2      73句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
パエリアや陽気な店の巨大蝿 加藤峰子 201111
一人居に覇気ある蝿の入り来たる 山尾玉藻 火星 201206
一匹の蠅飛行せる定食屋 佐藤喜孝 あを 201208
臥しをれば頬に冷めたき蠅の足 齋藤厚子 201209
干柿に小蝿たかれば蟷螂来 細野恵久 ぐろっけ 201210
大玻璃戸に一匹の蝿外は雨 塩貝朱千 京鹿子 201211
蠅ひとつ隣りの席で討たれけり 松村光典 やぶれ傘 201301
啓蟄や飛び行くは蠅らしきもの きくちきみえ やぶれ傘 201305
亀の甲羅ほくろのやうに蠅とまる 吉成美代子 あを 201307
夜の蝿四角き部屋を丸く飛ぶ 藤田素子 火星 201310
反抗期老いにもありて蝿を打つ 楠原幹子 201310
席に着く手をする蠅のそこに居て 長沼佐智 船団 201401
父の日やライオンの眼に蠅集り 遠山陽子 201401
気怠げに蠅追ふ昼の干物店 山本孝夫 璦別冊 201408
蠅を追ふ痛み忘るる程の朝 福本すみ子 201408
寝釈迦さま足裏に蠅を遊ばせて 矢野百合子 201409
靫蔓の補食袋や蠅の贅 中村ふく子 201409
手を合はす蝿の眼力畏れけり 小林正史 201410
一匹の厨の蠅を仕留めけり 小川玉泉 末黒野 201411
おや蠅だ騒ぐ人あり十五階 児玉有希 京鹿子 201411
年詰まる静かな黒き蠅とゐて 山尾玉藻 火星 201501
大風呂敷広げて蠅とともに去る 栗原京子 201503
闘牛の鼻先にある蠅のこゑ 大崎紀夫 やぶれ傘 201507
火に酔うてゐたるか蝿の息づかひ 仁平則子 201508
肩の蠅家来のやうについて来し 八木健 八木健俳句集 201509
どちらかといへば大きい小蠅かな きくちきみえ やぶれ傘 201509
象の鼻右に左に蝿一匹 今井春生 201510
銀蠅の動かぬ羽の尖りかな きくちえみこ 港の鴉 201510
二階家を大きく使ひ蠅逃ぐる 亀井紀子 201512
蠅も来て三角池の賑はひに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
梅雨の蝿打つにちからや且つ逃がし 定梶じょう あを 201608
空蝉や見えぬからこそ見ゆるもの 江島照美 201609
打ち損じちょっぴり安堵蝿のため 定梶じょう あを 201610
目の縁に蠅遊ばせて牧の牛 是松三雄 末黒野 201709
銀蠅の上りきつたる襖かな きくちきみえ やぶれ傘 201807
道徳の授業中なり蠅生る 田丸千種 ホトトギス 201808
蠅生れ少し濃くなる町の陰 田丸千種 ホトトギス 201808
国破れめつきり減りし蠅の数 大網健治 201809
塵ひとつ蠅一匹も許さざる 森田明成 201809
見かけなくなりしは蠅もその一つ 稲畑汀子 ホトトギス 201906
蝿生るる無常こそが生き甲斐と 平野多聞 201906
玄関にきのふの蠅が死んでゐる きくちきみえ やぶれ傘 201907
蠅のこゑ郵便受けを覗くとき 藤井美晴 やぶれ傘 201907
金蝿や故郷去らぬ友かまし 野村宏 201909
耳元を飛び行く蝿の戦闘機 山田六甲 六花 201908
五月蠅追ふ猫一瞬の狩の顔 小笠原妙子 201909
逃ぐる為の羽付け蠅の生まれけり 小田嶋野笛 末黒野 201909
一匹の蠅に心を乱さるる 江島照美 発火点 201909
銀蠅の来るかとみれば行つたきり きくみきみえ やぶれ傘 201910
虚子記念文学館に学ぶ蠅 久保白村 ホトトギス 202001
新聞を丸めて蠅を不意討ちす 石橋幾代 202002
蠅と書く蠅を文字として封じ込め 梅津昌広 船団 202003
イヤホンの白きに蝿の止まるかな 篠田大佳 あを 202007
蠅打てば少し痛みし我がこころ 柴田靖子 202008
蟄蠅やテロルは象の耳の中 柳川晋 202009
一人空く卓上に蠅追はざりし 小林輝子 風土 202009
大金蠅牛の尻尾に打たれけり 沼崎千枝 末黒野 202011
切株の蠅の子とんでまたとまり 倉澤節子 やぶれ傘 202105
ツイートの生成されて蝿生る 篠田大佳 あを 202106
金蠅が美しすぎる夜の街 三木亨 202109
ラスコリニコフ獄のスープの蠅抓む 竪山道助 風土 202110
この部屋に蠅は入れぬぞ一撃ぞ 押田裕見子 202112
蠅叩く執念深さ生れ付き 沼崎千枝 末黒野 202204
人気無き路傍のベンチ蝿生まる 黒澤次郎 やぶれ傘 202206
寝ころんで天井の蝿見てゐたり 瀬島洒望 やぶれ傘 202209
山蠅は膝に這はせて家蝿打つ 佐藤竹僊 あを 202209
制空権握る小蠅や台所 磯野青之里 六花 202209
蝿一匹されど一匹追ひまはし 柴田靖子 202209
仏壇の金色世界蠅歩む 六車佳奈 風土 202210
嗽して天井の蠅見つけたり 志方章子 六花 202210
翅あるに高さ目差さず老ゆる蝿 松本鷹根 京鹿子 202210
→1

 

2023年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。