彼 岸 3    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
軽鳧の子の欠けず育ちて彼岸なり 印南美紀子 酸漿 200612
うつし世と彼岸のとばり花吹雪 小泉貴弘 春燈 200704
彼岸あと風の生まるるゑんど畑 山尾玉藻 火星 200705
彼岸会の斎に野のもの山のもの 中村悦子 200705
父母亡き後の彼岸身近や涅槃西風 久保田雪枝 雨月 200705
師の墓地より富士山見ゆる彼岸寒む 松崎鉄之介 200705
お彼岸の道枝分かれしてゐたり 村越化石 200705
お彼岸や孫のみやげに万華鏡 安部里子 あを 200705
法話聞く睡魔のせまる彼岸寺 山本ミツ子 六花 200705
若人が年金語る彼岸寒 斉藤裕子 あを 200705
彼岸の入寒しひととき雪舞ひて 大橋敦子 雨月 200705
煎餅噛みほろと歯こぼる彼岸寒 大橋敦子 雨月 200705
香煙の真直ぐ立ちて彼岸寺 小城綾子 200706
かすがひで止める光背彼岸寺 東福寺碧水 万象 200706
野を出でし「千の風」呼ぶ彼岸かな 有田蟻太 200706
首筋に入る鐘の音や彼岸寒 田中峰雪 雨月 200706
お彼岸の菜屑の煙立ち上がる 戸栗末廣 火星 200706
墓へ来てはらからの宴春彼岸 泉田秋硯 200706
燭ゆらぎ内陣冷ゆる入彼岸 川崎良平 雨月 200706
つややかに古き広縁彼岸寺 長崎桂子 あをかき 200706
先立ちし妻と長男彼岸入り 林日圓 京鹿子 200706
大納言小豆の艶と彼岸入 中山純子 万象 200706
ゆつたりと谷に谺す彼岸鐘 弓場赤松 ぐろっけ 200706
竹林のそよがぬ怖さ彼岸明け 布川直幸 200706
天王寺の膝元に棲み彼岸かな 加藤君子 火星 200707
入り彼岸働き者を訪へり 安田久太朗 遠嶺 200707
彼岸寒埋まることなき席一つ 荒木治代 ぐろっけ 200707
受話器置く指の震へや彼岸寒 山田夏子 雨月 200707
妹と見し母の針箱彼岸参り 府川房江 遠嶺 200707
石垣に風の籠れる彼岸前 木内憲子 200707
里人も称へる彼岸入の富士 大久保白村 ホトトギス 200708
線香の煙むらさき彼岸の陽 中野英歩 八千草 200709
ひらひらとぼたぼたと雪さき彼岸 工藤ミネ子 風土 200711
大雨の洗ふ彼岸の京都駅 生田作 風土 200712
春彼岸胸一杯のありがたう 峰尾秀之 200802
押入れに亡き妻のゐる彼岸入り 竹貫示虹 京鹿子 200803
彼岸てふことに従ふ旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200803
お彼岸もはや夕空の茜いろ 島谷征良 風土 200803
来迎図床の間に掛け彼岸婆 滝沢伊代次 万象 200803
筆巻の筆のはらりと彼岸かな 鷹羽狩行 200804
遠目きく人と彼岸の道を行く 村越化石 200805
彼岸詣そこばくの花師の墓へ 松崎鉄之介 200805
母に似た人に会ひけり春彼岸 鎌倉喜久恵 あを 200805
岩陰に魚の目のある彼岸かな 工藤義夫 馬醉木 200805
地蔵尊のお姿受けて彼岸かな 鈴木榮子 春燈 200805
ひねもすを風音包む彼岸寒 宮津昭彦 200805
婆さまの話ふくらむ彼岸講 佐藤山人 200806
彼岸寺祈る姿を見守られ 戸田和子 200806
彼岸寺裏より風の湧き立てり 山崎靖子 200806
自分史と云ふを頂く彼岸晴 斉藤小夜 風土 200806
