春の風 2    170句   

絵草紙に鎮おく店や春の風    几董

春の風  春風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花摘みの畑を彩る春の風
小滝奈津江
酸漿
200206
バー跳躍やがて並足春の風
江木紀子
雨月
200206
春の風ガイドの声を消し去りぬ
小田知人
ぐろっけ
200206
今日よりは句碑の里山春の風
山田弘子
円虹
200207
葛橋に身を固くして春の風
金森教子
雨月
200207
あかときの峠越しをり春の風
松下八重美
200304
妙義まで足を洗って春の風
堀内一郎
あを
200304
鎌倉のふらんす料理春の風
阿部正枝
絵具箱
200304
水村のめぐらす酒旗や春の風
小澤克己
遠嶺
200305
預かりし児のはや寝息春の風
吉成美代子
あを
200305
自転車のブレーキ刻む春の風
篠田大佳
あを
200305
オカリナの音色に染まる春の風
長岡新一
200305
かぐはしき生傷にくる春の風
井上信子
200306
百歳まで生きよと吹くよ春の風
村越化石
200306
髪切つて肩摺り抜けし春の風
岡田有峰
築港
200306
谷川の流れに和する春の風
岡村容子
築港
200306
縁側にミシンを出して春の風
馬場美智子
六花
200307
婚の荷の楽器を鳴らす春の風
平居濡子
六花
200307
真つ白な卓布の映ゆる春の風
西澤ひで子
遠嶺
200307
かな文字の流るる如し春の風
田中清子
遠嶺
200307
花柄のあれやこれやと春の風
林裕美子
六花
200307
よろこんでゐる竹とんぼ春の風
閏間昌文
百鳥
200307
春の風髪梳くやうに一行詩
三間菜々絵
遠嶺
200308
市庁舎のカリヨン響く春の風
石井邦子
酸漿
200309
文鎮におさへさしたる春の風
武井玲子
八千草
200310
校門を大きく開き春の風
渡辺美代
対岸
200403
干し物に稚の衣もあり春の風
長谷川鮎
ぐろっけ
200403
吊されし這ひ子人形春の風
水原春郎
馬醉木
200404
九十段登りてうれし春の風
林翔
200404
春の風耳のうしろをよく洗ふ
加藤みき
200404
水平線に船ぽつこりと春の風
篠田純子
あを
200404
春の風ひよつこりとやや足持てる
東亜未
あを
200404
大川に架かる大橋春の風
恒川絢子
対岸
200404
火玉より硝子の鳥や春の風
林敬子
酸漿
200405
軽く肩たたき別るる春の風
北島上巳
酸漿
200405
春の風老犬の目のうるみをり
芝尚子
あを
200405
鉄棒にからまる子供春の風
寺門武明
あを
200405
旧道はむかしのままに春の風
吉成美代子
あを
200405
トンネルをいでて見上ぐる春の風
吉成美代子
あを
200405
笑みたくて視線欲る子や春の風
朝妻力
雲の峰
200405
海見ゆる窓辺まばゆき春の風
石井美代子
遠嶺
200405
百年は子杉稚杉よ春の風
鎌田幸彦
築港
200405
舟に乗るとき踝に春の風
中島瑞枝
百鳥
200406
独逸から米国からも春の風
吉弘恭子
あを
200406
春の風反射鏡なる自己責任
吉弘恭子
あを
200406
思ひ出し笑ひの笑窪春の風
今瀬剛一
対岸
200406
春の風路地の奥まで日の差して
渡辺美代
対岸
200406
硯石拝む乙女に春の風
中崎敞子
ぐろっけ
200406
走る子に春の風吹く野原かな
林之子
草の花
200407
渡し場に人を待つ舟春の風
恒川絢子
対岸
200407
持て余すパンダ風船春の風
橘澄男
山景
200408
駈けくる子抱き上ぐ春の風ぐるみ
望月晴美
200501
驢馬車の上の唐子と子山羊春の風
須賀遊子
200503
欄干に鴎四五十春の風
岡田滋夫
雲の峰
200504
春の風海豚のジャンプ高きかな
須賀敏子
