紫雲英      91句

紫雲英田の濃きも淡きも花盛   山口誓子

げんげ  紫雲英  れんげ  蓮華草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
屍の胸そつと子の置く紫雲英かな 星佳子 199806
野仏も子らと同じに紫雲英の輪 和田和子 馬醉木 199907
紫雲英田も少なくなって仕舞ひたり 松沢久子 いろり 199908
鋤きはじむ紫雲英田深きところより 中田ゑみこ 馬醉木 199912
往診医来る紫雲英田の畦伝ひ 藤中正治 200008
心平のふるさとに住み紫雲英蒔く 遠藤アサ子 赤井 200103
古郷はパッチワークに紫雲英咲く 森理和 あを 200104
紫雲英田に片足入れてよろけたり 浜口高子 火星 200106
畦ひとつとんで咲きたる紫雲英かな 中山世一 百鳥 200107
ふる里の紫雲英畑に腰うづめ 鈴木多枝子 あを 200107
紫雲英田の中へをんなのカメラマン 鈴木智恵子 風土 200108
紫雲英田にかがめる仏五左右衛門 山田六甲 六花 200205
紫雲英田の一本引けば解けさう 正木ゆう子 200205
紫雲英田や宮の幟が風に鳴る 朝妻力 雲の峰 200206
紫雲英田にはさまれてゐる出張所 清わかば 雲の峰 200206
紫雲英咲き田川の流戻りけり 橋本貞二 酸漿 200206
黒牛の背のつややかに紫雲英咲く 鈴木多枝子 あを 200206
草原に車乗り入れ紫雲英摘む 岡本直子 雨月 200207
子等と来て故郷の野辺に紫雲英摘む 岡本直子 雨月 200207
紫雲英田を吹いて野の風整ひぬ 加藤奈那 ぐろっけ 200207
湖風の標野はづれや紫雲英蒔き 北川英子 200211
紫雲英田の畦縫ってゆく癌封じ 萩谷幸子 雨月 200305
やうやうに紫雲英田くれて比叡昏る 斉藤由美子 ぐろっけ 200305
紫雲英田に足投げ出して農夫婦 藤野力 馬醉木 200306
ひっそりと紫雲英の隠す潦 泉田秋硯 200306
紫雲英田にまで拡げつつ網手入 小山香月 酸漿 200306
紫雲英田の牛にまたまた呼ばれたる 泉田秋硯 200307
紫雲英咲き憩ひ場となる休耕田 浜野愛子 築港 200308
夕暮れの紫雲英田に犬噛みあへる 山田六甲 六花 200406
紫雲英田にクラスの兎囲みけり 杉江美枝 百鳥 200407
休耕田紫雲英の紅の盛り上がる 難波澄子 築港 200407
小さきものあまた飛び交ふ紫雲英の田 長崎桂子 あを 200407
潮騒の能登の紫雲英田鋤かれけり 近藤幸三郎 風土 200407
紫雲英田の五右衛門釜や銹しまま 橋本靖子 200508
からだより入つてゆきし紫雲英畑 雨村敏子 200508
のめりゆく馬に紫雲英田鋤かれゆく 瀧春一 常念 200606
紫雲英田の半ば鋤かれて磊塊と 瀧春一 常念 200606
紫雲英田の色にかも似る山の雲 瀧春一 常念 200606
紫雲英野や山里の空なほ暮れず 内山巳代子 酸漿 200606
紫雲英田を一枚残し田を植うる 村上みきお 万象 200606
背にぬくみ前にかげある紫雲英摘み 中野京子 200606
老山羊に紫雲英の花環つくらばや 片山博介 春燈 200607
紫雲英田にまろび未来の夢追ひし 辰巳比呂史 200704
紫雲英摘む万葉人の首飾り 岩下芳子 200706
さきだちて紫雲英の畦に師のすがた 瀧春一 200706
紫雲英田が鋤かる園児の摘みし後 今井忍 ぐろっけ 200709
紫雲英田の深きにランドセル三つ 森岡正作 200806
夢を見むげんげ野にゐて紫雲英いろ 近藤公子 200807
紫雲英咲く田園都市を快速車 中川すみ子 200808
紫雲英編む少女にテイアラせがまれて 廣見知子 200808
紫雲英田の鋤かれて土の匂ふかな 田所洋子 雨月 200808
青々と紫雲英そだてり冬の庭 阿部文子 酸漿 200902
庭隅も隅なる紫雲英咲きはじむ 阿部ひろし 酸漿 200904
紫雲英田の風に乗りくるわらべ唄 水原春郎 馬醉木 200906
紫雲英田の少くなりし過疎の村 中川すみ子 200907
紫雲英田に墓石割れて転ばされ 靜寿美子 ぐろっけ 200907
紫雲英摘む田の無き島に生まれし子 五領田幸子 馬醉木 200912
その裾は紫雲英田となる水城跡 柴田佐知子 201007
紫雲英咲き始動の田畑はしゃぎけり 宮田 201107
わが胸の紫雲英田一枚谷折りに 服部早苗 201107
琴材の野晒し干や紫雲英草 和田照海 京鹿子 201108
斑鳩の畔とほくなる紫雲英かな 雨宮桂子 風土 201111
紫雲英摘む母の姿のまなうらに 郡山真帆 かさね 201204
紫雲英田の淡き光に乳母車 櫻木道代 ぐろっけ 201206
村雨にけぶれる紫雲英畑かな 山田六甲 六花 201206
墨壺の糸のはじけて紫雲英の田 田代貞枝 201207
吉備津野に名立たる塔や紫雲英道 碇天牛 雨月 201207
一冊に疲れ紫雲英に疲れ 井上信子 201304
たてよこに紫雲英田歩く測量士 山田美恵子 火星 201306
紫雲英田に貧血といふ身を横たへ 瀧春一 花石榴 201312
紫雲英田の真なか安酒こぼしあひ 深澤鱶 火星 201407
紫雲英田の畦行く医師の黒鞄 田代貞枝 201408
紫雲英田の牛のひと啼き撮りにけり 高野春子 京鹿子 201408
紫雲英野やゆびわ・かんむり・くびかざり 藤原若菜 春燈 201506
日和見の老漁夫通ふ紫雲英径 田中臥石 末黒野 201506
紫雲英田の風より明けて湖畔宿 黒滝志麻子 末黒野 201507
紫雲英咲く知人の家はその先に 安藤久美子 やぶれ傘 201606
みどり児の立ちては転び紫雲英畑 山口順子 馬醉木 201607
日々にひと通へば紫雲英道となり 織田高暢 201610
風が切る父子の声や紫雲英摘 吉田政江 201705
サーカス小屋たたまれ紫雲英田の広し 松本峰春 春燈 201906
紫雲英田を座とし田の神降り立ちぬ 間島あきら 風土 201907
尾張野の紫雲英葺きたり花御堂 大橋淳一 雨月 201907
紫雲英田に座すや母子の数へ唄 田中臥石 末黒野 201907
紫雲英咲く老いて引退為すべきや 田中臥石 末黒野 202008
紫雲英咲く休耕田のしづけさに 津川かほる 風土 202106
もりもりと田を持ち上げて紫雲英咲く 眞田忠雄 やぶれ傘 202108
しみじみと紫雲英の花と寝起きせし 片桐てい女 春燈 202206
一反歩用の紫雲英の余り種捨て蒔く 片桐てい女 春燈 202206
一反歩用の紫雲英の捨て種三角州 片桐てい女 春燈 202206
紫雲英田に寝ころぶふたり空蒼し 安田優歌 京鹿子 202206

 

2023年2月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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