初蝶や三歩に足りて彼岸橋 関根洋子 風土 200806
消息の廻りまはり来彼岸過ぎ 北川英子 200806
彼岸過ぎ切株をまた埋む雪 村越化石 200806
「きぼう」てふ宇宙と会話春彼岸 鈴木照子 200806
折りたたみ椅子の一日の彼岸かな 金澤明子 200806
喰みこぼす加賀落雁や春彼岸 上林孝子 200806
長姉のみ残る五姉妹彼岸寒む 室伏やすし 200806
ひやひやと彼岸の数珠をまさぐれり 久津見風牛 200806
彼岸鳩顔見知りやも傍に来る 加藤君子 火星 200807
先に来て遅れて帰る彼岸墓 佐々木良玄 春燈 200807
誰彼にかろき挨拶彼岸道 関根洋子 風土 200807
彼岸道刈られ紀の海展けたり 小山漂葉 酸漿 200811
彼岸前夕日近づく三の杉 阿部ひろし 酸漿 200904
何時の間に生き過ぎをりし彼岸かな 長谷川照子 春燈 200904
橋脚を洗ふ遡上の彼岸潮 能村研三 200904
吟遊す彼岸団子も作らずに 品川鈴子 ぐろっけ 200904
一念一歩齢刻むや彼岸みち 徳永辰雄 春燈 200905
ティータイム暑さ寒さの春彼岸 達山丁字 200905
山の手線から見ゆる山門彼岸寺 鈴木榮子 春燈 200905
半井桃水墓は本郷彼岸かな 鈴木榮子 春燈 200905
山門に竜のからめる彼岸かな 鷹羽狩行 200905
彼岸まで治らぬ風邪とおもひけり 山本喜朗 雨月 200905
彼岸会にマスク一族集ひけり 森下康子 200905
彼岸墓地自づと集ふ弟子それぞれ 鈴木榮子 春燈 200905
本郷に始まる追分彼岸みち 鈴木榮子 春燈 200905
夕映えを沼にあづけし彼岸かな 本多滋子 春燈 200905
父母の写真磨けり彼岸まで 山荘慶子 あを 200905
水汲みて御無沙汰詫びて彼岸寺 芝尚子 あを 200905
遠すぎる墓地を思へり彼岸寒 林翔 200905
降りだして風のをさまる入彼岸 高橋道子 200906
彼岸とて黒人霊歌聞えくる 濱田カノエ 酸漿 200906
お団子にだんごを乗せる春彼岸 白石正躬 やぶれ傘 200906
お彼岸会丹波子鳳の地に佇てり 和田孝村 春燈 200906
無住寺に人影のあり彼岸入 東芳子 酸漿 200906
友よりの供華を墓前に初彼岸 家塚洋子 酸漿 200906
そそくさとどかと坐りぬ彼岸婆 犬塚芳子 200906
しうじゆはそも姉妹あねいもうと彼岸道 柳川晋 200906
墨の香に偲ぶ妣の書彼岸講 池田加寿子 200906
米二合足して研ぎおく入り彼岸 吉田政江 200906
空海の偽筆もよけれ彼岸潮 西村純太 200906
淡島の彼岸も近き海明かり 島玲子 風土 200906
カーネーション彼岸の母の沙汰もなし 川崎真樹子 春燈 200907
彼岸会の後の正面にゐる私 佐藤弘香 ろんど 200907
彼岸会やはらからの声みな太く 樋口みのぶ 200907
留守電の声の主亡き春彼岸 伊吹之博 京鹿子 200907
願ひ事叶はぬままや彼岸過ぐ 小関栄子 200907
般若経覚え切れずに彼岸入り 山野惣一郎 遠嶺 200907
朝方の寒さも彼岸太郎かな 大野崇文 200907
手を振れば影も手を振る入り彼岸 丸山佳子 京鹿子 200911
彼岸会や母の形見の指輪して 中島伊智子 酸漿 201001
彼岸→ 4      

 

2021年3月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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