春の雪 11      122句

春の雪  春雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
硝子戸を攻めては溶ける春の雪 森屋慶基 風土 201906
ポケットの打ちかけメール春の雪 厚芝唯菜 京鹿子 201906
青きボールにビタミンサラダ春の雪 安田優歌 京鹿子 201906
一夜明け摩天楼の都会(まち)春の雪 田中信行 201906
春の雪鳩の足跡点々と 酒井たかお 201907
良寛像膝に分厚き春の雪 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
東京の春の雪とてもう止みし 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春の雪積り始めし江戸を発ち 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
悲しみの春の雪国発たれ来し 稲畑汀子 ホトトギス 202002
豊穣を祈り占ふ春の雪 植村蘇星 京鹿子 202003
線香の煙逡巡春の雪 田中佐知子 風土 202004
春の雪師にまみゆ傘たたむなり 田中佐知子 風土 202004
濡れいろの猫足早に春の雪 秋川泉 あを 202005
濡れいろの猫足早やに春の雪 秋川泉 あを 202005
やんはりと樹林太らす春の雪 塩貝朱千 京鹿子 202005
春の雪特に用事の無き日なり 廣瀬雅男 やぶれ傘 202005
日高見の国よ綺羅なる春の雪 山崎正子 202005
春の雪金剛力士像半裸 有賀昌子 やぶれ傘 202005
春の雪少女寡黙になりにけり 江島照美 202005
足元に来たりて消ゆる春の雪 藤生不二男 六花 202005
恋激し燃え立つ春の雪はげし 三木亨 202005
群青の闇深くあり春の雪 橋本順子 202005
魚捌く出刃や薄刃や春の雪 柴田佐知子 202005
この人にこのスキャンダル春の雪 高橋将夫 202005
春の雪牛舎の扉半開き 西條弘子 202005
主待つ馬の睫毛に春の雪 佐藤喬風 末黒野 202005
ぴかぴかのベンチが街に春の雪 篠田大佳 あを 202005
倹約の果ての遊蕩春の雪 柴田佐知子 202006
春の雪自粛の首都を鎮めをり 長山正子 202006
うつし世を鎮め賜へり春の雪 宮内とし子 202006
大字小字ふうはり包み春の雪 小林良作 202006
母からの文のやうなる春の雪 北原沙織 202006
雲行きの忽と変はるや春の雪 臼居澄子 末黒野 202006
春の雪舗道に薄き靴の跡 青木まゆ美 202006
風に舞ふ程は残らぬ春の雪 菊谷潔 六花 202006
春の雪驚くほどに積りけり 森美佐子 やぶれ傘 202007
花のごとビニール傘に春の雪 谷貝美世 末黒野 202007
人差し指で叩く鍵盤春の雪 松井季湖 202007
膝に来る猫抱き上げて春の雪 菅野日出子 末黒野 202007
身を傾げつつ足踏みの春の雪 岡田桃子 202007
追伸のやうに降りくる春の雪 浅木ノヱ 春燈 202007
春の雪紅型の帯選りにけり 栗坪和子 202007
五条線刻む築地や春の雪 岡野里子 末黒野 202007
はや垂る露坐仏背負ふ春の雪 高木邦雄 末黒野 202007
しばらくは濁世を覆ふ春の雪 今村千年 末黒野 202007
街景色にはかに変へる春の雪 山口郁子 末黒野 202007
谷向ひの屋根のいろいろ春の雪 山崎稔子 末黒野 202007
踏み石を黒く残して春の雪 浅嶋肇 やぶれ傘 202007
はんなりと京の弁当春の雪 与田幸江 末黒野 202008
小流れの音に消えたり春の雪 杉山くみ子 末黒野 202008
春の雪紅茶にたんとミルク注ぐ 篠田純子 202009
骨肉の真白き骨ぞ春の雪 三井所美智子 202010
珈琲に浮かぶマシュマロ春の雪 今井康子 202010
庖丁に峯と刃のあり春の雪 田中とし江 202010
春の雪直弼終の日の如く 堅山道助 風土 202011
おはじきのきらきら春の雪となる 足立枝里 202101
この辺りにも春の雪予報出し 稲畑汀子 ホトトギス 202102
楡の樹の切株化粧ふ春の雪 山田六甲 六花 202102
六甲に既視感春の雪景色 山田六甲 六花 202103
春の雪葉裏に寄せる翅二枚 鈴鹿呂仁 京鹿子 202104
