春の星 1    202句

つくねんと木馬よ春の星ともり   木下夕爾   木下夕爾全句集

春星  春の星

作品
作者
掲載誌
掲載年月
友達のやうに師とゐて春の星 山田禮子 きらら 199700
指させば虚数となりぬ春の星 吉川真実 海程 199807
一樹より抜け出て春の星と逢ふ 小澤克己 遠嶺 199905
近づきて少女顔上ぐ春の星 新関一杜 京鹿子 199905
沈まむと二つつらなり春の星 宮津昭彦 199905
大玻璃に透けて富嶽と春の星 今井妙子 雨月 199905
この頃の呟きぐせに春の星 今井妙子 雨月 199905
母看取る窓に四つの春の星 春田淳子 俳句通信 199905
佐殿に二男一女や春の星 山路紀子 風土 199906
名水に鯉のつぶやき春の星 諏訪一郎 遠嶺 199907
岩峰よりつぎつぎのぼり春の星 宮津昭彦 199908
仁丹がこぼれて春の星座なす 折原あきの 船団 199908
ウィンクの謎がとけだし春の星 三神あすか 船団 199909
春の星二千四百年後又 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
宵の雨上つてをりし春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200004
出会ひあり吉野の春の星仰ぎ 稲畑汀子 ホトトギス 200004
失ひし都会の夜空春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200004
引越荷ほぼ片づきぬ春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200004
春の星戦禍はいつの世にもあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
春の星獅子座今年も星散らす 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
春の星ギブスの吾子を案じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
丘の木に沈まんとして春の星 阿部ひろし 酸漿 200004
桂郎の一語一語や春の星 二本松輝久 風土 200005
春の星円陣組んで水溜まり 植田郁一 海程 200008
女童のかーごめかごめ春の星 岡井省二 200101
春の星又も深酒してしまひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
待春の星や暈被る夜もありて 宮津昭彦 200104
小庵の辺に早春の星つどふ 小澤克己 遠嶺 200105
月ありて少しはなれて春の星 阿部ひろし 酸漿 200105
東天にまたたきふゆる春の星 長島恵吉 遠嶺 200106
春の星行けなくなりし旅の地図 田中矢水 遠嶺 200106
確実に砂漠が増える春の星 三池泉 船団 200107
大手門閉ざせば生るる春の星 杉浦富士子 遠嶺 200107
春の星はるか来し子がふらここに 高橋とも子 200107
深海の帆柱ゆらぐ春の星 能勢京子 船団 200109
かぞへてはまたかぞへては春の星 平子公一 馬醉木 200201
おお鯤よここにゐたのか春の星 岡井省二 200201
春の星揃ふ花舗の灯濡れゐたり 濱地恵理子 200202
春の星虚子館一周年の宵 稲畑廣太郎 ホトトギス 200204
心眼で見上げてごらん春の星 稲畑廣太郎 ホトトギス 200204
半世紀語りゆく歩や春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200204
うすうすと春の星座のありどころ 稲畑汀子 ホトトギス 200204
降りてくる夜空に遠き春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200204
春の星ひとつ生るる子守歌 白井爽風 馬醉木 200205
次の世の住処と思ふ春の星 池尻足穗 雲の峰 200205
女は湖ひらひら浮かぶ春の星 小澤克己 遠嶺 200206
奥山の出湯にうるむ春の星 高瀬チエ子 遠嶺 200206
腰叩くたび満天の春の星 浜口高子 火星 200206
良弁杉仰ぎて春の星淡し 若江千萱 雨月 200206
心酔は微酔のごとし春の星 亀丸公俊 銀化 200206
臼すでに別の世のもの春の星 鷹羽狩行 200207
新しき生命の鼓動春の星 田中聡子 遠嶺 200207
知恵の木を探す少年春の星 半澤佐緒里 百鳥 200207
パンドラの箱戦場の春の星 祐森彌香 遠嶺 200305
てのひらに水晶の玉春の星 中田禎子 200305
春の星こだまの帰るところかな 加藤みき 200305
立春の星の出揃ふ海の上 岡本眸 200305
修道女シスターの銀の指輪や春の星 祐森彌香 遠嶺 200306
春の星六つで逝きし姉の面 井上みち子 帆船 200306
消しゴムで消える名前や春の星 坂本敏子 京鹿子 200306
眠られず窓より春の星を見る 石川英利 百鳥 200306
真つ白な嘘といふ本春の星 今井千鶴子 円虹 200307
目こらせばまた春の星生まれけり 出原博明 円虹 200307
