153句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
残る蠅とろり恵方を定めけり 竹村悦子 銀化 199903  
梅雨の蝿大きな皿で虫の息 丸山佳子 京鹿子 199907  
神聖な牛の額(ひたひ)の蝿ぼくろ 鷹羽狩行 199908  
蝿のなか自由市場を引返す 鷹羽狩行 199908  
心臓に蝿とまりたる朝の地震 吉田透思朗 海程 199909  
物憂げに犀の尻尾の蝿払ふ 村田明子 円虹 199909  
蝿ひとつ追ひかけもして夜ひとり 川合広保 俳句通信 199909  
大空を歩く蝿ゐて三日の客 丸山海道 丸山海道全句集 199910  
これも瓜瓜蠅迷ふことなかれ 中原道夫 銀化 199911 ウズベキスタン
蠅を追ふ吾子の視線の定まらず 稲畑廣太郎 「廣太郎句集」 199912  
成れの果てよりいっせいに蠅発ちぬ 青山茂根 銀化 200001  
地球儀を発つ銀蝿の行方不明 宇都宮滴水 京鹿子 200007  
一匹の蝿を友とし語りかけ 篠田三七子 いろり 200009  
蠅去つて長崎の鐘鳴止みぬ 松山律子 六花 200009  
軒の蠅奇襲訓練をしており 足利屋篤 海程 200010  
味噌汁に浮ぶ蝿捨て子に飲ます 長谷川登美 ぐろっけ 200011  
残る蝿皿に残つてをりにけり 土井田晩聖 銀化 200011  
白壁に運動會の蝿のをる 小山森生 200012  
蠅飛んで気まづき黙をはぐらかす 泉田秋硯 月に逢ふ 200103  
につくきと思へど打てぬ夜の蠅 水谷契江 六花 200109  
昨夜の蠅うつぼかづらの海に浮く 坂井法 200110  
死後のごとしやこんなにも蠅のゐて 水内慶太 銀化 200110  
蠅除けをして初七日のちらし鮓 田中英子 火星 200110  
蠅を打つ癇性の音かくれなし 白岩三郎 馬醉木 200110  
蝿が来てあの手この手で年を聞く ゆにえす 船団 200112  
蠅一匹たらいうどんにまつわりぬ 辻村拓夫 船団 200201  
クリスマス天井の蝿落ちもせず 山田六甲 六花 200201  
一匹の蠅を寄せずに川床料理 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202  
朝からの風吹き止みて蝿の声 鈴木昭子 帆船 200207  
醜聞は噴き出す習ひ銀蠅來 中原道夫 銀化 200209  
僧を待つ微熱のようなジャズと蠅 角田信子 六花 200210  
蠅の子に名前つけたり新吉と 野口伸二 帆船 200307  
蠅を打つ時ほどの敵吾にあらず 宮坂恒子 200309  
梅雨出水牛舎の蠅の溺れゐる 河口仁志 200309  
蠅の足ガラスの海を渡り来る 三間菜々絵 遠嶺 200310  
アウンサン市場の外の市場に蠅あつまる 佐藤喜孝 あを 200402  
金蠅の葉牡丹に来て落ちつかず 菅原光恵 百鳥 200404  
蠅の子に猫むつくりと目を醒ます 芝尚子 あを 200406  
蝿一つ追ひかけまはし消耗せり 竹内弘子 あを 200407  
天麩羅屋蠅が一匹とどまらず 佐藤喜孝 あを 200408  
一匹の蠅に夕餉の味失せし 水谷ひさ江 六花 200408  
雨の日中蝿一匹に虚仮にさる 鎌田つた枝 築港 200409  
硝子戸の蝿を逃がせし写経の座 加藤抱石 帆船 200409  
歓喜天おはす御堂に梅雨の蝿 澁江阿喜子 万象 200410  
あがきゐる通勤電車の窓の蝿 内藤ゑつ ゑつ 200411  
瓜蠅の追へどすぐ来る雀瓜 青木政江 酸漿 200411  
十月の蠅と馴れ合ふ厨かな 佐々木しづ子 酸漿 200412  
山頂にめくら飛びして青き蝿 伊藤白潮 200507  
牛飼に親しく蠅のとび廻る 太田土男 百鳥 200508  
牛の尾つぽが手のごとく蠅を追ふ 藤井圀彦 200508  
