2022年4月28日 らせて待春の風見鶏

春の風 4       100句

抜糸してタクシー待つや春の風   内田しんじ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ゆく雲に心を乗せん春の風 本多俊子 201405
早春の風音走る口縄坂 玉置かよ子 雨月 201405
黄の帽子追ふ子黄の帽春の風 河村啓花 ろんど 201406
釦一つ外す襟元春の風 岡淑子 雨月 201406
野に出でよ腹一杯に春の風 粟津さくら 201406
春の風ほらえっとあれなんだっけ 塩見恵介 船団 201406
春の風振りほどく手の強さかな 乾有杏 201406
春の風潮満ちてくる匂ひかな 宮川みね子 風土 201406
正装の乙女のリボン春の風 山口キミコ 201406
晩春の風の捲れりグラビア誌 松本三千夫 末黒野 201407
春の風陰陽石の乾きをり 高橋将夫 201407
逝く春の風座りゐる湖岸ベンチ 豊田都峰 京鹿子 201407
嘆き竹偶の髪なびかせて春の風 塩路隆子 201407
春の風気象の乱れ覗き込む 鴨下昭 201408
掘り起こす土の湿りて春の風 吉成美代子 あを 201408
送る身に去りゆく人に春の風 有松洋子 緑光 201411
針の孔くぐると膝下春の風 佐藤喜孝 あを 201504
細りし首うぅーんと伸ばし春の風 斉藤裕子 あを 201505
ポケットのふくらみ春の風と光 有松洋子 201505
髪切りてたちまち春の風の中 きくちきみえ やぶれ傘 201505
修正の利く鉛筆や春の風 米沢美幸 六花 201506
さざ波の広さを変へる春の風 片山煕子 京鹿子 201506
ひらがなで呼びたい名前春の風 つじあきこ 201506
千代紙の吊るし飾りに春の風 有賀昌子 やぶれ傘 201506
石仏の笑みに含羞春の風 松崎雨休 風土 201506
城跡は空堀りのみや春の風 吉田きみえ 末黒野 201506
音階を知つてゐるかに春の風 宮内とし子 201506
自転車のパンク直して春の風 大畑善昭 201506
早春の風に凛とし今ここに 頼田幸子 201506
風神の袋の中の春の風 高橋将夫 201507
後ろより言葉空耳春の風 野中圭子 京鹿子 201507
ランドセルの赤黒紺春の風 松本秀子 201507
讃美歌の街に流れ来春の風 蒲田豊彦 雨月 201507
蔵王堂過ぎれば下り春の風 安原葉 ホトトギス 201509
惜春の風吹いてゐる水の上 岩岡中正 ホトトギス 201510
すこしまだ濡れてゐる絵や春の風 三屋英俊 万象 201510
鍬要らぬベランダ菜園春の風 岡野ひろ子 201604
散歩道かすかに香る春の風 松本秀子 201604
春の風ふと青春を思ひ出す 四條進 201604
まだ眠き嶺々をくすぐる春の風 清部祥子 201605
軒に吊る凍大根に春の風 山形悦子 万象 201605
天と地のあはひに遊ぶ春の風 岩下芳子 201605
春の風古祠に息吹の戻りけり 前田美恵子 201605
臨月の腹にぶつかる春の風 きくちきみえ やぶれ傘 201605
高橋で帽子押さへる春の風 丑久保勲 やぶれ傘 201605
線香に煙れる墓や春の風 山崎刀水 春燈 201606
公園は子連れ犬連れ春の風 松村光典 やぶれ傘 201606
退院のタクシーを待つ春の風 濱野新 やぶれ傘 201606
子の肩の手乗り文鳥春の風 岡淑子 雨月 201606
迷彩の落下傘のせ春の風 小野弘正 末黒野 201607
九竅の穴能面に春の風 竹内悦子 201608
治らない厚着癖など春の風 池田澄子 船団 201612
嫁取りを漏れ聞く窓辺春の風 芦田しずく 京鹿子 201701
春の風→ 1      
ゐないゐないばあ指の間を春の風 能勢俊子 馬醉木 201704
青石に靴の響きや春の風 山田六甲 六花 201704
早春の風と乗り込む旅のバス 大川暉美 末黒野 201705
春の風地下階段を蹤いて来る 黒澤佳子 あを 201705
調律の音叉ラの音春の風 奥田茶々 風土 201706
早春の風に花あげ野水仙 久保東海司 201706
春の風動き止まらぬ池の鯉 溝渕弘志 六花 201706
一連の浮子ののたりと春の風 岡野里子 末黒野 201706
せせらぎのハミング始む春の風 野村鞆枝 京鹿子 201706
完走の市民マラソン春の風 岡村啓子 京鹿子 201706
やはらかき春の風吹く太子廟 安部和子 雨月 201706
猿田彦鼻先光る春の風 大内佐奈枝 万象 201707
車井戸のぞくや耳朶に春の風 亀田やす子 万象 201707
隠したきことは噂に春の風 是松三雄 末黒野 201707
病床の読書三昧春の風 宮地静雄 末黒野 201707
さざ波となりて川面を春の風 石黒興平 末黒野 201707
オール漕ぐ少女の髪へ春の風 石黒興平 末黒野 201707
缶蹴りの露地を知らぬ子春の風 苑実耶 201707
うしろより惜春の風吹いてゐる 岩岡中正 ホトトギス 201710
春の風枝に結んだ落し物 秋川泉 あを 201804
幼子の十指に握る春の風 長尾タイ 末黒野 201804
まぶしさに海が海呼ぶ春の風 本多俊子 201805
春の風湖面に写る山を消し 須賀敏子 あを 201806
春の風自転車に従く三輪車 苑実耶 201806
神木の垂踊らせる春の風 伴秋草 末黒野 201806
市旗国旗なびく桟橋春の風 岡野里子 末黒野 201806
春の風私を寺へ連れていく 林田麻裕 201806
大股で歩く早春の風の中 林田麻裕 201806
早春の風まだ固し厨窓 五十嵐富士子 末黒野 201806
春の風観音さまの朱唇より 田中とし江 201808
不自由に挑むリハビリ春の風 唐澤春城 ホトトギス 201808
春の風杭の辺りに魚群れて 黒澤次郎 やぶれ傘 201808
春の風肌にピチピチシルキー湯 藤かおり 船団 201811
男親晴のリボンは春の風 佐藤喜孝 あを 201812
立春の風に吹かれてわが歩み 樺山翠 雨月 201903
幸せを奪はれさうな春の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
立春の風強き宵吾子走る 秋川泉 あを 201904
立春の風吹き入るや大手門 前田美恵子 201904
春の風歩道くるくる鉋屑 長崎桂子 あを 201904
シャツズボン竿に絡まる春の風 長崎桂子 あを 201904<2022年4月28日 /td> 佐藤恭子 あを 201905
新春の風を浴びをり無縁仏 安部和子 雨月 201905
的に向く紙飛行機に春の風 大塚たきよ 201905
河内野に名のみの春の風の音 林未生 201905
父と子の襲名披露春の風 本田豊明 佐津のぼる 六花 201905
マネキンの新しき服春の風 太田利明 末黒野 201906
春の風 →5

 

2021年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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