春の風 3       100句

抜糸してタクシー待つや春の風   内田しんじ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
竹林の光と影に春の風 早崎泰江 あを 201004
小児科に植物図鑑春の風 塩路五郎 201005
立春の風が頬刺す枯木灘 薮脇晴美 馬醉木 201005
湖のはばそのままの春の風 豊田都峰 京鹿子 201005
春の風名を成す橋のゆるき反り 鈴鹿仁 京鹿子 201005
まんまろき土偶の口や春の風 西川保子 春燈 201005
浅春の風素通りの港町 溝内健乃 雨月 201005
退院の決まりし窓に春の風 池田達二 風土 201005
やはらかく水尾引く船に春の風 中村芳夫 201005
春の風魂だけで歩きをり 篠田純子 あを 201005
抗ひつつ老を馴らすや春の風 斉藤裕子 あを 201005
壁のギター爪弾いてみる春の風 斉藤裕子 あを 201005
明け渡す部屋片付かず春の風 斉藤裕子 あを 201005
空蝉の爪の力に春の風 佐藤喜孝 あを 201005
フリスビーの気儘なりけり春の風 長濱順子 201006
巣立つ子の背中押すごと春の風 田所昌代 201006
春の風馬に乗せられ泣き出せり 苑実耶 201006
誰からも憎まれぬのは春の風 高橋将夫 201006
風信雲書春の風吹き抜ける 雨村敏子 201006
背ナを押す力の一つ春の風 中野京子 201006
スニーカーの托鉢僧や春の風 井上美智子 201006
春の風上り下りの定期船 阿部泰子 春燈 201006
親娘して作る中食春の風 阿部泰子 春燈 201006
迷ひの窓悟りの窓の春の風 田中佐知子 風土 201006
焼き締めの土の語りし春の風 赤木和代 201006
両拳すつくと春の風に立つ 加古みちよ 火星 201006
岡持はしづしづすゝむ春の風 佐藤喜孝 あを 201006
春の風入れて水屋の連子窓 松本三千夫 末黒野 201007
朝空に鳥の声満ち春の風 菊谷潔 六花 201007
春の風姉さんの子を連れて出る 佐藤喜孝 あを 201007
潮の香をわづかに乗せて春の風 加藤克 201008
握握のなかに春の風すこし 吉弘恭子 あを 201008
声明の森の胎より春の風 伊藤希眸 京鹿子 201101
馬の尾の空打つ乱れ春の風 阿部寒林 201103
公園のベンチ新し春の風 占部美弥子 末黒野 201104
ライオンの逆毛立てゐる春の風 山田六甲 六花 201104
口開けし埴輪くすぐる春の風 塩路五郎 201105
真先に麒麟の首へ春の風 菅原末野 風土 201105
笑ふ児の髪をすり抜け春の風 角谷美恵子 ぐろっけ 201105
蔵の町厚き窓開く春の風 浅野恵美子 酸漿 201105
亜麻色の医師のネクタイ春の風 中島静子 酸漿 201105
金管の音のふ<らむ春の風 林八重子 馬醉木 201106
生涯を鳩は灰色春の風 荒井千佐代 201106
被災地に命生まるる春の風 石井雲雀 末黒野 201106
刀鍛冶鞴にまじる春の風 竹下昭子 ぐろっけ 201106
春の風子らは古墳でかくれんぼ 武田ともこ ぐろっけ 201106
春の風道ゆづらるる介護杖 藤井久仁子 ぐろっけ 201106
かすかなる土の匂を春の風 中田のぶ子 ろんど 201106
亜米利加のともだち作戦春の風 篠田純子 あを 201106
狙はれて差出す阿呆春の風 だいじみどり 201107
気の欝ぎどうしやうもなし春の風 佐藤健伍 201107
こだはりを捨てて生きたや春の風 山下朝香 春燈 201107
大川の橋より橋へ春の風 藤田かもめ ぐろっけ 201107
養殖のごと生きてをり春の風 長節子 201108
家に満つるとはよき言葉春の風 後藤比奈夫 ホトトギス 201109
耳朶のうごく少年春の風 陽山道子 船団 201110
住む丘はバスの終点春の風 戸田澄子 末黒野句集 201203
春の風そよと吹きぬけ宮舞台 辻香秀 201204
所在なき地蔵三体春の風 前川ユキ子 201204
左右左と夜明の窓に春の風 丸山佳子 京鹿子 201204
歌舞伎座のずずんと伸びる春の風 篠田純子 あを 201204
雪吊のいつぽんあそぶ春の風 吉弘恭子 あを 201204
箍締めて太極拳や春の風 坂上香菜 201205
厩より神馬たてがみ春の風 国包澄子 201205
妻に受くるチョコに寧らぎ春の風 北尾章郎 201205
春の風留学の子の夢大き 堀田こう 雨月 201205
立春の風にふかれて立ち話 渡辺利子 万象選集 201205
春の風めくれるものはみなめくり 大東由美子 火星 201205
ひらかなの上手に読めて春の風 高尾豊子 火星 201205
あるくほど六腑をあらふ春の風 吉弘恭子 あを 201205
故郷の里山匂ふ春の風 吉田博行 かさね 201206
よろめきて手提袋に春の風 大日向幸江 あを 201206
追ひつけぬ子は小走りに春の風 仲里奈央 201208
夜勤明けのナースを包む春の風 布川孝子 京鹿子 201208
乗馬の子背筋ますぐに春の風 水野範子 ぐろっけ 201303
枕辺の母の遺影に春の風 水野弘 ぐろっけ 201303
志もて継ぎゆかん春の風 稲畑汀子 ホトトギス 201304
庭に咲くもの移ろへる春の風 稲畑汀子 ホトトギス 201304
船笛の寝ぼけたこゑなり春の風 加藤みき 201304
円空仏の喉擽る春の風 岩下芳子 201305
物干に薄物多く春の風 森岡陽子 かさね 201305
蓮華座の裾にからまる春の風 篠田純子 あを 201305
春一番吹きたるあとや春の風 きくちきみえ やぶれ傘 201305
喝采の劇場出でて春の風 中井登喜子 201305
蒲生野はロマンの里や春の風 藤本秀機 201305
蒲生野はロマンの里や春の風 藤本秀機 201305
大樟の薫ほのかに春の風 小柳千美子 かさね 201305
徘徊る春の風吹く六本木 吉弘恭子 あを 201306
とつおいつ磴尽きにけり春の風 岡井マスミ 末黒野 201306
ゆく春の風をはさめる朱印帳 石橋邦子 春燈 201307
春の風他国の悪さ運びくる 向江醇子 ぐろっけ 201307
早春の風音に水音に覚め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
野点せる舞妓のうなじ春の風 石川かおり 福袋 201404
春の風病み抜きし身の軽さかな 宮井知英 201404
岩肌に憩ふ仏陀や春の風 大口堂遊 春燈 201404
衿立てて立春の風受け笑顔 羽賀恭子 201404
はや魚籠に五匹泳がせ春の風 上原重一 201405
門を出て手持無沙汰や春の風 柴田志津子 201405
野を渡り来る早春の風の色 玉置かよ子 雨月 201405
春の風空より青きセーターを 長崎桂子 あを 201405
春の風→ 4      

 

2021年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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