春の宵 3    101句

観音の足一歩出る春の宵   宇都宮敦子   獐

春の宵  春宵  宵の春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ブルートレインのかぼそき笛や春の宵 岩谷丁字 春燈 200906
送別のことばを包む春の宵 横山さくら 春燈 200906
百寿なるわれにも在りし春の宵 浅井青陽子 ホトトギス 200907
名句集書写して学ぶ春の宵 山野惣一郎 遠嶺 200907
宇宙よりオバマに通話春の宵 北村香朗 京鹿子 200907
京舞の地方の凛と春の宵 小澤淳子 200907
演能の笛方若し春の宵 上田玲子 200908
七色の東京タワー春の宵 熊谷尚 200908
ポストに手ふかぶか入るゝ春の宵 佐藤喜孝 あを 200909
開宴の辞をねんごろに春の宵 小林呼溪 201004
一人居に慣るもさびしや春の宵 長谷川照子 春燈 201004
萬歳てふ隷書の歪み春の宵 高橋泰子 201004
能面の笑みのつづけり春の宵 田中美智子 201004
電飾のオーロラに酔ひ春の宵 川崎利子 201005
義理チョコに甘い苦いと春の宵 中山静枝 201005
転生は龍になりたし春の宵 前田美恵子 201005
ふくよかな師の声かこむ春の宵 篠原幸子 春燈 201005
表彰のメダル燦然春の宵 新実貞子 201006
なんとなく語らひ笑ひ春の宵 川越栄一 末黒野 201006
さよならは愛車のホーン春の宵 長山あや ホトトギス 201006
頭脳線短かくもよし春の宵 秋葉貞子 やぶれ傘 201006
花灯路の点灯を待つ春の宵 井上美智子 201006
春の宵カルメンの声伸びやかに 塩出眞一 ぐろっけ 201006
さまざまな引出しをもつ春の宵 森山のりこ あを 201006
浮世絵のをんなの語る春の宵 松岡和子 201007
これからを托す汝等春の宵 今井千鶴子 ホトトギス 201007
円卓に空席のある春の宵 高田令子 201007
春の宵ライトに浮かぶ白鳥城 島内美佳 ぐろっけ 201007
謎めいてピアノソナタの春の宵 鈴木てるみ ぐろっけ 201008
掌をこぼれし黄色春の宵 吉弘恭子 あを 201008
春の宵能面に子の泣きだして 宮村フトミ ぐろっけ 201009
春の宵知らない我が歩き出す 遠藤実 あを 201104
病談議も酒あればこそ春の宵 鈴木とみお ろんど 201105
地震の地の友如何ばかり春の宵 安立公彦 春燈 201106
電池替へし辞書を頼りに春の宵 中川すみ子 201107
バリトンを全身で聴く春の宵 野中啓子 201107
ギヤマンに注ぐ酒赤し春の宵 平野伸子 馬醉木 201107
モンブランのブルーのインク春の宵 松本三千夫 末黒野 201107
いそいそと旅の身仕度春の宵 中村吟子 ぐろっけ 201107
人の世の滅亡談義春の宵 瀬川公馨 201107
春の宵熱気歓喜のダービーレース 南映佳 京鹿子 201108
久びさに夫と銀ぶら春の宵 外山生子 末黒野 201108
どこからかクラクション鳴る春の宵 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204
妻無しの猫と戯る春の宵 松岡利秋 かさね 201204
コンビニのみどり亀見に春の宵 中山純子 万象 201204
手妻師の袖より蝶や春の宵 コ田千鶴子 馬醉木 201205
春の宵耳全開に琴を聴く 向江醇子 ぐろっけ 201205
春の宵身ほとりに置く師の句集 村上美智子 雨月 201205
嫋やかに乱れず舞へり春の宵 赤座典子 あを 201205
春の宵棕櫚の陰より猫とんで 浜口高子 火星 201206
春の宵いでゆ梯子のそぞろ客 安田一郎 京鹿子 201206
