白 鳥 6      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暮れ泥むとは白鳥の白のこと 菊川俊朗 201703
白鳥のナルシスの首水に映ゆ 吉田政江 201703
みちのくの白鳥帰る日の深空 大森三保子 馬醉木 201704
白鳥のゐる眩しさの越辺おつぺ 原田しずえ 万象 201704
白鳥引く蒼天といふ画布の中 松井志津子 201704
風荒れ来白鳥いかに泊てをらむ 松井志津子 201704
白鳥の飛び立つしぶき珠なせり 松井志津子 201704
白鳥の羽搏きの胸立ち上がる 橋本順子 201704
白鳥来重たき声を響かせて 高山誓英 万象 201705
白鳥の去りし田に立つ風波かな 小松誠一 201705
諍へる白鳥水を汚しけり 松田明子 201706
白鳥の帰りし水面虚しけれ 岩月優美子 201706
白鳥のあらぬ声する有事かな 直江裕子 京鹿子 201706
賤ヶ岳掠め北帰の小白鳥 佐藤貞子 雨月 201706
白鳥の首と首とが争へり 松田明子 201706
帰られぬ白鳥一羽水温む 原田しずえ 万象 201707
白鳥の帯曳くやうに北を指す 伊藤希眸 京鹿子 201707
白鳥の一影づつの二十五個 大畑善昭 201801
白鳥の去りて余白のごとき湖 柴田昭子 雨月 201801
白鳥の啼く声星を殖やしけり 吉田順子 201802
白鳥の水面に朱を憚らず 山田健太 風土 201802
白鳥のパスポートなくすまし顔 藤波松山 京鹿子 201802
空の奥より煌めきて白鳥来 榎美幸 万象 201802
白鳥の呼びあふこゑや欣一忌 山田春生 万象 201802
真夜中に白鳥の声微かなる 榎美幸 万象 201802
白鳥の気位かくも荒々し 安居正浩 201802
水を出てからのベタ足大白鳥 青谷小枝 やぶれ傘 201803
大白鳥四五間駆けて浮きにけり 佐藤哲 万象 201803
冬連れて白鳥くると津軽びと 原田しずえ 万象 201803
白鳥の舞ひ降り冬の沼深む 吉田きみえ 末黒野 201803
白鳥にまつさらな日の弾けたる 大谷昌子 馬醉木 201803
千里来し白鳥ひなを三羽連れ 林陽子 万象 201803
二陣来て白鳥の湖うごきだす 林昭太郎 201803
白鳥の気品ありたる苛めかな 卯木尭子 春燈 201804
白鳥の沼や相和す夫婦旅 田中臥石 末黒野 201804
白鳥を指して囁く妻の声 田中臥石 末黒野 201804
田を渉る白鳥翅を開きつつ 田中臥石 末黒野 201804
白鳥のこゑや下総印旛沼 田中臥石 末黒野 201804
白鳥へ餌付の翁声発す 田中臥石 末黒野 201804
白鳥翔ぶたそがれ深き五頭の嶺々 佐々木よし子 201804
全制動かけ白鳥の着水す 佐々木よし子 201804
輪翔は別れの儀式白鳥去る 松井志津子 201804
辞令なく引く白鳥を眩しめり 森岡正作 201804
白鳥と眼の合ひし夜は耳あつし 本多俊子 201804
白鳥の番ひすまして離れ行く 永田万年青 六花 201804
白鳥の一羽となりて乱れけり 笹村政子 六花 201805
白鳥の群発つ羽音湖の綺羅 森清信子 末黒野 201805
白鳥を浮べて淀む最上川 藤波松山 京鹿子 201805
帰れざりしかの白鳥の墓標なり 西村梛子 馬醉木 201805
白鳥てふ華を水面に天守閣 森一枝 末黒野 201805
白鳥といふ静けさの滑りゆく 藤井啓子 ホトトギス 201806
喪服着て白鳥に会うことは稀 阪野基道 船団 201806
濠の白鳥餌を欲り寄れり青葉風 篠田純子 あを 201806
雪原の白白鳥の動く白 山本素竹 ホトトギス 201807
白鳥の首もう我に気付きたる 山本素竹 ホトトギス 201807
白鳥の声する闇に目を凝らす 山本素竹 ホトトギス 201807
翼に日乘せて白鳥着水す 大沢美智子 旬日 201808
白鳥の飛び立つ先の青さかな 上野紫泉 京鹿子 201901
白鳥の川サイレンの鳴り響く 佐藤やすこ 風土 201902
白鳥の改元を待つ首を伸べ 山田六甲 六花 201902
さびしさを集め白鳥飛び立てり 波戸辺のばら 201903
白鳥引く羽根いちまいの光ゲおいて 鈴鹿呂仁 京鹿子 201903
マトリョシカからこけしの里へ白鳥来 岡本尚子 風土 201903
白鳥のしづかに滑る夜の川 奥田茶々 風土 201903
富士の嶺と湖光り合ひ大白鳥 森清信子 末黒野 201903
白鳥や羽音ゆらりと着水す 安斎久英 末黒野 201903
白鳥を見に行く橋を二つ越し 青谷小枝 やぶれ傘 201903
大白鳥岡井省二のひとり寝し 水野恒彦 201903
白鳥の二羽の波のり清水港 堺昌子 末黒野 201904
