春の風 1

泣いてゆく向ふに母や春の風    中村汀女

春の風  春風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
空薫きか心ききたる春の風
福盛悦子
雨月
199806
線香をたてる手元に春の風
黒田さつき
船団
199811
もう一度奈良に行きたし春の風
皆吉司
船団
199811
朝刊の匂ふキヨスク春の風
木下節子
俳句通信
199904
体感の温度狂はす春の風
桑垣信子
いろり
199904
てのひらに線路が走る春の風
小枝恵美子
ポケット
199911
綺羅綺羅とごはん炊きたて春の風
能城檀
船団
199912
さん付けでよそよそしいの春の風
尾上有紀子
わがまま
200002
城石に臼搗く模様春の風
朝妻力
雲の峰
200003
軟体動物美人が触るる春の風
山田六甲
六花
200003
ボート屋がボート屋となる春の風
藤井みち子
200004
赤帽子かぶる地蔵に春の風
福田みさを
いろり
200004
玄関に大き泥靴春の風
今瀬剛一
200005
一力の昼の畳や春の風
小山内薫
京鹿子
200005
球児らの声おうおうと春の風
城戸愛子
酸漿
200005
春の風生みし仔牛を舐めまはす
高木篤子
ぐろっけ
200005
音立ててたふれしものや春の風
小山森生
200006
春の風昨日やさしく今日荒く
中野辰子
いろり
200006
サーカスの喇叭が鳴つて春の風
岬雪夫
200007
春の風病牀枕頭毛吹草
佐々木峻
ヒッポ千番地
200007
コデマリも李もバラ科春の風
葉月ひさ子
船団
200008
北野坂歩幅の分だけ春の風
わたなべじゅんこ
船団
200008
春の風うさぎは山に戻しませう
朝日彩湖
船団
200009
春の風ビル一面にビル映る
中原幸子
『遠くの山』
200010
急ぐでもなし福耳に春の風
中原幸子
『遠くの山』
200010
一瞬の私が好かれ春の風
中原幸子
『遠くの山』
200010
巻き尺を伸ばして春の風のなか
中林明美
ヒッポ千番地
200010
呑み込んでしまひし苦汁春の風
飯塚ゑ子
火星
200102
春の風川面にぎはす連子窓
間島明美
京鹿子
200102
動物のどれも笑わず春の風
荻野美佐子
船団
200102
客人として訪ふ館春の風
稲畑汀子
ホトトギス
200103
近づきてエステはいかが春の風
稲畑汀子
ホトトギス
200103
バイオリンに顎鬚のせて春の風
飯塚ゑ子
火星
200105
春の風耳たててをる犀の影
斉藤美穂子
200105
観音の浮き彫りの鐘春の風
阿部昭子
遠嶺
200106
紙の塩も祝詞も春の風の中
伊藤多恵子
火星
200106
仲裁にするり割り込む春の風
荒木治代
ぐろっけ
200106
両千家ならぶ通りに春の風
石神芳枝
ぐろっけ
200106
春の風土間で籠編む笊屋かな
小林光美
春耕
200107
銭ねだるトルコの子等よ春の風
夏目満子
酸漿
200107
春の風くすぐつたくて髪を切る
赤川孝子
200107
モネの絵に入りたさうな春の風
祐森弥香
遠嶺
200107
ひかがみをとはに揉むなれ春の風
岡井省二
200109
木の音の土につたはり春の風
岡井省二
200109
ナース等の一言うれし春の風
藤野周子
ぐろっけ
200110
弱虫と団子虫いる春の風
小枝恵美子
船団
200111
飴細工ゆびより生る春の風
田渕昌子
京鹿子
200201
後れ毛が好きでまつはる春の風
稲森柏郎
200203
春風の額春の風孕みつつ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200204
ころびさうでころばぬ幼ナ春の風
高垣和惠
雨月
200204
問はずともパン屋のあり処春の風
中村公代
雨月
200204
広広のゴリラの背中春の風
松村美智子
あを
200204
撫牛の背のてらてらと春の風
志水芳秀
雲の峰
200205
髪薄き顱頂を春の風吹きぬ
梅村すみを
200205
春の風若き神父の長睫毛
芳賀雅子
遠嶺
200206
春の風2→      

 

2021年4月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。