この街のまた行き止まり春の宵 平居澪子 六花 201206
デザートはムースなりけり春の宵 桑原逸子 201207
琴の音の雨だれ拍子春の宵 藤田かもめ ぐろっけ 201207
五十六の映画語りし春の宵 松本アイ ぐろっけ 201207
酒の肴はインカのめざめ春の宵 直江裕子 京鹿子 201207
酌みかはす人ありてこそ春の宵 金子つとむ ろんど 201207
死後のこと夫婦で話す春の宵 先山実子 ぐろっけ 201208
一力の角を曲れば春の宵 佐土井智津子 ホトトギス 201210
川風に出湯の香あり春の宵 酒井秀郎 返り花 201211
池の端の櫛屋をのぞく春の宵 竹内弘子 201212
もう誰も訪ね来ざりし春の宵 稲畑汀子 ホトトギス 201304
読み返す便り机上に春の宵 稲畑汀子 ホトトギス 201304
片付けぬ机上の大事春の宵 稲畑汀子 ホトトギス 201304
春の宵はや灯を点す屋台そば 藤見佳楠子 201305
永遠の命おそろし春の宵 高橋将夫 201305
ハンドルの遊びのやうな春の宵 七田文子 201305
はんざきを見てきし人と春の宵 西村節子 火星 201305
春の宵離るには惜しき人と居る 篠田純子 あを 201305
浮世絵の青に鎮もる春の宵 佐用圭子 201306
春の宵サーカスの屋根暮残る 三川美代子 201306
秘仏にも野の仏にも春の宵 柳川晋 201306
塩焚きし釜あたたかな春の宵 杉浦典子 火星 201306
留守電に犬の遠吠え春の宵 覚本秀子 ろんど 201306
秒針と母の寝息と春の宵 吉岡孝子 末黒野 201306
春の宵小猫を探すビラ揺れて 石川かおり 福袋 201404
春の宵ビルの灯一つ一つ消え 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
母さんに相談のある春の宵 田中藤穂 あを 201405
あててきしパーマの匂ふ春の宵 山田美恵子 火星 201405
国訛ぽろり出でけり春の宵 河村啓花 ろんど 201406
あててきしパーマの匂ふ春の宵 山田美恵子 火星 201501
祝ぎ心集ふ明るさ春の宵 稲畑汀子 ホトトギス 201502
萩焼の盃艶やかや春の宵 鈴木照子 201504
いづ方へ失する眼鏡よ春の宵 井上石動 あを 201504
街灯のほつほつてんてん春の宵 赤座典子 あを 201505
初春の宵をウィーンの楽に酔ふ 隅田恵子 雨月 201505
春の宵金星のみの見えてをり 出口誠 六花 201505
小面のこゑの幽かに春の宵 岩月優美子 201506
それぞれの意志持ち老いの春の宵 細川コマヱ 雨月 201506
鉛筆を折りては削る春の宵 永田万年青 六花 201506
春の宵本に手をのせ絵空事 佐藤恭子 あを 201506
月影の色やはらかし春の宵 中野久雄 末黒野 201506
春の宵夕日の中の昭和かな 山本無蓋 201507
まなざしは銚釐うながし春の宵 宮崎高根 201507
雲間より洩れくる日差し春の宵 丹羽武正 京鹿子 201507
春の宵なれやゆふづつ濃く揺れて 浅井青二 雨月 201507
石段を登りて降りし春の宵 竹内弘子 あを 201507
カラオケの夫とデュエット春の宵 外山生子 末黒野 201508
語らずとも共に居る幸春の宵 桜井知恵子 雨月 201508
春の宵小鉤の外れ気づかずに 名和政代 万象 201512
春の宵硯滴にある水沫かな 佐藤恭子 あを 201604
春の宵→ 4    

 

2021年5月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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