春炬燵 4      100句

新聞をひろげつぱなし春炬燵   川崎展宏   歳時記

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一人より二人がいいね春炬燵 羽賀恭子 201504
すべて手を伸ばせば足りる春炬燵 鶴田武子 201504
春炬燵野州のひしほ舌にのせ 立澤清 馬醉木 201505
ひとり居に睡魔のからむ春炬燵 鈴木セッ 201505
春炬燵取り払はれて居場所なし 田中貞雄 ろんど 201505
春炬燵高梨沙羅と共に跳ぶ すずき巴里 ろんど 201505
パイの皮ぽろぽろ毀(こぼ)れ春炬燵 瀬島洒望 やぶれ傘 201505
強まりし外の雨脚春炬燵 丑久保勲 やぶれ傘 201505
春炬燵電話が鳴つて切れにけり 谷田部栄 万象 201506
又同じ話する妻春炬燵 仙頭宗峰 万象 201506
無言にも阿吽母との春炬燵 森屋慶基 風土 201506
陸奥の近況を聞く春炬燵 和田絢子 春燈 201506
玻璃ごしに覗くこけし屋春炬燵 高橋明 末黒野 201506
春炬燵母座したまま眠りをり 苑実耶 201506
片付けを延ばしのばしに春炬燵 石川叔子 201506
あれそれで通じる会話春炬燵 金子正道 京鹿子 201507
気儘とは時にさびしき春炬燵 大橋伊佐子 末黒野 201507
片付けるでもなく置かれ春炬燵 藤田満枝 万象 201507
何となくいつまでとなく春炬燵 高濱朋子 ホトトギス 201508
頷きて同じ事聞く春炬燵 野坂民子 馬醉木 201508
頷いてゐし母眠る春炬燵 林徹也 201508
夜語りの父の青春春炬燵 奥名房子 201602
三辺がいつも空いてる春炬燵 久染康子 201605
活字あるもの山成して春炬燵 山口ひろよ 201605
半分は作り話や春炬燵 田原陽子 201605
ゐねむりと言ふ至福あり春炬燵 田原陽子 201605
春炬燵引き戸の暮らしやはらかし 松林依子 201605
ふるさとの話弾めり春炬燵 石黒興平 末黒野 201605
聞き役の微笑んでゐる春炬燵 篠藤千佳子 201606
座敷わらし携帯隠す春炬燵 島田喜郎 201606
出る者は出払ひ昼の春炬燵 森田尚宏 201606
春炬燵東を向いて爪を切る 藤波松山 京鹿子 201606
言ひにくきこと切り出すに春炬燵 松田泰子 末黒野 201606
はらからの迎へてくれし春炬燵 鈴木庸子 風土 201607
眠り姫てふ名をもらふ春炬燵 柴田志津子 201607
大方は同じ話や春炬燵 石川叔子 201607
春炬燵あなたの脚が長すぎる 池田澄子 船団 201612
春炬燵時化続く日も良しとして 大川ゆかり 201704
夜遊びの猫に点けおく春炬燵 山田六甲 六花 201704
昭和まだ我には近し春炬燵 宮本俊子 雨月 201705
春炬燵和紙に並べる六文銭 前田美恵子 201705
地図帳と季寄せ鉛筆春炬燵 須賀敏子 あを 201704
熱すぎてまたぬるすぎて春炬燵 中川句寿夫 ここのもん 201705
春炬燵ぬるければひとの口車 中川句寿夫 ここのもん 201705
起つ座るそしてつぶやく春炬燵 柴田志津子 201705
ちちははを夢へ誘ふ春炬燵 菅谷たけし 201705
誕生日猫と語りて春炬燵 大日向幸江 あを 201705
歳時記と辞書の定位置春炬燵 石黒興平 末黒野 201707
膝病めばしまふためらひ春炬燵 荻野周子 雨月 201707
身の始末考へてゐる春炬燵 角野良生 201706
春炬燵猫も素通りして行きぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
読みさしの本つみ重ね春炬燵 下平しづ子 雨月 201803
律するを忘るる春の炬燵かな 前田美恵子 201804
春炬燵意気投合の旅の本 山咲和雄 末黒野 201804
肩の荷の少し減りたる春炬燵 藤井寿江子 馬醉木 201805
春炬燵目薬ぽいと投げくれし 広渡敬雄 201805
春炬燵祖母に教はる鶴亀算 斉藤マキ子 末黒野 201805
新聞のクロスワードを春炬燵 廣瀬雅男 やぶれ傘 201805
結局は五輪見てをり春炬燵 石黒興平 末黒野 201806
春炬燵老いて頷くこと多き 岸洋子 201808
あしたこそ片づけようぞ春炬燵 高橋均 やぶれ傘 201808
春炬燵ゆるゆるローマ人の物語 水上博子 船団 201809
子の作るスープ両手に春炬燵 樺山翠 雨月 201903
独り言つ洩らして留守居春炬燵 佐津のぼる 六花 201905
春炬燵ともに長寿の二人かな 山咲和雄 末黒野 201905
団欒は曾孫の話春炬燵 佐藤哲 201905
春炬燵歳時記開けしまま眠る 大塚たきよ 201905
何だかな何もない日の春炬燵 須賀敏子 あを 201905
ピンぼけの時をしばらく春炬燵 中島昌子 201906
チョコ食べてチョコの香りの春炬燵 林田麻裕 201906
食べ終へて母眠りをり春炬燵 苑実耶 201907
人出でし穴ぽつかりと春炬燵 今瀬一博 201907
どきどきの怪異小説春炬燵 大槻春美 201907
しまはずによしと思ふ日春炬燵 中島秀夫 王水 201909
恋文の虚しく置かれ春炬燵 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
春炬燵思考蕩けてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
猫膝にゆるがぬ夫婦春炬燵 中澤弘 春燈 202004
足入れて猫のおどろく春炬燵 山田六甲 六花 202004
志木街道波郷手を入る春炬燵 七郎衛門吉保 あを 202005
役終ふる指人形や春炬燵 尾崎千代一 末黒野 202005
おしやべりのま裸となり春炬燵 奥田筆子 京鹿子 202005
膝病みて足を投げだす春炬燵 田中臥石 末黒野 202005
春炬燵猫がじーっと見ているの 松井季湖 202006
スマホにも溜まる写真や春炬燵 針谷忠郎 202006
傍へ積まるる書籍春炬燵 有賀鈴乃 末黒野 202006
昼飯を食ひ損ねけり春炬燵 湯本実 やぶれ傘 202006
春炬燵子に読み聞かすぐりとぐら 小沢えみ子 202006
隠りたるふた月あまり春炬燵 玉川利江 末黒野 202007
老楽のスマホに挑む春炬燵 室井津与志 春燈 202007
スイッチの切替忙し春炬燵 杉山くみ子 末黒野 202008
高明の遺句集肘の春炬燵 山田六甲 六花 202103
ぶつかつてさつと足引く春炬燵 宮澤靖子 末黒野 202104
先客の猫に掻かるる春炬燵 中山惠子 202104
春炬燵やうやく通す針の孔 岡井マスミ 末黒野 202105
ちと飽くる三猿ぐらし春炬燵 市川夏子 末黒野 202105
ばば引いて澄まし顔なる春炬燵 塙誠一郎 202105
言ひたげな子が言はず出る春炬燵 和田満水 202105
春炬燵出るや猫似の背骨熨し 和田満水 202105
皆うちへ来たがる理由春炬燵 田中藤穂 202105
ローマ史の地図を旅する春炬燵 平野無石 202105
春炬燵 →5

 

2022年3月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。