ふはりふうはりひらりはらりと春の雪 増成栗人 202104
六角の結晶刹那春の雪 関妙子 202104
淡墨の書線の滲み春の雪 滋野暁 末黒野 202104
植込みにしばしとどまる春の雪 柳田秀子 202104
駅を出るビニール傘に春の雪 青谷小枝 やぶれ傘 202105
黒塀の路地に人呼ぶ春の雪 土井三乙 風土 202105
春の雪ことことブイヤベースかな 森田節子 風土 202105
振り払ふ傘の重みや春の雪 道端齊 202105
いつときは庭も盆景春の雪 熊谷成子 202105
点滴の音無きあはひ春の雪 坂下成紘 202105
春の雪さし出されたる男傘 土井ゆう子 風土 202106
ひと庭に降りながら消ゆ春の雪 直江裕子 京鹿子 202106
春の雪ピエロのやうに踊りつつ 山中志津子 京鹿子 202106
寝返りて背骨のきしみ春の雪 井尻妙子 京鹿子 202106
春の雪修道院はミサの刻 井尻妙子 京鹿子 202106
春の雪あはあは過去は消せぬのに 本郷公子 京鹿子 202106
黒板に最後の授業春の雪 藤井啓子 ホトトギス 202107
てのひらに受くる間もなき春の雪 高倉和子 202107
春の雪畝に獣の爪の跡 田中とし江 202108
春の雪→1
春の雪ゆつくり息を吐きにけ 太田庄子 春燈 202203
切株のなりにちょこんと春の雪 佐藤竹僊 あを 202203
グラタンに程よき焦げ目春の雪 林昭太郎 202204
春の雪母音のやうに耳に触れ 峰崎成規 202204
墨を擦る指の疲れや春の雪 杉本薬王子 風土 202204
春の雪われに歌へと降りくるよ 鈴木直充 春燈 202205
野火止や早緑の透く春の雪 後藤眞由美 春燈 202205
上向きてすてんと転ぶ春の雪 種田利子 春燈 202205
東京のビルに張りつく春の雪 遠藤レイ 春燈 202205
宅配は二時に来るはず春の雪 丑久保勲 やぶれ傘 202205
朱の橋の反りのときめき春の雪 鈴鹿呂仁 京鹿子 202205
韻文か散文か春の雪深し 植村蘇星 京鹿子 202205
激とばす文武両道春の雪 植村蘇星 京鹿子 202205
帯結ぶ指の硬さよ春の雪 伊藤希眸 京鹿子 202205
春の雪降るや青木重行忌 田中臥石 末黒野 202205
臥石改名せよと清水基吉云ふ春の雪 田中臥石 末黒野 202205
春の雪音なく垂る寺の屋根 高木邦雄 末黒野 202205
新調のスノーブーツや春の雪 平田きみ 末黒野 202205
光りつつ消えつつ春の雪しづり 南うみを 風土 202205
浮鴨をしづかに濡らし春の雪 南うみを 風土 202205
チョコレートの箱開けをれば春の雪 土井三乙 風土 202205
春の雪肌着に通す赤子の手 柴田佐知子 202205
春の雪止まずタイヤを替へてより 森高武 風土 202206
雨樋に溢れて春の雪しづく 森高武 風土 202206
春の雪買つた覚えのなきブーツ 小山よる やぶれ傘 202206
春の雪振るつて入る理髪店 柴崎和男 やぶれ傘 202206
発ちし子の部屋にハンガー春の雪 西村白杼 京鹿子 202206
春の雪十七文字のひねり舞ひ 荊池和子 京鹿子 202206
春の雪某氏に老後なかりけり 本郷公子 京鹿子 202206
告白めく不思議な宴春の雪 吉岡知香 京鹿子 202206
春の雪樹々を華やげ木の香り 吉岡知香 京鹿子 202206
春の雪コーヒーカップの湯気弛ぶ 吉岡知香 京鹿子 202206
下総に一茶と双樹春の雪 田邑利宏 202206
春の雪たわわにポストまでの道 水谷はや子 202206
最新は最後に同じ春の雪 森なほ子 あを 202206
礫の主の腰布や春の雪 新井千佐代 202208
春の雪青春諸もろ遠ざかる 石川東児 202209
木の影の地に蒼くあり春の雪 田中とし江 202210
雪折れの枝にやさしく春の雪 相川健 202210
つーと落つ点滴の無音春の雪 足立枝里 202210
春の雪子へ額よせ眠りけり えとう樹里 202302
俳磚の文字なぞりゆく春の雪 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
 

 

2023年2月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。