玻璃の蠅滑り落つるを愛すなり 齊藤實 200508  
コーヒーの湯気酔ひかとも蠅ふらり 林翔 200508  
枯草にゐて蠅も昆蟲なり 瀧春一 菜園 200509  
河馬が気にするのは蝿が小さいから 後藤立夫 ホトトギス 200509  
蝿打つて又蝿を打つ魚売り 大杉千津子 築港 200510  
蠅とまる料理雑誌のグラビアに 友田直文 200512  
可からざる蝿マンゴーの受粉は可 田中涼子 八千草 200601  
カウンターにアル中の蝿ふるへをり 篠田純子 あを 200606  
蝿の町細道よぎり寺を訪ふ 渡邉友七 あを 200607  
瓜蝿はさみしよ人に寄るでなく 渡辺ひろし 200608  
ドリアンと蠅と女の小舟去る 河崎尚子 火星 200609  
蝿追ひて乳牛の尾の屈託なし 坂根白風子 200609  
嵌め殺し窓に集まる蜂や蠅 東亜未 あをかき 200610  
旅人に蠅の親しき漁師町 生田恵美予 風土 200610  
懸け大根死にぞこなひの蠅かがやく 中山純子 万象 200703  
歓喜天おはす御堂に梅雨の蠅 澁江阿喜子 万象合同句集 200703  
串先を蠅のなんなく飛び立てり 山田六甲 六花 200707  
とも綱の蠅いつせいに散りにけり 山田六甲 六花 200707  
幾周も湯呑の縁を辿る蠅 山田六甲 六花 200707  
蠅と蠅頭触るるや飛び分かる 山田六甲 六花 200707  
逃げられたり蠅にもありし第六感 林翔 200708  
新聞で窓割れむほど蝿打てり KOKIA 六花 200709  
酒飲めば蠅来てなつく漁師宿 森下賢一 春燈 200709  
立ち上がり頭上の蠅を追へる猫 永田勇 六花 200710  
目の前に現れては消ゆる蠅を待つ 永田勇 六花 200710  
身の一部蠅に慕はれ昼寝覚め 渡邉友七 あを 200710  
留守番の蠅を一匹打ちしのみ 久保田至誠 200711  
ここ読めと蝿が手を捺る広辞苑 次井義泰 200711  
金蝿の舞ふ月の出の蕗の原 岡本高明 船団 200801  
銀蝿にやさし牛の尾牧日ぐれ 禰寝瓶史 京鹿子 200808  
バス停の大蜘蛛蠅を捏ねまはす 篠田純子 あを 200808  
蠅打つて無沙汰に過ぎし月日かな 小形さとる 200809  
弱り目を入つて来たる夜の蝿 前川明子 200810  
金蠅のながくとどまる曼珠沙華 佐藤喜孝 あを 200811  
金蠅が御所山道に屯する 奥田妙子 ぐろっけ 200811  
夜長かな一匹の蠅考へる 野崎タミ子 炎環 200901  
八ツ手の花こぼして蠅の舌なめづり 瀧春一 深林 200901  
梅雨の蠅畳のうへをとびにけり 八田木枯 晩紅 200908  
円卓の蠅もろともに回り来し 蘭定かず子 火星 200911  
山小屋の玻璃戸の内に残る蠅 家塚洋子 酸漿 200912  
飛び込みて位置定まらぬ五月蠅 高野幸次 201007  
一匹の猩猩蠅に苛まる 大橋敦子 雨月 201008  
独り居に蝿の庭灯ともさず 武田ともこ ぐろっけ 201011  
地べたにてねずみ花火のごとき蠅 仲里奈央 201012  
扇置き蠅頭のルビに目を凝らす 呉文宗 春燈 201012  
海へ行く電車に蠅と乗り合はす 吉村摂護 201012  
影絵なす障子に小さき蠅動く 森理和 あを 201101  
白障子蠅の羽先はうす墨に 森理和 あを 201101  
葉から葉へそろりと移る残る蠅 中尾廣美 ぐろっけ 201102  
金蠅のいつよりをりし花八つ手 山本耀子 火星 201102  
蠅打ちを惑はす蠅の羽音かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201110  
パエリアや陽気な店の巨大蝿 加藤峰子 201111  
一人居に覇気ある蝿の入り来たる 山尾玉藻 火星 201206  