あを
200504
春の風ふくらみそめし堰の水
加藤富美子
200505
寺小屋と言ふ名の塾や春の風
鏡山千恵子
帆船
200505
後より頬をなでゐる春の風
田辺哲子
帆船
200505
春の風海に出で空開けたり
田村和彦
築港
200505
膝によしとマシュマロ貰ふ春の風
阿部ひろし
酸漿
200505
天神のみくじ中吉春の風
三枝邦光
ぐろっけ
200505
春の風岩肌青き先師句碑
三枝邦光
ぐろっけ
200505
あの時に選びし道よ春の風
林裕美子
六花
200505
春の風口あけてゐる動物園
佐藤喜孝
あを
200505
たまさかに黄泉平坂春の風
吉弘恭子
あを
200505
荷造の鍋釜アイロン春の風
斉藤裕子
あを
200505
ラブストーリーもはや他山の春の風
北尾章郎
200506
風吸へば耳にも春の風入り来
小林正史
200506
猫用の骨壺軽し春の風
倉持梨恵
200506
春の風群るる稚魚とは水の色
城間芙美子
対岸
200506
お河童の額吹き分く春の風
三浦如水
ぐろっけ
200506
柳川の悼唄まとひ春の風
水谷芳子
雨月
200506
ユーカリの葉に遊びをり春の風
中里カヨ
酸漿
200506
御簾越しの仏見えたり春の風
浜田久美子
六花
200506
春の風富山の医薬部外品
吉弘恭子
あを
200506
水底の砂紋に日差し春の風
真角多賀子
対岸
200507
蹲ひの水に笑窪や春の風
佐々木恭子
遠嶺
200508
突堤に釣竿二本春の風
大槻球子
遠嶺
200508
春の風春の雲行く峠かな
武田和代
百鳥
200508
春の風薬師如来のあたりより
坊城俊樹
ホトトギス
200509
棕櫚の木の天辺に吹く春の風
山田六甲
六花
200603
一本も触れ合はず竹春の風
山田六甲
六花
200603
えにしとは百年を経し春の風
稲畑汀子
ホトトギス
200604
投函の葉書を飛ばす春の風
松崎鉄之介
200604
卵黄に血の糸まじる春の風
竹内弘子
あを
200604
外国語飛び交ふ公園春の風
東亜未
あを
200604
春の風撞木はいつも鐘を見て
今瀬剛一
対岸
200604
馬小屋を通り抜けたる春の風
苑実耶
200605
切り分くる丸きチーズや春の風
土岐明子
遠嶺
200605
島々をヨットがつなぐ春の風
戸田春月
火星
200605
百坪の夢の叶ひし春の風
福西礼子
火星
200605
久方に頬に触れゆく春の風
藤原浩
栴檀
200605
まつすぐにガラスの中へ春の風
今瀬剛一
対岸
200605
掘り起す土の輝き春の風
浅田光喜
対岸
200605
参道にさつと日の差す春の風
浅田光喜
対岸
200605
飛ぶやうに泳ぐペンギン春の風
城間芙美子
対岸
200605
春の風わたしの過去を繰りたがる
尾堂Y
河鹿
200606
曹さんの気韻に触れぬ春の風
島田万紀子
馬醉木
200606
春の風小さき伝言して去りぬ
加古みちよ
火星
200606
煩悩と連れ添うてゆく春の風
福西礼子
火星
200606
泥醉の意識立春の風びようびよう
瀧春一
瓦礫
200606
竪穴に入る順番春の風
恒川絢子
対岸
200606
浮雲に心放ちて春の風
木村克子
対岸
200606
掲げある歌仙の姫に春の風
佐藤淑子
雨月
200606
上着ぬぎ帽子をとりて春の風
河井富美子
ぐろっけ
200606
ネクタイの玉虫色や春の風
池崎るり子
六花
200606
抱くかに田草刈る子に春の風
吉弘恭子
あを
200606
雲一片湖上に遊ぶ春の風
山元海郎
河鹿
200607
春の風天女の民話残る村
秋田直己
ぐろっけ
200607
単線の電車待つ間を春の風
秋田直己
ぐろっけ
200607
熟女らにゴンドラゆらゆら春の風
廣中浩子
ぐろっけ
200607
ひらひらとハンカチの木や春の風
福澤乙
酸漿
200607
幾山河越え来し春の風と我