高原の闇の大いさ春の星 竹内喜代子 雨月 200307
ため息に揺るるがごとし春の星 西澤ひで子 遠嶺 200307
ゴンドラをゆるく舫ひて春の星 三沢蘭 遠嶺 200307
カンツォーネ広場に春の星の降る 三沢蘭 遠嶺 200307
言葉てふこころのささへ春の星 馬場公江 200310
天上を闇の底とし春の星 藤浦昭代 ホトトギス 200311
満ち足りし家路となりぬ春の星 安原葉 ホトトギス 200312
この夢を捨てれば全て春の星 今瀬剛一 対岸 200403
恙なき笑顔でありし春の星 稲畑汀子 ホトトギス 200404
春の星息子宿題溜めに溜め 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404
春の星今日も明日も宴会に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404
恋の句を棄てかねてをり春の星 西野たけし 対岸 200404
流れ出す森の芥や春の星 加藤みき 200405
十代の名残の眉や春の星 玉川梨恵 200405
春の星こころ濡らして眠るなり 田原陽子 200407
ひそひそと宵の口より春の星 星加克己 ぐろっけ 200407
新しき夢を託して春の星 加賀富美江 遠嶺 200408
春の星早や一周忌迎へたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200408
鉄塔の脚のあはひの春の星 小林成子 火星 200408
木星土星燃ゆる色して春の星 宮津昭彦 200504
春の星すでに答は出てゐたり 高橋道子 200505
春の星兎つるりと生れけり 須佐薫子 帆船 200505
こめかみへ流るる泪春の星 細川知子 ぐろっけ 200505
シャンペンの泡ふつふつと春の星 中條今日子 万象 200505
句会果て余韻そのまま春の星 芝宮須磨子 あを 200505
いつのまに子は聞き上手春の星 清原彰子 河鹿 200506
逝きて母天の座を得し春の星 望月晴美 200506
春の星みな生きてゐてまたたけり 三浦如水 ぐろっけ 200506
水つねに海に流るる春の星 橋口礼子 河鹿 200507
指切りの父と子に増ゆ春の星 西村操 雨月 200507
啄木も賢治も好きよ春の星 細田桂子 百鳥 200507
春の星十六階の新居より 細田桂子 百鳥 200507
難解な童話もありて春の星 竹内文子 遠嶺 200508
春の星降る山の湯の底にをり 里中章子 200508
檣灯を遠くはなれて春の星 岬雪夫 200601
大きくて気になる春の星明り 稲畑汀子 ホトトギス 200604
山焼きし闇のせり出す春の星 神蔵器 風土 200604
雨上るうるみて一つ春の星 斉藤小夜 風土 200605
踏切に電車来る間の春の星 徳丸峻一 風土 200605
春の星潤ひ一つ瞬けり 柳生千枝子 火星 200605
永らへて心あらたに春の星 藤原浩 栴檀 200605
春の星目鏡をはずしあらたむる 青木陽子 酸漿 200605
コーラスの声やはらかく春の星 坂林智代 対岸 200606
幼子の夢の数なる春の星 清水節子 馬醉木 200607
玉垣の内に謎あり春の星 竹内文子 遠嶺 200607
忘れゐし事ひとつあり春の星 南保芙美子 遠嶺 200607
春の星消ゆるさだめと悟るまで 滝沢幸助 春燈 200608
叱られし童女の瞳春の星 川畑はるか 遠嶺 200608
みよし野の雨の洗ひし春の星 今井千鶴子 ホトトギス 200609
大護摩の煙焔に消ゆ春の星 佐々木よし子 200610
寝静まる小児病棟春の星 菅原末野 風土 200704
春の星宇宙拡がりゐたりけり 松原仲子 200704
羊羹のやうな空なり春の星 ことり 六花 200704
峡泊り春の星座のよみがへる 刈米育子 200705
目の隈のとれてをりけり春の星 中島陽華 200705
盗み聞きする気もなくて春の星 倉持梨恵 200706
泣き疲れそのまま夢へ春の星 出口誠 六花 200706
春の星退院決まる赤子かな 出口誠 六花 200706
春の星仰ぎソプラノ昂れる 峰尾秀之 200708
ソプラノの余韻を耳に春の星 深津一葉 200708
来し方の茫々として春の星 野村邦男 八千草 200709
空港につづく海暮れ春の星 千手和子 馬醉木 200710
春の星胡椒の匂ふ街にゐて 中野京子 翁草 200710
目の慣れてきて春の星降り出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
追ひかけて躓く闇や春の星 森佳子 遠嶺 200806
味噌蔵の小窓ににじむ春の星 坪内稔典 船団 200806
犬の手を握り見てをり春の星 徳丸峻二 風土 200807
徳篤き翁は春の星となり 邑橋節夫 遠嶺 200807
こころざし一つに春の星潤む 東良子 遠嶺 200905
宇宙へのあくなき挑戦春の星 早崎泰江 あを 200905
胸中に父母まだ若し春の星 木船史舟 200906
この橋は出合ひと別れ春の星 吉野のぶ子 遠嶺 200906
おはじきを遠くへはじき春の星 清水明子 遠嶺 200906
感涙に噎びし文や春の星 鈴木石花 風土 200906
逝きて三とせの夫にも仲間春の星 吉田陽代 200907
