春ともし(春灯) 2     114句

釣具店前は真っ暗春灯る  呉田刈歩  獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耳たぶにかかるほつれ毛春灯 ことり 六甲 200703
始めから書き直す文春灯 出来由子 200705
高層のマンシヨン完売春燈 鈴木石花 風土 200705
軸かへて一人に灯す春灯 関戸国子 酸漿 200705
歌ふかに伎芸天女や春灯 谷村幸子 200706
手紙ならやさしくなれる春灯 大森春子 200707
春ともし合切袋より句帖 黒須洋子 遠嶺 200707
山麓の一窓が溜む春燈 戸田和子 200707
画集繰る裸婦は薔薇色春灯 落合絹代 雨月 200707
陶然と伊万里の世界春ともし 大曽根育代 遠嶺 200708
春ともし信太狐の物語 次井義泰 200709
春ともし「ひとり日和」に吾を見る 平野きぬ子 八千草 200709
変へてみる机の配置春灯 稲畑汀子 ホトトギス 200804
受験了ふ孫の志織に春灯 神蔵器 風土 200804
折り合って静かに暮す春燈 篠田純子 あを 200804
春燈力一杯乳せせる 篠田純子 あを 200804
春灯し八十路の婆のダンスかな 仁平則子 200805
身を反らし見入る高階春灯し 黒澤登美枝 200805
削られて数のえんぴつ春灯 伊藤白潮 200805
春ともし指輪の跡の痒くなる 中山賠雪 200805
漁船の帰つて来たる春灯 前田美恵子 200805
ファド聴くや窓より波止の春灯し 藤井美晴 やぶれ傘 200805
理髪屋は町のしるべや春灯 北尾章郎 200806
レコードの昭和黄色き春灯 林いづみ 風土 200806
シャガールの年譜目で追ふ春灯 富沢敏子 200806
春灯差し合う街の闇深く 鈴木勢津子 200807
春灯しお弓お鶴の木偶芝居 木暮剛平 万象 200807
看護士のささやいて消す春灯 河崎尚子 火星 200807
乙訓や水の上の茶屋春灯す 河崎尚子 火星 200807
春灯金色映ゆる阿彌陀仏 浅野恵美子 酸漿 200807
春燈六十周年記念号刊行 鈴木直充 素影 200811
アンティークのグラス鈍色春ともし 田下宮子 200904
読み返す手紙のありて春灯 稲畑汀子 ホトトギス 200904
我が家てふ安らぎにをり春灯 西岡啓子 春燈 200905
字の癖の終生とれず春灯 中原敏雄 雨月 200905
封緘紙の洋灯の画や春灯 松本峰春 春燈 200905
春灯お賓頭盧さまふと揺るる 有賀昌子 やぶれ傘 200905
もう少し思案をせよと春灯 吉野のぶ子 遠嶺 200906
小児科のからくり時計春ともし 和田幸江 春燈 200906
別れ来て文をすぐ書く春灯 大室恵美子 春燈 200906
対岸は何万ドルか春灯 西山美枝子 酸漿 200906
旅に得し友に文書く春灯 片野美代子 酸漿 200906
京紅をえらぶ三条春灯 中村翠湖 馬醉木 200907
春灯一つ消されてひとつ点く 佐々木秀子 200907
萱の家の文士の書斎春ともし 佐藤恭子 遠嶺 200908
春灯し予後を確実かくじつに 山中志津子 京鹿子 200908
長き紐引けば点りて春灯 神蔵器 風土 201004
明快な答へに疲れ春灯 能村研三 201004
人情を灯す戸口の春灯 布川直幸 201004
三ツ星の二郎の店の春灯 木村茂登子 あを 201004
春灯し昭和の歌聴く深夜便 鈴木加代子 末黒野 201005
カーテンに影の重なる春灯 佐方敏明 ぐろっけ 201005
春灯し妓の地髪結ひ辛夷の芽 南奉栄蓮 風土 201005
春燈小豆のやうに爪を塗り 佐藤喜孝 あを 201005
頼り合ふ齢となりぬ春灯 野坂民子 馬醉木 201006
細腰の鳴子こけしや春灯 松本三千夫 末黒野 201006
春ともし掌に乳液の真珠玉 楠原幹子 201006

