菱の実     44句

菱の花  菱の実

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木暗さに水裏返し菱を取る 山田弘子 円虹 199812
菱の実を噛んで父母遠きかな 山田弘子 円虹 199812
白鳥の波に菱の実はぜにけり 山尾玉藻 火星 199912
菱採りを見てゐる知らぬ同士かな 吉田島江 火星 200001
菱売の菱にかくれし金魚かな 中村七三郎 七三郎句集 200001
菱の実の爆ぜゐて沼の匂ひけり 皆川盤水 春耕 200010
風出でて菱採舟の早や引けり 石野冬青 馬醉木 200012
菱の実の棘を鎧ひて漂へる 金森教子 雨月 200101
菱の実はとがりの先にまず触れて 山本純子 船団 200107
菱の葉のさみしきゆえのたむろ浮き 市場基巳 200108
菱を採る盥の舟にひとりづつ 朝妻力 俳句通信 200109
菱剥いてをりし杭州大飯店 高松由利子 火星 200212
古沼の菱の実採りの盥舟 安陪青人 雨月 200310
菱の実やどうでもいいと云ひだせず あさなが捷 200312
みたような景色のなかを菱枯るる 黒田咲子 200408
干網に菱の殻付く晩夏かな 辻恵美子 栴檀 200410
一の橋二の橋渡り菱もみぢ 川井政子 風土 200412
中継の菱舟やはり転覆す 森田子月 ぐろっけ 200501
掌の幸に弾丸より黒き菱一穎 戸田和子 200501
菱噛んで人生おほかた詰まりたる 淵脇護 河鹿 200501
ひねもすを水と闘ひ菱採女 淵脇護 河鹿 200512
にぎやかに茹菱むいて故郷なり 谷村幸子 200512
陵へ渡る橋なし菱を採る 相川幸代 百鳥 200602
甕の中に育つ菱の実大きかり 谷村幸子 200611
菱採の諸手漕ぎなりたらひ舟 鈴木漱玉 馬醉木 200702
色づきし菱に棹さし月見舟 米澤光子 火星 200712
少年のひと日菱の実採りし川 鈴木阿久 200902
沼を曳くかたちに菱の実を手繰る 清水幸治 200902
菱採りし水面打ち捨てられしやう 柴田佐知子 垂直 200907
菱摘みの夕日ぐらぐら盥舟 竹貫示虹 京鹿子 200909
菱の実や追手を捌く忍者の具 大西よしき ろんど 200911
菱採るやひかりの粒を摘むやうに 川口襄 遠嶺 200912
菱の実の鬼の姿に素なる味 大橋晄 雨月 201101
菱は実にすこしいかつき佐賀ことば 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
沼守の菱の実茹でてくれしかな 鈴木千恵子 万象 201109
菱の実を食べたる記憶塩の味 笠井清佑 201111
天山を北に見上げて菱を摘む 久永つう 瀬戸の海 201203
雨くるか蟻の小走る菱筵 大坪景章 万象 201210
菱の実に水饒舌となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
菱の実や御嶽山は見えずとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
菱舟が小雨の沼を押しゐたり 山尾玉藻 火星 201310
余呉湖畔菱の実流れ着きて居り 手島伸子 雨月 201602
菱の実の水は流れず落城址 和田照海 京鹿子 201811
また釣れてくる菱の実の真黒な 大崎紀夫 やぶれ傘 202111
菱の実の届かぬ枝や風の沼 佐々木澄子 末黒野 202212

 

2023年9月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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