半夏生草      55句

半夏生草   片白草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕闇に最も白し半夏生草 八木岡博江 酸漿 199909
奥庭は白き浄土や半夏生草 田中藤穂 「水瓶座」 200002
深爪のほてりに風の半夏生草 柴田朱美 京鹿子 200108
半夏生草荒地の残る寺の奧 田中藤穂 あを 200408
夕暮の庭に明るし半夏生草 大野ツネ子 酸漿 200510
半夏生草魂の通りしあとなりき 中野京子 翁草 200710
白虹が葉を染めたるか半夏生草 吉村昭雄 八千草 200801
遣り水に音なき流れ半夏生草 大竹淑子 風土 200809
引いてゆく闇に下り立ち半夏生草 中野京子 200809
三枚の便筆たたむ半夏生草 天野正子 200810
金網で区切りたる畑半夏生草 坂上香菜 200909
半夏生草日毎に化粧ととのふる 家塚洋子 酸漿 200910
隣より入りきて白し半夏生草 岡田房子 酸漿 201010
丸池のほとり明るし半夏生草 石井邦子 酸漿 201010
古井戸に蓋のしてある半夏生草 國保八江 やぶれ傘 201110
竹寺の静寂の深く半夏生草 堺昌子 末黒野 201110
曇天の池を明るく半夏生草 岡本ヨシエ 末黒野 201204
宗匠に一輪剪れる半夏生草 竹内悦子 201209
半夏生草戸ごとに小さき橋かけて 佐々木みどり 馬醉木 201209
本堂の裏の遣水半夏生草 菅野日出子 末黒野 201210
さざ波にかげのありけり半夏生草 大島英昭 やぶれ傘 201210
夕方の道ばたに半夏生草 藤井美晴 やぶれ傘 201211
堰すべる水音近し半夏生草 森清堯 末黒野 201310
池へ引く水路の冥し半夏生草 岡野里子 末黒野 201311
半夏生草束にして売る道の駅 坂根宏子 野山の道 201404
信念は変わらぬままよ半夏生草 宮田香 201409
伸庵のお薄一服半夏生草 橋本靖子 201409
おぼつかなき園児自転車半夏生草 和田郁子 201409
今朝は白いっぱいに咲き半夏生草 野口榮子 ろんど 201409
木道の補修の音や半夏生草 石黒興平 末黒野 201410
福さがす半夏生草揺るる辺に 高橋道子 201509
古民家の床の間に挿す半夏生草 加藤静江 末黒野 201510
半夏生草ふはとオペラ座の怪人 岩月優美子 201609
そよりともせず昼過ぎの半夏生草 藤井美晴 やぶれ傘 201609
木道に雨粒弾け半夏生草 森清信子 末黒野 201610
半夏生草古りし社に紙垂の揺れ 有賀昌子 やぶれ傘 201610
おどろげな河童出づるか半夏生草 松本文一郎 六花 201610
震災の石垣に咲く半夏生草 溝渕弘志 六花 201709
半夏生草わが魂とあそびける 鈴木直充 春燈 201709
半夏生草湖への風に揺れつづく 天野美登里 やぶれ傘 201807
染め残し半夏生草白の美し 樺山翠 雨月 201809
みつせ川その先にある半夏生草 中貞子 201809
闇に浮くかに白ゆるる半夏生草 竹内文夫 六花 201810
午後の雨すこし強まり半夏生草 丑久保勲 やぶれ傘 201910
池に風半夏生草右に揺れ 有賀昌子 やぶれ傘 201910
一僧の拓きし道や半夏生草 斉藤マキ子 末黒野 201910
そぞろ行く池の八つ橋半夏生草 東小薗美千代 末黒野 201910
樹の蔭の溝を明るく半夏生草 時田義勝 やぶれ傘 201911
半夏生草小流れに添ひ男下駄 中田禎子 202008
たまきはる幣の白さに半夏生草 小林共代 風土 202009
禅寺の水辺縁どる半夏生草 秋川泉 あを 202009
このへんの道ばた半夏生草ばかり 藤井美晴 やぶれ傘 202109
白き穂の左見右見して半夏生草 赤座典子 あを 202208
箒目のわずかに乱れ半夏生草 森川享 末黒野 202209
今年また袋小路に半夏生草 小巻若菜 やぶれ傘 202210

 

2023年6月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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