 中島和昭氏を悼む

一徹に師系ともせり春灯

木村傘休 春燈 201006
消印も切手も一葉春ともし 森田節子 風土 201006
捨てる過去残したい過去春灯 古俣万里 ろんど 201006
帆船は瓶の中なり春灯 遠藤実 あを 201006
庭の石ひかる三つ四つ春灯 白石正躬 やぶれ傘 201007
古文書を読み解く蔵の春燈 山本漾子 雨月 201007
癌告知静かに受けて春燈 小澤克己 遠嶺 201008
大広間小さく使ふ春灯 稲畑汀子 ホトトギス 201103
春灯一日のばしの事一つ 能村研三 201103
模様替したしと思ふ春灯 稲畑汀子 ホトトギス 201104
時流る和音のやうに春ともし 篠田純子 あを 201104
春灯すいのち明りでありしかな 野澤あき 火星 201105
大仏の厚き唇春灯 竹下昭子 ぐろっけ 201105
小説の中に恋して春燈 須賀敏子 あを 201105
飲める水飲めない水と春ともし 堀内一郎 あを 201105
舟入の奥の丸窓春灯す 奥田順子 火星 201106
停電の明けてこの世の春灯 相良牧人 201107
節電の隋神門の春灯 数長藤代 201107
春ともし老眼鏡なるものをかけ 藤田素子 火星 201107
地球儀に子らの夢あり春灯 近藤きくえ 201107
春灯母の文箱に祖父の文 有賀昌子 やぶれ傘 201108
春ともし老眼鏡なるものをかけ 藤田素子 火星 201107
地球儀に子らの夢あり春灯 近藤きくえ 201107
春灯下ポーズをとりて眼鏡選る 岡谷栄子 201108
人センサーに反応しをり春灯 森下康子 201204
故郷の障子に映ゆる春灯 後藤克彦 かさね 201205
ただそこにゐて欲しいのみ春灯 近藤きくえ 201205
春灯夫の看取りに悔の又 白石善子 雨月 201205
春灯ジャズにかはりし珈琲店 松原三枝子 万象 201205
紙鍋のどれも煮えきし春灯 戸田春月 火星 201205
古陶器の真贋見抜く春灯 能村研三 201205
ナプキンの帆の林立や春ともし 藤原照子 201205
箸立がまん中にある春燈 佐藤喜孝 あを 201205
つれあひの良さそれぞれに春燈 赤座典子 あを 201205
なかんづく阿弥陀如来の春灯 神蔵器 風土 201205
春灯し宮家移築の料理店 五十嵐紀子 201205
悪口も少し言ひけり春灯 高田令子 201205
夕靄に浮かぶ小島の春灯 坂上じゅん かさね 201206
音もなく日暮れの来たる春灯 佐々木薫 かさね 201206
小面の流し目と合ふ春ともし 西谷良樹 春燈 201206
語部と後の語らひ春ともし 藤原照子 201206
春燈下靴ずれ癒えぬひとり旅 宮田香 故郷 201207
春灯柩は人を引き寄する 竹中一花 201207
立ち寄りしモデルルームの春灯 涼野海音 火星 201207
三笠艦の小部屋にビオラ春ともし 森清信子 末黒野 201207
八雲夫人の片仮名の文春灯 栗山恵子 雨月 201208
米寿なる人形遣ひ春灯 北崎展江 くりから 201209
誰彼の面影を追ふ春灯 稲畑汀子 ホトトギス 201304
ジプシーの曲の震動春燈 篠田純子 あを 201305
春ともし螺鈿ちりばめ将の鞍 堤京子 馬醉木 201305
ヴェネチアのグラスを磨く春ともし 宮川みね子 風土 201305
シャンパンの真珠の泡や春灯 林八重子 馬醉木 201306
窓越しに笑ひの洩るる春灯 佐藤喜仙 かさね 201306
春灯前座といへど独壇場 木村茂登子 あを 201306
青春歌和する門葉春ともし 田嶋洋子 七線譜 201306
板長のテーブル巡る春ともし 小池清司 かさね 201306
読む食す化粧ふ一卓春ともし 藤原照子 201306
夫の椅子昭和の軌み春灯す 松本恒子 ぐろっけ 201307
春灯カーテンコールが終はらない おーたえつこ 201406
春灯硬直の腕ほどけゆく たかはしすなお 201406
光源氏あらはれさうな春灯 織田高暢 201406
花風踊はなふうからじ艶めく春灯 呉屋菜々 万象 201407
春灯壺屋に買ひしパナリ壺 福島せいぎ 万象 201407
川波の襞ごとに在り春灯 和田紀夫 201407
独り言思はず洩らす春灯 野村鞆枝 京鹿子 201408
大航海時代の地図や春灯す 中村洋子 風土 201409
春ともし渓の奥なる一軒家 上田由姫子 京鹿子 201501
春灯し→ 3      

2021年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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