明日の空読まむと仰ぐ春の星 守屋井蛙 酸漿 200908
み吉野の宿の更けゆく春の星 安原葉 ホトトギス 200910
覚えたき春の星の名もう忘れ 稲畑汀子 ホトトギス 201004
初春の星のコーラス山上湖 小山紫乃布 末黒野 201004
夫留守のふたよの春の星潤む 高橋泰子 201004
深海の命は光る春の星 高橋将夫 201005
和平星まこと星黄泉春の星 小島禾汀 春燈 201005
机辺少し乱るるままに春の星 池田達二 風土 201005
天地の命をろがむ春の星 本多俊子 201006
言ふ後悔言はぬ後悔春の星 望月木綿子 201006
「海征かば」は亡兄の挽歌や春の星 船越美喜 京鹿子 201006
なきひとを樹齢に仰ぐ春の星 益田寿美子 春燈 201006
春の星バッハの余韻胸に抱き 井口初江 酸漿 201006
モナリザのまなざし遙か春の星 藤岡紫水 京鹿子 201007
春の星潤みて夫を逝かしむる 小澤徳江 遠嶺 201008
出揃うてひかりやはらか春の星 布川直幸 201102
春の星残し吉野の朝ぼらけ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
逝きし人帰り来る人春の星 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
潤む目に春の星とは三つほど 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
峡宿の夜を招かるる春の星 稲畑汀子 ホトトギス 201104
春の星見ゆれば返す峡の宿 稲畑汀子 ホトトギス 201104
春の星暁闇に雲消えてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201104
きざはしを登れば出遇ふ春の星 稲畑汀子 ホトトギス 201104
父と決め仰ぐやあはき春の星 中里よし子 春燈 201104
落款の遺愛の十二春の星 細川洋子 201104
娘の声の「元気」に涙春の星 山崎里美 201105
たいまつの消えて息づく春の星 狹川青史 馬醉木 201105
春の星またたきあひて近よらず 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
春の星鯛の粗炊き骨美しき 中島陽華 201106
停電の夜空輝く春の星 安部里子 あを 201106
春の星句座のおしゃべりその続き 松本アイ ぐろっけ 201107
春の星不死身の父と思ひしも 志方章子 蟋蟀 201203
光年を近しとおもへ春の星 辻美奈子 201204
少年が少女を詠ひ春の星 森理和 あを 201205
昏れなづむ縹の空や春の星 須賀充子 パミール越え 201206
春の星帰国の友に寄せ書きす 伊吹之博 京鹿子 201206
春の星期待ふくらむアメリカの空 水谷直子 京鹿子 201206
どじょっこだの遊び疲れて春の星 鎌田悟朗 ろんど 201206
春の星神馬はいつも待つばかり 柴田佐知子 201207
春の星降る藤織りの機の音 梶浦玲良子 六花 201207
早春の星を夜空に置き初めし 稲畑汀子 ホトトギス 201302
春の星空を濡らしてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春の星仰ぎ今夜は帰れない 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
繊月の所在と別に春の星 稲畑汀子 ホトトギス 201404
春の星吉野の旅も終りたる 稲畑汀子 ホトトギス 201404
み吉野の山路は暗し春の星 稲畑汀子 ホトトギス 201404
みよし野の春の星とは大きくて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
寝食いし父母に近づく春の星 半田稜 ろんど 201406
華人との談笑尽きぬ春の星 伊吹之博 京鹿子 201406
春の星最終汽笛島を曳き 布川孝子 京鹿子 201407
我がこころ潤みてあれば春の星 稲岡長 ホトトギス 201408
六甲の山の稜線春の星 稲畑汀子 ホトトギス 201504
春の星波消しに波寄する音 藤井美晴 やぶれ傘 201505
震災忌寄り添ふごとく春の星 辻由紀 雨月 201506
ひとときは恋かと思ふ春の星 篠原幸子 春燈 201506
みちのくの春の星座のみなうるむ 山本喜朗 雨月 201604
火の星も氷の星も春の星 宮井知英 201606
病人は夜も病人春の星 島田喜郎 201606
とり合へず寝れば来る明日春の星 大川ゆかり 201607
コーヒーのミルク渦巻く春の星 根岸善行 風土 201607
春の星長寿の系を賜るも 布川孝子 京鹿子 201607
春の星獅子座の下に地球浮く 田中臥石 末黒野 201608
深々と闇ぼんやりと春の星 今橋眞理子 ホトトギス 201610
ものみの塔何処より見える春の星 伊藤五六歩 船団 201612
春の星→ 2      

2021年2月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

 

季語のリクエストお待ちしています。