葬送や日暮れ忘れて白鳥は 雨宮桂子 風土 201904
慟哭を聴く白鳥の群れの中 雨宮桂子 風土 201904
白鳥の風読む朝遠高嶺 竹中一花 201904
青空を曳いて白鳥来たりけり 秋津令 201904
寄つて来し白鳥の首無気味なる 荒井千佐代 201904
白鳥に喫水線のありにけり 岩崎俊 201905
大白鳥一声湖へ仲間入り 平野秀子 末黒野 201905
中年がじりじり囲む白鳥湖 津田このみ 船団 201906
白鳥は胸から声をぽうぽうぽう 津田このみ 船団 201906
白鳥の青ざめて見ゆひと日かな 直江裕子 京鹿子 201906
餌をくれと白鳥われに寄りにけり 松村光典 やぶれ傘 201911
青梅雨の池白鳥の死の告示 都築繁子 201912
白鳥来沼の序列の定まれり 森岡正作 202001
空と湖溶けゆくところ白鳥来 塩貝朱千 京鹿子 202001
白鳥の水面を打ちて立ちにけり 大森三保子 馬醉木 202001
白鳥のこゑのしてゐる葭の中 大森三保子 馬醉木 202001
秋冷や宝登山へ入る白鳥居 野村重子 末黒野 202002
白鳥や孤独の首を寄せ合ひて 長谷川祥子 馬醉木 202002
白鳥の白や名残りの空となる 寺田すず江 202002
総出して整ふ山河白鳥来 小嶋恵美 京鹿子 202002
白鳥に胸板といふありにけり 辻美奈子 202002
白鳥の汚れちらばる雪のうへ 南うみを 風土 202002
白鳥の歌天網を揺れしけり 岩月優美子 202002
己が影打つて白鳥立ち上がる 布施政子 馬醉木 202002
白鳥の鬨擾々と日の出前 天田牽牛子 馬醉木 202003
白鳥の火の鳥となる大夕日 安田優歌 京鹿子 202003
小白鳥湖の夕日を使ひ切る 安田優歌 京鹿子 202003
白鳥来一課増やせる村役場 川崎登美子 202004
白鳥来限界集落鎮もりぬ 宮岡弘 202004
白鳥の眠れり月の漣に. 吉清和代 202004
白鳥が白鳥を呼ぶ霧の中 山口優子 202005
白鳥の翔つとき白の極まれり 西條弘子 202005
誕生日いいえ白鳥見に行く日 波戸辺のばら 船団 202006
朝日浴び水面翔びたつ小白鳥 本田武 やぶれ傘 202006
白鳥の楽となりゆく水面かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
白鳥に水の固さの解れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
白鳥 →1
白鳥の羽根健やかに愛を舞ふ 藤田美耶子 202102
白鳥の首ゆるやかに傾げたる 谷口摩耶 202103
白鳥の癒えむがために舞ふ日かな 笹村政子 六花 202103
白鳥の道直線に曲線に 森なほ子 あを 202103
白鳥の声で鳴きだす電子辞書 森なほ子 あを 202103
空滑り水面傾げて白鳥来 涌羅由美 ホトトギス 202104
白鳥の翼にたたむ夕茜 涌羅由美 ホトトギス 202104
白鳥の眠れる影のやはらかに 涌羅由美 ホトトギス 202104
白鳥の来てその湖の母となる 和田華凛 ホトトギス 202104
水を蹴り首伸ばしきる大白鳥 間島あきら 風土 202104
白鳥を顎もて数へ頷きぬ 山田健太 風土 202104
白鳥の気性の荒き首づかひ 田所節子 202104
白鳥にドッグフードのお年玉 光成敏子 202104
農民の作れる田沼白鳥多々 神田恵琳 春燈 202105
雨雲や白鳥帰るざわめきか 神田恵琳 春燈 202105
のしのしと大白鳥の寄つて来ぬ 森高武 風土 202105
餌欲しき大白鳥の怪訝顔 森高武 風土 202105
白鳥の胸の汚れは帰心とも 小林輝子 風土 202105
帰るさの白鳥の声振りかぶる 小林輝子 風土 202105
濁りなき空波立たせ白鳥来 森清信子 末黒野 202105
首伸べて声蒼天へ大白鳥 森清信子 末黒野 202105
陣形をしかと組みなる帰白鳥 宮坂恒子 202105
争へる白鳥に湖重くなる 永淵惠子 202107
白鳥や引くとき声の極まりて 小林拓路 末黒野 202107
白鳥の空に省二の遊びごゑ 竹中一花 202107
夫連れて行きて帰りし白鳥か 直江裕子 京鹿子 202107
白鳥に瓢湖の闇の降りきたる 北村操 202110
白鳥の旅の思ひ出遠き日々 稲畑汀子 ホトトギス 202112
白鳥や湖に楽奏でゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
白鳥 →7

 

2021年12月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。