川口襄
遠嶺
200608
修道院の時鐘は春の風に乗り
北村香朗
京鹿子
200608
かそけくも名もなき山の春の風
菊谷潔
六花
200608
大扉あけし若僧春の風
谷村幸子
200704
春の風目指すところのありにけり
高橋将夫
200705
押し黙る気まづさ救ふ春の風
中野さき江
春燈
200705
北窓を叩いてゆきぬ春の風
松嶋一洋
200705
笹の葉のささやきつたふ春の風
池田光子
200705
江戸古地図拡げ二の丸春の風
山本喜朗
雨月
200705
禿頭の血筋に父も春の風
柴田佐知子
200705
願掛の絵馬鳴らし行く春の風
中里カヨ
酸漿
200705
読みかけの頁めくれり春の風
坂本知子
酸漿
200705
ゆつたりと着せし子の服春の風
藤野力
馬醉木
200706
春の風足湯で醒ます紹興酒
中島玉五郎
200706
沙蚕ごかい掘るをとことをんな春の風
延広禎一
200706
さつそうと歩いてゐます春の風
宇田喜美栄
200706
棟上げのどの柱にも春の風
柴田佐知子
200706
鉋屑吹き寄せられて春の風
布村松景
春燈
200707
春の風遍照金剛ひたすらに
中島陽華
200707
鬼女蘭の絮うかうかと春の風
西山美枝子
酸漿
200707
クリスマスローズ俯きて春の風情なり
牧原佳代子
酸漿
200707
九条を守れと声す春の風
飯田泰子
八千草
200709
教室は五階に移る春の風
稲畑汀子
ホトトギス
200802
ひとつでは足らぬ嚔や春の風
きくちきみえ
やぶれ傘
200804
リビングに植物図鑑春の風
塩路五郎
200805
カムチャッカにも不二に似し山春の風
椿和枝
200805
逆らへば帽子持去る春の風
長崎桂子
あを
200805
甲子園リニューアルして春の風
中川すみ子
200806
春の風わが胸中を浸しをり
布施まさ子
風土
200806
白鷺の蓑毛を揺らす春の風
永塚尚代
ぐろっけ
200806
錦帯橋渡るに寒き春の風
神田一瓢
雨月
200806
スタートの一笛待ちし春の風
山荘慶子
あを
200806
乳呑み児の匂ひほんのり春の風
佐藤静子
やぶれ傘
200806
土器はあらぬ方へと春の風
中島陽華
200807
自転車の籠に犬のせ春の風
岡本淳子
200807
吉祥天の裳裾を過ぐる春の風
花岡豊香
酸漿
200807
春の風虚子の闘志を継ぐ人に
大久保白村
ホトトギス
200810
靡くものあれば応へて春の風
稲畑汀子
ホトトギス
200904
その人のほとりから来る春の風
竹貫示虹
京鹿子
200904
尖りたるこころを撫づる春の風
水船みどり
200905
遺さるることも地獄ぞ春の風
石寒太
炎環
200905
湯上りの濡縁かろし春の風
丑山霞外
炎環
200905
春の風引っぱって来る男の子
吉成美代子
あを
200905
滑り台の子らの歓声春の風
大井彌雨
雨月
200905
絵馬札の重ね鳴りせる春の風
青山正英
200906
琵琶の音を洩らす町家や春の風
坂上香菜
200906
救世観音の御座より春の風起てり
冨松寛子
200906
図書館の模型の城や春の風
山野惣一郎
遠嶺
200906
春の風チョコレートほなあさってな
中原幸子
船団
200906
山しづかあるともなしに春の風
井関祥子
酸漿
200906
春の風座右に備ふる鉄亜鈴
森理和
あを
200906
刷毛でぬるペンキの匂ひ春の風
丑久保勲
やぶれ傘
200906
仏像の胸なめらかや春の風
山野惣一郎
遠嶺
200907
雀らのなで肩すぐる春の風
あさなが捷
200907
一湾を切子光りに春の風
布川直幸
201003
橋渡る人声運ぶ春の風
松田洋子
201004
春の風→3      

 

2021年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。