春の菜(春菜)    45句

明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今も雪は降りつつ   山部赤人

春の菜  青菜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
目に止まる春菜の値札旅途ば 鈴木浩子 ぐろっけ 199906
饒舌の婆につられて春菜買ふ 松本恒子 ぐろっけ 200005
天に触れ祖谷の生活の春菜畑 長山あや 円虹 200107
ざっくりと切られ水吹く春菜かな 能村登四郎 羽化 200110
雨つぶをためて春菜の列二つ 字佐美祐喜子 酸漿 200205
般若心経丸暗記して春菜煮る 石岡祐子 200406
小雨中帽子かぶりて春菜引く 永田あき 酸漿 200504
陰りてもものの影ある春菜畑 平子公- 馬醉木 200506
春菜和へ黄瀬戸の小鉢取り出して 竹内太郎 200507
石鯛に春菜をどかと返されし 百瀬七生子 海光 200705
春の菜の緑も添へて散らし寿司 岡崎春菜 万象 200806
自転車の荷台春菜のゆれてゐる 田代貞枝 200807
折々に三河訛の春菜売り 七種年男 200907
朝霧のひとすみひらけ春菜摘 橋本榮治 馬醉木 201004
堀めぐりの舟より見上ぐ春菜畑 松井倫子 火星 201005
しやぶしやぶの春菜をさはに笊の上 鷹羽狩行 201005
中華鍋炎ゆたかに春菜炒る 西谷良樹 春燈 201006
到来の春菜みどりをしたたらす 布川直幸 201103
道端のリヤカーに売る春菜かな 大崎ナツミ 雨月 201105
滾つ温泉にざるの春菜を踊らする 葺石鈴代 馬醉木 201107
門前に泥つき春菜盛られ売る 福田かよ子 ぐろっけ 201107
採りたての春菜もらへり友の家 池田いつ子 酸漿 201107
道の駅婆も春菜も元気やで 石田きよし 201201
愛想よく春菜を売りし朝市女 山本喜代子 万象選集 201205
鳥除けの網のはられし春菜畑 吉田きみえ 末黒野 201206
優しさを半分貰ふ春菜和 竹中一花 201305
惑星の一つに生れ春菜摘む 本多俊子 201405
一汁に散らす春菜や朝ぼらけ 服部早苗 201407
茹であがる春菜のみどりビバルディ 内山照久 201505
献立の春菜づくしや京泊 渕田則子 末黒野 201507
雨上りの御陵の堤春菜摘む 古川幸子 春燈 201607
直売の春菜の棚にキティーちやん 和田満水 201704
病む妻に朴訥と茹づ春菜かな 和田満水 201704
春菜茹づしつつができぬ男なり 和田満水 201704
声弾み箸つく春菜母娘旅 七郎衛門吉保 あを 201705
小包の端を湿らす春菜かな 長谷川はまゆう 末黒野 201706
弱音吐く春菜を前の自炊かな 濱上こういち 201707
春菜畑の二つ返事の良き子かな 黒滝志麻子 末黒野 201906
春菜摘む賀茂の婆ばの小商ひ 井尻妙子 京鹿子 202006
はだれ雪払ひ落として摘む春菜 大谷茂樹 京鹿子 202105
昨夜の雨春菜に残る一滴 高木邦雄 末黒野 202105
豪農の竈や背戸の春菜畑 岡野里子 末黒野 202205
広大や姪の婚家の春菜畑 坂本依誌子 春燈 202206
春菜届く火山灰の注意書も添へ 曽根富久恵空 202211
ベランダに春菜植ゑたるプランター 柴崎和男 やぶれ傘 202306

 

2024年3月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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