保 風土 201712
水影の芙蓉の紅の濃かりけり 笹村政子 六花 201801
やや蕾み加減も雨の芙蓉かな 山田夏子 雨月 201801
一日を白に徹して芙蓉落つ 金森教子 雨月 201801
芙蓉閉づ一日の風を抱きしまま 亀井福恵 京鹿子 201801
芙蓉活け洋室直と和みをり 大橋晄 雨月 201802
誰もゐず芙蓉とだけの午後の刻 成瀬櫻桃子 春燈 201810
子規庵の庭先芙蓉なまめきて 大島寛治 雨月 201811
芙蓉の花碧空に咲き極立てる 手島伸子 雨月 201811
白芙蓉みほとり軽く暮らしけり 鷹崎由未子 春燈 201811
路地奥の茶房を灯す白芙蓉 川合弘子 馬醉木 201812
芙蓉咲く朝の風のやはらかく 早川八重子 末黒野 201812
丘の上一叢芙蓉酔ひてをり 手島伸子 雨月 201901
町医者は祖父の代より白芙蓉 高木嘉久 201910
三姉妹の嫁ぎし家に芙蓉咲く 有賀昌子 やぶれ傘 201911
虫喰の葉の一つなし芙蓉園 加藤北天 雨月 201911
折々の雨に芙蓉の酔ひそびれ 藤岡紫水 京鹿子 201911
駅まではいつもこの道花芙蓉 今村千年 末黒野 201911
濁世に咲き穢れを寄せぬ白芙蓉 松本三千夫 末黒野 201911
在りし日の姉の面影芙蓉咲く 柳田秀子 201911
紅芙蓉今日の供養のために咲く 高木晶子 京鹿子 201911
性善説白のまゝなる白芙蓉 高木晶子 京鹿子 201911
日を受けて紅色映ゆる花芙蓉 加藤北天 雨月 201911
暮れなづむ光に畳む花芙蓉 塩見英子 雨月 201911
友逝きし日の庭に咲く白芙蓉 笹倉さえみ 雨月 201911
拝観に列なす寺の白芙蓉 笹倉さえみ 雨月 201911
芙蓉閉ぢ起伏なき日をよしとする 亀井福恵 京鹿子 201912
芙蓉咲き風の行方へなびきをり 安部和子 雨月 201912
つぎ今度なんてないかも花芙蓉 たかはしすなお 201912
コンクリの割れ目に芙蓉通り雨 仁上博恵 201912
城址へ路地ふた曲り花芙蓉 小林和子 202001
母在さば灯点す頃よ白芙蓉 杉田智榮子 馬醉木 202002
居待月芙蓉はすでに眠りけり 安住敦 春燈 202009
夕映の色たたみゆく白芙蓉 菊地光子 202010
白芙蓉咲きてすぐ閉づ師の遠忌 宮田豊子 春燈 202011
暮れ残る芙蓉の花のほとりかな 小倉陶女 春燈 202011
酔兆す芙蓉や風の夜会服 小林文良 春燈 202011
芙蓉閉づ暮色ひしめく阿弥陀堂 小嶋紘一 末黒野 202011
芙蓉大輪白の一日つつがなく 大山夏子 202011
よき朝のよき顔出会ひ花芙蓉 久保寺眞佐子 末黒野 202012
芙蓉 →1

 

2021年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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