一匹の蠅飛行せる定食屋 佐藤喜孝 あを 201208  
臥しをれば頬に冷めたき蠅の足 齋藤厚子 201209  
干柿に小蝿たかれば蟷螂来 細野恵久 ぐろっけ 201210  
大玻璃戸に一匹の蝿外は雨 塩貝朱千 京鹿子 201211  
蠅ひとつ隣りの席で討たれけり 松村光典 やぶれ傘 201301  
啓蟄や飛び行くは蠅らしきもの きくちきみえ やぶれ傘 201305  
亀の甲羅ほくろのやうに蠅とまる 吉成美代子 あを 201307  
夜の蝿四角き部屋を丸く飛ぶ 藤田素子 火星 201310  
反抗期老いにもありて蝿を打つ 楠原幹子 201310  
席に着く手をする蠅のそこに居て 長沼佐智 船団 201401  
父の日やライオンの眼に蠅集り 遠山陽子 201401  
気怠げに蠅追ふ昼の干物店 山本孝夫 璦別冊 201408  
蠅を追ふ痛み忘るる程の朝 福本すみ子 201408  
寝釈迦さま足裏に蠅を遊ばせて 矢野百合子 201409  
靫蔓の補食袋や蠅の贅 中村ふく子 201409  
手を合はす蝿の眼力畏れけり 小林正史 201410  
一匹の厨の蠅を仕留めけり 小川玉泉 末黒野 201411  
おや蠅だ騒ぐ人あり十五階 児玉有希 京鹿子 201411  
年詰まる静かな黒き蠅とゐて 山尾玉藻 火星 201501  
大風呂敷広げて蠅とともに去る 栗原京子 201503  
闘牛の鼻先にある蠅のこゑ 大崎紀夫 やぶれ傘 201507  
火に酔うてゐたるか蝿の息づかひ 仁平則子 201508  
肩の蠅家来のやうについて来し 八木健 八木健俳句集 201509  
どちらかといへば大きい小蠅かな きくちきみえ やぶれ傘 201509  
象の鼻右に左に蝿一匹 今井春生 201510  
銀蠅の動かぬ羽の尖りかな きくちえみこ 港の鴉 201510  
二階家を大きく使ひ蠅逃ぐる 亀井紀子 201512  
蠅も来て三角池の賑はひに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605  
梅雨の蝿打つにちからや且つ逃がし 定梶じょう あを 201608  
空蝉や見えぬからこそ見ゆるもの 江島照美 201609  
打ち損じちょっぴり安堵蝿のため 定梶じょう あを 201610  
目の縁に蠅遊ばせて牧の牛 是松三雄 末黒野 201709  
銀蠅の上りきつたる襖かな きくちきみえ やぶれ傘 201807  
道徳の授業中なり蠅生る 田丸千種 ホトトギス 201808  
蠅生れ少し濃くなる町の陰 田丸千種 ホトトギス 201808  
国破れめつきり減りし蠅の数 大網健治 201809  
塵ひとつ蠅一匹も許さざる 森田明成 201809  
見かけなくなりしは蠅もその一つ 稲畑汀子 ホトトギス 201906  
蝿生るる無常こそが生き甲斐と 平野多聞 201906  
玄関にきのふの蠅が死んでゐる きくちきみえ やぶれ傘 201907  
蠅のこゑ郵便受けを覗くとき 藤井美晴 やぶれ傘 201907  
金蝿や故郷去らぬ友かまし 野村宏 201909  
耳元を飛び行く蝿の戦闘機 山田六甲 六花 201908  
五月蠅追ふ猫一瞬の狩の顔 小笠原妙子 201909  
逃ぐる為の羽付け蠅の生まれけり 小田嶋野笛 末黒野 201909  
一匹の蠅に心を乱さるる 江島照美 発火点 201909  
銀蠅の来るかとみれば行つたきり きくみきみえ やぶれ傘 201910  
虚子記念文学館に学ぶ蠅 久保白村 ホトトギス 202001  
新聞を丸めて蠅を不意討ちす 石橋幾代 202002  
蠅と書く蠅を文字として封じ込め 梅津昌広 船団 202003  

 

2020年6月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。