春遠し   34句

春遠し湯けむり深き加賀の宿   後藤しげ子

春遠し  春遠からじ

作品
作者 掲載誌 掲載年月
農事メモ幾度開き春遠し 宮下本平 199905
病状の二転三転春遠し 塩谷はつ枝 馬醉木 200003
春遠し厨ごとしで気を変へて 岡本眸 200004
遺されし母の涙や春遠し 藤岡亰子 円虹 200006
春遠く年寄りらしくここに座す 村越化石 200104
ボート漕ぐ青春遠くなりゆくも 小林玲子 ぐろっけ 200209
あくびにも個性があつて春遠し 丸山佳子 京鹿子 200302
ホームレス住む森暗く春遠し 沢聰 馬醉木 200303
「糸引き唄」歌ひ忘れて春遠し 小野寺節子 風土 200409
荒磯に砕ける浪や春遠き 野村由美 200506
子の折鶴千超ゆるとも春遠し 成瀬櫻桃子 春燈 200509
病の名蜂窩織炎ほうかしきえん春遠し 大橋敦子 雨月 200604
春遠し朱塗の箸の封を切る 山元志津香 八千草 200607
樹々の間の海模糊として春遠し 新関一杜 京鹿子 200903
大川の白波見つつ春遠し 青木政江 酸漿 200904
春遠しいくつになつても回遊魚 松田都青 京鹿子 200905
寒肥を施して待つ春遠し 橋本貞二 酸漿 201003
子の描く絵いつも耳なし春遠し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
ヘレンケラーの父にはなれず春遠し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
通信手段全く途絶え春遠し 菅野蒔子 末黒野 201106
雑木山春遠からじ風の声 小野寺節子 風土 201204
にじり寄り柵をつかみて春遠し 長谷川としゑ ぐろっけ 201205
神の手のうち今日春遠ざかり 柴田靖子 201207
アフガンの児らの笑顔や春遠き 和田郁子 粥の味 201209
水辺まだ春遠かりし羅臼かな 佐山五稜 風土 201305
五六種の薬日課に春遠し 小倉正穂 末黒野 201404
トンネルの向かうはつきり春遠し 高木嘉久 201604
春遠し衣服の出し入れ面倒で 東秋茄子 京鹿子 201606
春遠し歩くゴリラの腰あたり 宇都宮哲 船団 201612
天帝の手の内にあり春遠し 柴田靖子 201706
春立つも春遠き国砂の国 平野多聞 201706
春遠し飛騨にゆかりの古桜 善野行 六花 202205
春遠し愚の累卵となるいくさ 善野行 六花 202206
旅はるかなり北国の春遠し 本郷公子 京鹿子 202306

 

2024年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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